「2021年すべてのいのちを守るための月間」にあたり

2021年09月01日


「すべてのいのちを守るための月間」にあたり
(2021年9月1日~10月4日)

カトリック東京大司教区の皆様

東京大司教区 大司教
菊地功

昨年に引き続き今年もまた、感染症の状況の中で社会全体が大きな影響を受け、教会もその活動を自粛する中で、「すべてのいのちを守るための月間」が始まります。

教皇フランシスコは、回勅「ラウダート・シ」を発表されたことで、教会がエコロジーの課題に真摯に取り組むことの大切さを強調されました。その啓発と霊的深化のため、毎年9月1日を「被造物を大切にする世界祈願日」とさだめ、さらにアシジの聖フランシスコの記念日である10月4日までを、被造物を保護するための祈りと行動の月間、「被造物の季節(Season of Creation)」と定められました。

教皇様が強調されるエコロジーへの配慮とは、単に気候変動に対処しようとか温暖化を食い止めようとかいう単独の課題にとどまってはいません。「ラウダート・シ」の副題として示されているように、課題は「ともに暮らす家を大切に」することであり、究極的には、「この世界でわたしたちは何のために生きるのか、わたしたちはなぜここにいるのか、わたしたちの働きとあらゆる取り組みの目標はいかなるものか、わたしたちは地球から何を望まれているのか、といった問い」(160)に真摯に向き合うことが求められています。

日本の司教団はこの世界祈願日を9月の第一主日と定めており、今年は9月5日となります。さらに日本の司教団は、2019年の教皇訪日のテーマである「すべてのいのちを守るため」を深め、黙想し,祈り、行動するために、この「被造物の季節」を特別な期間と位置づけて、「すべてのいのちを守るための月間」と名付けました。

教皇は、「あらゆるものは密接に関係し合っており、今日の諸問題は、地球規模の危機のあらゆる側面を考慮することの出来る展望を」(137)必要とすると指摘し、それを総合的エコロジーの視点と呼んでいます。

その上で教皇は、「わたしたちがずうずうしくも神に取って代わり、造られたものとしての限界を認めるのを拒むことで、創造主と人類と全被造界の調和が乱されました」(66)と指摘され、環境破壊や温暖化も含めて、共通の家である地球の危機は、「創造主と人類と全被造界」の三つの関係の破壊による罪の結果であると指摘されます。教皇は「ラウダート・シ」を通じて、被造物全体を包括した地球規模の課題への取り組みへの呼びかけをされており、調和が乱されたことによって引き裂かれた罪の状態を解消するため、わたしたちの回心を呼びかけておられます。

今年もまた感染症対策のため,教区における特別な行事などは制限せざるを得ませんが、教皇様の呼びかけを心にとめ、「私たちの共通の家」への心遣いを深め、「創造主と人類と全被造界」の関係を修復するために、一人ひとりの回心のときとしていただきますように,お願いいたします。教皇様の呼びかけは、もちろん一人ひとりの環境への配慮の行動を求めていますが、それだけに留まらず、教会全体として社会に向かって「創造主と人類と全被造界」の調和を回復するための具体的な行動を求めておられます。この機会に、教皇様の回勅「ラウダート・シ」を読み直したり、一緒に学んだりする機会を設けてはいかがでしょうか。

「すべてのいのちを守る月間」にあたって、9月5日の主日に教皇様の意向に合わせて祈ることはもちろんとして、この月間の間に東京教区のホームページを通じて、さまざまな情報を提供いたします。ご参照いただければ幸いです。皆様がそれぞれの場で、ご自分に出来ることを小さくとも忠実に果たしていくことは重要ですし、同時に、共同体として皆の知恵と力を結集して行動していくことも大切です。

すべてのいのちを守るための月間2021の祈り

※スマホ用祈りのカードはこちら

万物の造り主である神よ、
愛の交わりによって、すべての被造物の家であるこの星を造られたことに感謝します。
あなたは、聖なる知恵によってこの地球を造り、
土と水と空を満たす多くの生物を生み出されました。
造られたものはすべてあなたを賛美し、織りなすいのちの中で互いを思いやります。

あなたの家であなたを賛美して歌います。
「あなたの祭壇に、鳥は住みかを作り、
つばめは巣をかけて、雛を置いています。」(詩編84.4)
わたしたちは、全てのいのちを尊重し、
あなたの庭、豊かないのちに満ちたこの地球を
守るように招かれていることを思い起こします。

しかし、わたしたちの欲望は地球の限界を超え、
自然との交わりを失っています。
土地は荒れ、種は滅び、生態系は壊されています。
多くのいのちに満ちていた珊瑚礁や洞窟、山頂や深海は荒れ果て、
住むものもいなくなりました。
人々は争いによって住む場所を追われ、
平和を求めて移住し、
動物たちは、火事や森林破壊、飢饉から逃れ、
生き残るために新しいすみかを求めてさまよっています。

すべてのいのちを守るための月間、
わたしたちは、あなたの創造のことばの息吹が、
誕生と洗礼の水のように、
私たちの心を動かしてくださるよう祈ります。
愛する共同体の中で、キリストに従う信仰をお与えください。
あなたの招きに応え、わたしたちの共通の家を世話できるように、
恵みによってわたしたちを照らしてください。
大地を耕し、生物を養うことによって、
聖霊とともに地上を新たにし、
すべての被造物を守る喜びをわたしたちに知らせてください。

すべての被造物に福音を宣べ伝えるために来られた方、
わたしたちの主、イエス・キリストによって
アーメン。

出典:https://seasonofcreation.org/
訳:カトリック東京大司教区広報

 

すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り

宇宙万物の造り主である神よ、
あなたはお造りになったすべてのものを
ご自分の優しさで包んでくださいます。

わたしたちが傷つけてしまった地球と、
この世界で見捨てられ、忘れ去られた人々の叫びに
気づくことができるよう、
1人ひとりの心を照らしてください。

無関心を遠ざけ、
貧しい人や弱い人を支え、
ともに暮らす家である地球を大切にできるよう、
わたしたちの役割を示してください。

すべてのいのちを守るため、
よりよい未来をひらくために、
聖霊の力と光でわたしたちをとらえ、
あなたの愛の道具として遣わしてください。

すべての被造物とともに
あなたを賛美することができますように。

わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

(2020年5月8日 日本カトリック司教協議会認可)

「すべてのいのちを守るための月間 」日毎の祈り

こちらからご覧ください。

「すべてのいのちを守るため」の聖時間と聖体礼拝

式次第はこちら

リンク集

「2021年すべてのいのちを守るための月間」日本カトリック司教協議会会長談話
「2021年すべてのいのちを守るための月間」に寄せて日本カトリック司教協議会会長カテケージス
創造の季節(Season of Creation)公式サイト(英語)
・「ラウダート・シ・ムーブメント」公式サイト(英語)
※「ラウダート・シ・ムーブメント」の歴史についてはこちら
 「ラウダート・シ・ムーブメント」が掲げる10の価値はこちら

※教皇庁人間開発のための部署は、「すべてのいのちを守る月間」と同じ9月1日から10月4日を”Season of creation”「被造物の季節」と定めています。名前は異なりますが同じ意向で定められた期間ですので、東京教区ウェブサイトでは「すべてのいのちを守る月間」という表記に統一します。