カトリック教会とは

カトリック教会とは

はじめに

「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」

今から2000年前、現在のイスラエルで、イエスは人々にこう呼びかけました。イエスが説いたことは、神はすべての人の父であり、父である神は苦しむ人間の姿を見て、胸を痛め、救いに近づいてきてくださる方だ、ということ、そして、神がすべての人の父であるならば、わたしたちはみな兄弟姉妹である、ということでした。どんなに神から程遠いように見える人も、人から差別されたり排斥されたりしている人も、イエスから見れば、神に愛されたかけがえのない子どもであり、イエスの兄弟姉妹でした。イエスはこのことをことばで語っただけでなく、実際の人々との出会い、関わりの中で伝えました。特に貧しい人、病気の人、心や体に障害を負った人、社会的に蔑視されていた人と出会い、その人々にいやしと希望のメッセージを伝えました。このイエスの活動は、多くの人の心に信頼と希望と愛を呼び覚まし、イエスに従う多くの弟子が集まってきました。

その一方、イエスの活動は当時のユダヤの社会的・宗教的指導者たちの反感を買うことになり、ついに捕らえられます。かつてイエスを称えた人々もイエスをあざけり、弟子たちさえも師を見捨てて逃げ去りました。そしてイエスは十字架刑というむごたらしい方法で処刑されてしまいます。

イエスの死から三日目のこと、墓に葬られたイエスの遺体が消え去り、人々から隠れて過ごしていた弟子たちのもとにイエスが姿を現します。その後もイエスは何度も弟子たちの前に現れ、生前と同じように弟子たちに教えを説き、同じ食卓を囲みました。この、単なる肉体のよみがえりとも、幽霊とも違う不思議な出来事を、キリスト教では「復活」という言葉で表します。

復活から四十日が過ぎ、イエスが天に上げられた後、弟子たちはイエスのことを人々に語り、イエスを信じる人々の集いが生まれました。これが「教会」です。教会は、イエスを神の子、キリスト(救い主の称号)と信じ、イエスの跡を歩もうとする人々の共同体です。なお、人がキリスト信者になる儀式として、最初の時代から「洗礼」が行われてきました。

神の子であるイエスが人となってこの世に生まれたこと、全ての人の罪をその身に背負って償うため、全ての人の罪が赦されるために神の子であるイエスが十字架上で死んだこと、そしてイエスが死に打ち勝って復活したことは、キリスト教の信仰の中心です。

2000年のキリスト教の歴史の中で不幸な分裂が起こりました。その結果、様々なキリスト教の教派がありますが、現代では多くの面で相互理解や協力が進んでいます。

わたしたちの教会は「カトリック教会」といいます。カトリックとは、「普遍の」という意味です。「使徒」と呼ばれるイエスの弟子たちに始まる2000年の伝統を受け継ぎ、ローマ教皇を一致の中心にして世界各地に広がる教会です。全世界におよそ12億人の信者がいます。

カトリック教会の基本的な単位は「司教区」と呼ばれるそれぞれの地方の教会です。カトリック東京大司教区は、菊地功大司教を中心に一つに集まる東京都と千葉県のカトリック信者の共同体です。東京大司教区の中には約80箇所の小教区(教会)があり、信者は日曜日ごとにそれぞれの教会に集まってミサを祝います。教会の活動は、イエス・キリストのメッセージを伝え、共に祈り、イエスのように信仰と希望と愛を持って生きることです。教会の祈りも活動もすべての人に開かれています。上に掲げたキリストの招きは、今も教会を通して続けられているのです。