「すべてのいのちを守るため」の聖時間と聖体礼拝式次第

2020年08月31日

アジア司教協議会連盟の人間開発局より、「すべてのいのちを守るための月間」のための聖時間と聖体礼拝の式次第が発表されています。聖体礼拝だけでなく、個人、または小グループでの祈りや黙想の手引きとしてお役立ていただければ幸いです。
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「すべてのいのちを守るため」の祈り
聖時間-聖体礼拝
2020年9月

聖体顕示

序文: (以下は、201586日に、毎年91日を「被造物を大切にする世界祈願日」に指定するために書かれた教皇からコッホ枢機卿とタークソン枢機卿宛に書かれた手紙から読まれる。)

私たちはキリスト者として、人類が現在直面しているエコロジーの危機の解決に貢献したいと願っています。そのためには、私たちは、被造物を大切にする最も深い動機を、自分自身の豊かな霊的財産の中に再発見しなければなりません。私たちは、私たちのために人となられた神のことばであるイエス・キリストを信じる者にとって、「霊であるいのちは、肉体から、自然から、あるいは世の現実から切り離されることなく、それらの間で、それらとともに、わたしたちを取り巻くすべてのものとの交わりのうちにある」(ラウダート・シ 216)ことを常に心に留めておく必要があります。このように、エコロジーの危機は、私たちに深い霊的回心を求めています。キリスト者は「イエス・キリストとの出会いがもたらすものを周りの世界との関わりの中で証しさせる『エコロジカルな回心』」(同、217)へと招かれています。それは「神の作品の保護者たれ、との召命を生きることは、徳のある生活には欠かせないことであり、キリスト者としての経験にとって任意の、あるいは副次的な要素ではない」(同)からです。

年に一度の「被造物を大切にする世界祈願日」は、信仰者一人ひとりと共同体に、私たちは被造物の管理者であるという個々の召命を再確認すること、私たちに素晴らしい創造物の世話を委ねられたことを神に感謝すること、神が私たちがこの世界に対して犯した罪を赦してくださること、被造物の保護と私たちが住む世界に対して犯した罪のゆるしを神に願うことのよい機会となります。 正教会と同じ日にこの日を祝うことは、私たちが正教会の兄弟姉妹との交わりをより深めていることを証しする貴重な機会となるでしょう。私たちは、すべてのキリスト者が、同じ決定的な課題に直面している時代に生きています。この課題を、より確かに、より効果的に解決するために、私たちは共に対応しなければなりません。この祈願日が、何らかの形で他の教派や教会共同体に関わりを促し、世界教会協議会の同様の取り組みと一体となって祝われることを願っています。

先唱者:被造物のすべてに影響を与え、猛威を振るう大流行の中で、今を生きるキリスト者として、私たちは人類が現在経験しているエコロジーの危機の解決に貢献したいと願っています。そのためには、私たちは、被造物を大切にする最も深い動機を、自分自身の豊かな霊的財産の中に再発見しなければなりません。

朗読1: 私たちは、私たちのために人となられた神のことばであるイエス・キリストを信じる者にとって、「霊であるいのちは、肉体から、自然から、あるいは世の現実から切り離されることなく、それらの間で、それらとともに、わたしたちを取り巻くすべてのものとの交わりのうちにある」(ラウダート・シ 216)ことを常に心に留めておく必要があります。

沈黙のうちに祈る

回心の祈り

先唱者: エコロジーの危機は、私たちに深い霊的回心を求めています。キリスト者は「イエス・キリストとの出会いがもたらすものを周りの世界との関わりの中で証しさせる『エコロジカルな回心』」(ラウダート・シ 217)へと招かれています。

会衆:主よ、私たちの罪をおゆるしください。

先唱者:私たちが人間のエコロジーだけでなく、環境エコロジーに対する責任感を新たにすることができますように。環境への思いやりと隣人への思いやりを、常に一つにすることができますように。私たちの過ちのために祈りましょう。

会衆:主よ、私たちの罪をおゆるしください。

先唱者:被造物の管理者としての召命、すべての生き物の利益、共通善の促進、そして次世代の安定のために地球の富を開発する神の協働者としての召命のうちに、私たちの信仰を育み、形作ってくださいますように。私たちの欠点のために祈りましょう。

会衆:主よ、私たちの罪をおゆるしください。

一同:神の作品の保護者たれ、との召命を生きることは、徳のある生活には欠かせないことです。それは、キリスト者としての経験にとって任意の、あるいは副次的な要素ではありません。

先唱者:全能の神よ、私たちの罪、特に環境への配慮を怠り、それを当たり前としていたことを赦し、永遠のいのちへと導いてください。アーメン。

一同:主よ、あなたを賛美します。あなたは永遠の王であり、御子キリストを通して万物をお作りになりました。

(以下の祈りは、二手に分かれて応答によって祈る)

先唱者:始まりの時、あなたは創造の水に息を吹き込み、活きた霊を通して大地を生命で満たしました。

1:主よ、天はあなたの栄光を現し、空の星は闇に光をもたらします。あなたのことばによって、大地は生命で満たされ、あなたはそれを見て良しとされました。

2:あなたは被造物を創り、陸と海のすべての生き物にいのちをお与えになりました。あなたは、ご自分の似姿として人間を造り、全世界の万物の上に私たちを置かれました。

1:あなたは私たちにあなたの支配を分け与え、御手の作品であるその庭を耕し、世話をするようにお命じになりました。

2:昼が夜になった時、私たちはあなたの数々の贈り物を讃えます。

1: 私たちの祈りがあなたの名に栄光を与え、忠実と愛をもってあなたに仕えることができますように。

2:日々、被造物を大切にすることによってあなたの御名を敬い、天地のすべての生き物の中にあなたの救いの力を明らかにすることができますように。

一同:父と子と聖霊の御名によって、代々とこしえに。アーメン。

聖書朗読

創世記1章26節~2章3節、15節

沈黙のうちに祈る

マタイによる福音6章25~33節

黙想:

私たちは今日、パンデミックの危機という歴史的な出来事に直面している、非常に困難な時代を生きています。この時期、世界中の人々が希望を求めて叫び、今こそ、私たちの道を照らすために、私たちの信仰が必要とされています。必要とされています。世界が危機に直面して一丸となっているこの時、私たちが信仰に立ち返ることは、まことにふさわしいことです。私たちの信仰は、私たちと共におられる父と子と聖霊の神のうちにあります。

私たちの共通の家を大切にすることに関する教皇フランシスコの回勅「アウダート・シ」は、5年前の2015年5月24日に発行されました。それは、私たちに世界と調和して生きる方法、私たちが神の子どもとして、より良い世界を共に築く方法を教えています。私たちは今、この瞬間の危機を乗り越えて、私たち自身と私たちの子どもたちのためにより良い明日を築くために成長しながら、信仰の兄弟姉妹と一致していることに気づき始めました。

この祈りの時、私たちは教皇フランシスコの回勅「ラウダート・シ」を振り返り、被造物が直面している状況を理解し、被造物を守るために私たちがどのような役割を果たすことができるかを理解するために、自分の心を見つめましょう。

朗読1:教皇フランシスコは次のように言います。「進路を改めるべき物事がたくさんありますが、とりわけ変わる必要があるのは、わたしたち人間です。わたしたちには、共通の起源について、相互に属し合っていることについて、そしてあらゆる人々と共有される未来についての自覚が欠けています。この基本的な自覚が、新しい信念、新たな態度とライフスタイルを成長させてくれるでしょう。わたしたちは、文化的で霊的で教育的な重要課題に直面しており、再生のための長い道のりに踏み出すようにとの要求を突きつけられています。(ラウダート・シ 20)

さらに、実践的なステップとして教皇フランシスコは次のように提案します。「環境上の責任についての教育は、直接的で多大な影響を周囲の世界に及ぼす行動へと促すことができます。たとえば、プラスチックや紙の使用を避けること、水の使用量を減らすこと、ゴミを分別すること、食べられる量だけを調理すること、他の生き物を大切にすること、公共交通機関を利用したりカーシェアリングをしたりすること、植林をすること、不要な電気を消すこと、また、他にも実践例はいくつも挙げられます。こうした例はすべて、人間の中にある最善のものを引き出してくれる、寛大で価値ある創造性を反映しています。正しい理由でなされるならば、すぐに使い捨てずに再利用することは、わたしたちに固有の尊厳の発露たる愛の行為となりうるのです。」(ラウダート・シ 211)

沈黙のうちに祈る

朗読2:貴重な資源である水に関して私たちが直面している課題について、教皇フランシスコは次のように言います。「とりわけ重要な問題は、貧しい人々が利用できる水の質です。…安全な飲み水を入手することは、人間の生存に不可欠であり、また、それ以外の人権を行使する条件そのものであるため、基本的で普遍的な人権です。飲み水に事欠く貧しい人々は、不可侵の尊厳に根ざす生存権を否定されているのですから、わたしたちの世界は貧しい人々に返済すべき甚大な社会的負債を火欠けているのです。」(ラウダート・シ 29-30 )

沈黙のうちに祈る

朗読3:教皇は地球温暖化が与える影響について、全ての人に注意を促します。「非常に堅固な科学的コンセンサスがあります。ここ数十年間、この温暖化には普段の海面上昇が伴っており、また、たとえ科学的に決定可能な原因が個別事象ごとにはあてはまらないとしても、異常気象の増加に関連しているように見受けられます。人類は、この温暖化と闘うため、あるいは少なくともそれを生み出し悪化させている人為的原因と闘うために、ライフスタイルを変え、生産と消費に変化をもたらす必要があることを認めるよう求められています。」(ラウダート・シ23)

沈黙のうちに祈る

朗読4:教皇フランシスコは、環境問題と貧困問題に与える影響と、両者の結びつきに関して私たちに注意を促します。「人間環境と自然環境はともに悪化します。人間や社会の悪化の原因に注意を払うことなしに、環境悪化に適切に立ち向かうことはできません。実際、環境と社会の悪化は、地球上のもっとも弱い人々に影響します。『あらゆる環境破壊によるもっとも重大な影響は貧困に苦しむ人々が被ることを、日常生活と科学的研究の双方が示しています』。」(ラウダート・シ 48)

沈黙のうちに祈る

教皇は、私たちが決してあきらめることなく、希望の人となるように勧めます。そして、希望は今ここでの明確な行動によって築かれるものです。「それでもなお、すべてが失われたわけではありません。人間は、一方では、最悪なまでに身を落とす可能性がありつつも、他方では、心的または社会的な制約があろうとも、自らを超えて立ち上がり、善なるものを選び直し、新しいスタートを切ることができます。わたしたちは、自分自身を正直に見つめ、深い満たされなさを認めて、真の自由へと新たに歩み始めることができます。いかなるシステムも、善・真・美へと開く心を、あるいは、心の奥底で働く神の恵みにこたえるために神から授かった能力を、完全に押しつぶすことはできません。わたしは、世界中のすべての人に、わたしたちのものであるこうした尊厳を忘れないようにと訴えます。この尊厳をわたしたちから奪い取る権利は、だれにもないのです。」(ラウダート・シ 205)

沈黙と礼拝

共同祈願

先唱者:すべての被造物と私たちの働きに対する神の祝福に感謝して祈ります。 私たちが生活の中で聖なる業を行うことを思い起こすことができますように。祈りましょう。 被造物の作り主である主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

会衆: 被造物の作り主である神よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

先唱者:御摂理の神よ、 あなたは私たちに大地からの糧を与えてくださいました。 その糧によって、私たちの体と霊が養われますように。

会衆:主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

先唱者: 主よ、あなたは空の鳥に食物を与え、野の百合に衣を着せてくださいます。あなたの支配と聖なる道を私たちに示してくださいますように。

会衆:主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

先唱者:父である神よ、 イエス・キリストによって、あなたは世界を聖なる業で満たしてくださいました。キリストの中に生きる私たちが、キリストの完全ないのちを分かち合い、多くの実を結ぶことができますように。

会衆:主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

先唱者:感謝の祭儀の中で、あなたは信仰の神秘の印として、私たちの手による実りを取り上げてくださいました。あなたから頂いた賜物、特に私たちの能力といのちが、御子の食卓で聖別されることによって、教会の永遠のいのちのために働くことができますように。

会衆:主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

先唱者:神よ、あなたは、すべての子たちがあなたの被造物の恵みを分かち合うことを計画なさいました。あなたの助けを必要としている人々が平穏な生活を送り、聖なる御名を讃えることができますように。

会衆:主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

先唱者:神よ、あなたは知恵と恵みによって被造物を治めておられます。世界の国々の指導者たちがあなたから学び、被造物の調和を守り、促進し、育むために必要なすべてのことを行うことができますように。

会衆:主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

先唱者:神よ、あなたは私たちの心、そしてすべての被造物を偉大な業で癒やしてくださいます。パンデミックによって引き裂かれ、傷ついた私たちの苦しみの世界に癒しをもたらし、苦しむ人に慰めを、失意の人に希望を、失業者に救いを与え、恵みと強さを求めるすべての人々に活きる力を与えてくださいますように。

会衆:主よ、私たちの祈りを聞き入れてください。

(それぞれの意向のために祈る)

先唱者:私たち自身と、家族の願いのために、聖体の主の前で沈黙の内に祈りましょう。

主の祈り

先唱者:主が教えてくださった祈りを共に唱えましょう。

結びの祝福

先唱者:神よ、あなたの祝福が私たちの中に働き、あなたの力で私たちを新たにしてください。私たちが貧しい人々と大地の叫びに耳を傾け、彼らを守ることに心から身を捧げることができますように。そして、私たちがあなたの賜物を喜びのうちに受け取り、あなたの御名を賛美することができますように。

会衆:アーメン

聖体による祝福

マリアの賛歌

 

文:Rev. Joseph Ivel Mendanha, C.Ss.R
訳:カトリック東京大司教区広報