教区の歴史

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主の降誕・夜半のミサ

2016年12月24日

2016年12月24日   関口教会にて 

[聖書朗読箇所]

説教

今日は、12月24日、主キリストのご降誕の前日であります。今から主の降誕の夜半のミサを献げます。
主のご降誕はキリスト教徒にとって、非常に大切な日であります。英語で、「Christmas(クリスマス)」というところから、多くの人に、クリスマスという言葉が知られるようになりました。「クリスマス」とは、「キリスト」と「ミサ」を一つにつなげた言葉でありまして、「キリストのミサ」という意味になります。
クリスマスのミサだけが、キリストのミサであるのではなくて、すべてのミサは、キリストのミサであり、教会は毎日、ミサをお献げしている訳です。

さて、今日、このように多くの方が、クリスマスのミサに参加いただいておりますことを、大変ありがたく、嬉しく感じております。
「ミサ」というものは、どのようなものだろうか。あまりご存知ない方も、多数いらっしゃるかもしれないと思い、少しお話ししたいと思います。
「ミサ」は、「感謝の祭儀」とも呼ばれており、前半と後半の部分に分けることができます。今、前半の部分を行っております。
前半において、わたしたちは、聖書の言葉、キリストの言葉を聞き、分かち合い、一緒に味わうことになります。今、わたくしが行っているお話は、聖書の言葉、イエス・キリストの言葉を分かち合い、そして、生きるための助けとなる話でなければならないのであります。

わたくしの話が終わりますと、後半の部分に入ります。後半は、「感謝の典礼」と呼ばれます。パンとぶどう酒を神様にお献げし、感謝の祈りを献げ、最後の部分で、「コムニオ(communio)」、カトリック教会では、「聖体拝領」と呼ばれる儀式が行われます。
わたしたちは、二つの食卓で、神の恵みを受けると言われています。前半と後半、前半は「神の言葉」という食卓に参加する、後半は、「キリストの体」の食卓に、参加するいうことになります。
また、この「キリストの体」のことを、カトリック教会では、「ご聖体」と呼んでおります。
キリスト信者として、心の準備ができた人は、一人ずつ、司祭の前に進み出て、「ご聖体」をいただくことができます。
その際、司祭は、「キリストの御体(おんからだ)」と言いますので、「はい、そのように信じます。その通りです」という意味を込めて、「アーメン」と答えることになっております。「アーメン」と言う人は、「イエス・キリストを信じています。救い主であると信じます。そして、このパンとぶどう酒の中に、イエス・キリストが本当におられることを信じます」というような信仰を告白することになります。

そこで、毎年のことであり、今日もそうですが、このように多数の方が、ミサに参加してくださった。
そのミサの全体を通して、参加していただけると、大変嬉しいのでありますが、「感謝の典礼」の最後の部分においては、「イエス・キリストを信じます」という人だけが、「ご聖体」と言われる、パンの形をしたキリストの体を、受けることになります。
そのことについて、説明がありますが、これが何のことなのか、なかなかお分かりになることができない。それは、無理もないことであります。そのために、今、少しだけ説明しましたが、お分かりいただけたかどうかは、分かりません。

ところで、この「ミサ」という言葉は、今、世界中で一番良く通じている言葉なのですが、実は、随分、後の時代になって登場してきた言葉なのです。
本来は、「聖体祭儀」、「感謝の祭儀」、「主の晩餐(ばんさん)」、「聖餐式(せいさんしき)」、いろいろな言い方で、この「ミサ」を呼んできていました。
「ミサ(missa)」という言葉の起源は、「ミッシオ(missio)・派遣する」という言葉から、派生した言葉であると言われています。
イエス・キリストの受難と復活の記念である、お祈り、礼拝に参加した人は、最後に司祭から、「派遣の祝福」を受けます。
「派遣の祝福」は、どなたでも受けることができるものでありますが、「この世の中に、また帰って行って、この世の中をより良いものにするために働きます。そのために、どうぞ、力をください。どうか、頑張ってください。」というような意味を込めて、司祭の祝福が行われるのであります。

カトリック教会では、毎年、1月1日、元旦が、聖母マリアに献げられた日であるとともに、世界平和を祈る日になっております。
既に、来年の1月1日のための、教皇フランシスコのメッセージが届けられております。そのメッセージの内容をひと言で言いますと、「非暴力によって、世界の平和を建設しましょう。暴力によらないで、非暴力によって、平和を建設しましょう。すべての人に、非暴力で平和を建設しましょう」と呼びかけているのであります。
今日、ミサに来てくださったみなさま、心を合わせて、暴力を使わない、平和の実現のために、ご一緒に力を合わせていただけるように、お願いいたします。