東京教区ニュース第66号

1988年01月01日

答申前文(要旨)

司教団の皆様へ。
私たちは皆様の呼びかけにお応えし、開かれた教会づくりの課題に取り組みました。4日間、漠然と感じていた問題点を明確に見る恵みをいただき、新たな希望の道を見出すことができました。この道をご一緒に歩み始めたいとの願いを込めて、具体案を答申として提出いたします。
第1回福音宣教推進全国会議参加者一同

刷新への討議23時間  まず「日本の社会」で実践策

第1回福音宣教推進全国会議は無事終わった。参加者一同による、「開かれた教会づくり」の諸問題についての最終答申は、同会議実行委員会によってまとめられ、12月3日、常任司教委員会に提出された。この答申に、司教団としてどう対応するかは、いま臨時司教総会で検討されているが、日本の教会全体に向けた具体的な呼び掛けが出るものと見れる。教区としても全国会議の成果を踏まえ、司教団の呼び掛けに応えられる態勢づくりを急いでいるが、宣教司牧評議会では、とりあえず、1988年度の教区総会のテーマを、「全国会議答申および司教総会の決定をうけて」とすることに決めた。答申には結果をまつまでもなく、小教区や各団体でしていることと、できることも含まれているので、全国会議の精神にそって具体的にやる。本号では柱Ⅰ「日本の社会とともに歩む教会」について、作成への経過を追って見た。(柱Ⅱ・Ⅲは次号)

最終答申は次の経過を辿って作成された。

1、全国会議最終日の全体会議において、同会議実行委員会が答申案を提出した。
2、この答申案に対して、代表者から修正意見が出された。
3、この修正意見をもとに、同会議実行委員会事務局が修正案を作った。
4、事務局は、この修正案を特別委員を含む全実行委員に送付し、意見を求めた。
5、全実行委員から意見が寄せられたので、それをもとに再修正案を作成し、同会議実行委員会委員長・相馬信夫司教の承認を求めた。
6、相馬委員長は、この再修正案を答申とすることを承認した。

【解説】発題したのは、福岡、大阪、札幌、仙台の4教区。これに基づき15分団に分かれて論議、提案した。それを実行委がまとめて答申案を作ったが、質疑、修正意見が続出、採決に至らず実行委に持ち越された。

1、各分団からの答申原案

4教区からの発題に基づいて具体的実践策を論議し、提案の形にしたもの。
【A分団】(教区代表・水上留次郎氏が参加 以下敬称略)
提案(1)司教団のブレーンとして専門家を分野別に組織化し、教会としての発言を活発にさせる(2)発展途上国向けに、現地の人と共に生きる者を派遣する(3)苦悩を抱えている地域社会の人々にとって、教会は親身なかけ込み処となるべきである。
【E分団】(L・カンガス)
(1)政治・経済・国際関係などにおける共通悪の分析(2)人権問題の立場から、未婚の母等の子供の養育、中絶等の問題の解決に取り組む(3)教会共同体は、現代社会に対する福音のメッセージは何んであるかを確認する。
【G分団】(福川正三)
(1)キリスト者としての生き方の見直しと養成(2)社会の動きを敏感にキャッチする教会のアンテナの設置(3)緊急な社会問題に関しての司教団の声明。
【K分団】(佐久間彪)
(1)教区レベルで社会問題の研究機関を設ける(2)小教区規模でも相談口を設け、司祭、修道者、信徒、一般人の協力によるチームを作って問題に対応する(3)社会の具体的な事柄とかかわりながら、日本の教会がこぞって勉強会を行う。
【L分団】(荒井佐よ子)
(1)司祭、信徒の生涯教育を制度化する(2)情報伝達の活発化(3)命の尊さの訴えかけ。
【O分団】(広戸直江)
(1)現代社会に生きる信仰の自覚を深め、なぜ苦しんでいる人や貧しい人にかかわるのかという理解を徹底させる(2)社会的現実に立脚しながらもそれに流されず、時には現実にさからっても福音に生きる信仰と教会のあり方、社会へのかかわり方が模索される必要がある(3)社会生活上の諸問題に対応できる司牧上の相談センターのような機関を各教区に設けることが望まれる。
【P分団】(藤井泰定)
(1)教区・小教区内の、特に社会的に圧迫され、差別された人々の状況を明らかにしよう(2)信徒に対する生涯教育、求道者・青少年教育の内容を明らかにし、特に人権にかかわる具体的な学習プログラムを確立し、実践しよう(3)日本の社会そのものの現状を福音的に分析し、今後の方向性をキリスト者として明確にしよう。
【Q分団】(国富佳夫・古川正弘)
(1)小さい人々を大切にしていくような信仰生活。社会と共にあるキリストの教え、福音をそれぞれの場において見直す(2)愛の実践の活性化。既存のカトリックアクションの活性化(3)社会生活情報センターの設置や既存の各研究所の総括的な研究。
【R分団】(長島世津子)
(1)社会問題センターを教区単位で作ること(2)日本の社会において、ミッションスクールの福音的メッセージとは何かを知り、再方向づける協議会の設置。
【S分団】(W・スパイサー)
(1)社会と教会の接点に直接かかわるのはまず信者であり、修道者、司祭、司教がそれらを援助する体制づくりが望まれる(2)現代社会のひずみを認識し、社会とのかかわりを、教会の一人ひとりが知り、聞き、自覚することから始めねばならない。
【U分団】(萩野友紀)
(1)教会の回心(2)情報センターの設立(3)ミッションスクールに関しての問題を早急に刷新する。
【X分団】(貝原敬子)
(1)ミッションスクールは、カトリック精神という原点に立ち返って教育方針を再検討すべきである(2)教区レベルで、痛みを分かち合える小さな共同体をつくり、悩みごとが相談できる場を育てる(3)社会問題に取り組むとき、祈りながら福音に照らされて活動するという原則を。

2、実行委による答申案。

15分団から出された原案を起草委がまとめたもの、各分団の考えが汲み取られているか?
【提案1】
教会が生活と社会の現実とその諸問題を把握、分析し、そこに福音の光を与え、福音の光に基づいた問題解決を全教会に伝達するための機関の充実。具体的には、
(1)各分野で活躍するカトリック者の協力態勢づくり。
(2)具体的に社会の各分野で活躍する既存の諸団体・研究機関の協力態勢。
(3)とくに司教団のブレーン機関の充実および情報伝達の手段の確立。
(4)このための財政基盤の確立。
(提案理由)
私達が生きている社会では、人間の尊厳が傷つけられ、企業の論理が人間およびその家族の営みを左右し、自然環境も徐々に破壊され、平和も脅かされ、世界とくにアジアとの真の連帯も問われています。
こうした社会の中で、司教をはじめとし、司祭、修道者、信徒が戸惑い、途方にくれ、行きづまり、時には流されている事実が指摘されていました。そこで現状を分析し、そこに福音の光をあて、いかに具体的に関わるかの答えが切実に求められていました。これに応えることが日本の教会の活性化につながると同時に、日本の社会に対して教会本来の福音的使命を果たすために必要と確信し、前記の提案をします。
この点に関しての日本教会全体に対する司教団の強いリーダーシップが求められています。
【提案2】
信徒、修道者、司祭、司教のための生涯養成の確立。
(1)信徒、修道者、司祭、司教のための常設生涯養成制度の確立。
(2)現場と密着した体験学習、とくにアジアとの交流を通して。
(3)人間の尊厳を視点とした総合的な神学、典礼、要理教育などの見直し。
(提案理由)
(1)これまでの教会の信仰教育には、社会とのかかわりの視点が欠け、教会と社会との遊離、信仰と生活の遊離をもたらしていた事実を反省した上で、社会とともに歩み、人々と苦しみを分かち、社会の良心となり、新しい社会を建設することに貢献できるような養成プログラムおよびそれに基づいた生涯養成。
(2)差別および抑圧されている人々との具体的な交わりは、キリスト者および教会の信仰上の成熟をもたらす道です。というのは、この人々の苦しみ、悩み、祈り、現状をよりよいものにしようとする姿の中にとくに福音が生かされているからです。これが体験学習の目指すところ。
【提案3】
カトリック校の現状見直し。
(提案理由)
学校教育は、教会と社会との接点であり、日本社会に福音の光を伝えるための、もっとも重要な場であるからです。
【提案4】
社会的に弱い立場におかれている人々のための受け入れ態勢の充実。相談窓口、カウンセリング、駈け込み所など。
【特別提案】
離婚者、再婚者に対する教会の対応の再考。司牧的および教会法的側面から。

カミシモ脱ぎやりとり

3、質疑・応答。

実行委がまとめた答申案について、次のような質問が出た。
○質疑 答申案作成についてだが、実行委の誰がまとめたのか。
▽応答 柱Ⅰは、起草委の森、越知、村上、松本、岩橋である。
○どんな経緯でできたのか。
▽起草委が分団からの提案を整理し、実行委全員で検討、意見を戦わせ、できるだけ分団の考えを盛り込むよう努力した。
○提案3「カトリック学校の現状の見直し」は、司祭と信徒が手をとりあって宣教しようというナイスの精神と違うのでは。
▽多くの分団から要望や意見がでているのでのせた。司教団に解決をなげかける意味である。
○同提案の提案理由が余りにも簡単すぎるのではないか。カトリック子弟が、カトリック学校で宗教教育をうけられるよう要望があったが。
▽カトリック学校が受験校化しているとの批判とともに、「福音の光を伝える場」にふくまれるものと判断した。
○提案1「教会が生活と社会の現実とその諸問題を把握し…」の具体策(2)具体的に社会の各分野で活躍する既存の諸団体・研究機関の協力態勢(3)とくに司教団のブレーン機関の充実および情報伝達の手段の確立-は姿勢が内向きだと思う。もっと一般社会に向けて発言する機関をつくる予定はないのか。
▽司教団のブレーンを強化しつつ、社会に対しても発言していくという意図を組み込んだ。
○特別提案で離婚者、再婚者という言葉を使って、どういう状態の人達を言おうとするのか。司牧的および教会法的側面からとは何か。
▽再婚者というのは不適切。むしろ重婚者というべきで、婚姻の絆があるまま再婚し、教会法上重婚になっている人。最も救いを必要としている人びとを思い、そういう人に対して司牧的配慮をする。教会法上も何んとかなる方法があるかどうか検討してほしいということ。
○提案2「信徒、修道者、司祭、司教のための生涯養成の確立」は、柱Ⅰに限られるのか。
▽「日本の社会とともに歩む教会」を目的とした養成という意味では柱Ⅰにだけである。
○提案1の理由に、「アジアとの交流」とあるが、ここを一体どこだと思っているのか。
▽近隣のアジア諸国という意味である。
○構造悪への対決や、情報機関についての提案が欠けている!
▽提案1に何んとか含まれる。

4、修正の意見・字句。

字句はその場で修正を要望、意見は最終答申作成の参考として扱いを実行委に一任した。
○特別提案「離婚者・再婚者」を、「離婚者・再婚者(重婚者)」に。
○提案1の理由「アジアとの」を、「アジアの他の国々との」に。
○提案1の(1)「各分野で活躍するカトリック者の協力態勢づくり」に次のような意味の語を入れたら。「たとえ司祭、司教、信徒が、自分の理解を越えることであっても、各人が福音に導かれて行動しているのだということを積極的に認め、評価する姿勢がほしい。」
○提案1「社会の現実と」を、「社会の現実について発言してゆくため」とする。
○同「全教会に」を、「教会と広く社会にも」とする。
○同じく「充実」などの名詞どめを、「する」「させる」にかえる。
○提案2の(2)を次のようにかえる。「非差別者、障害者など、弱い立場の人々をとりまく環境を福音化する。またアジアなど途上国の人々に対しても福音の立場から手をさしのべる。」
○提案2の理由(2)「この人々の苦しみ-」だけとする。
○提案3の理由「教会と社会との接点であり」に、「また宗教教育の重要な場でもある」を追加。

〔答申〕
生活から信仰を、社会の現実から福音宣教のあり方を見直していこう、という司教団の呼びかけに応えて、教会が真に社会とともに歩むため、次のような具体案を提出します。
【提案1】教会が生活と社会の現実とその諸問題を把握、分析し、そこに福音の光を与え、福音の光に基づいた問題の解決指針を、教会と広く社会にも伝達するための機関を充実する。具体的には、(1)各分野で活躍するカトリック者の協力態勢をつくる(2)具体的に社会の各分野で活躍する既存の諸団体・研究機関の協力体制をつくる(3)とくに司教団のブレーン機関の充実および情報伝達の手段(カトリック新聞など)を確立する(4)このための財政基盤を確立する。
【提案2】信徒、修道者、司祭、司教のための生涯養成を確立する。(1)信徒、修道者、司祭、司教のための常設生涯養成制度を確立する(2)現場と密着した体験学習、とくにアジアの人々との交流を通してそれを行う(3)神学、典礼、要理教育などを、人間の尊厳を視点として総合的に見直す。
【提案3】カトリック学校の現状と課題を再検討する。
【提案4】社会的に弱い立場におかれている人々の必要に応える態勢(相談窓口、カウンセリング、駈け込み所など)を充実し、彼らとともに、その原因となっている環境や社会構造の変革にも取り組む。
【特別提案】離婚者、再婚者(教会法上の重婚者)に対して司牧や教会法などあらゆる面での対応を総合的に再検討し、福音の教えにかなった解釈を見いだす。
○おことわり (提案理由)については、修正意見の採用有無があるが、大部分は答申案と重複し、また紙面の都合もあって省略した。カトリック新聞などを参照されたい。(広報部)

代表者の声から 今はナイス気分 青年よ起きて行こう -宣教のページ-

萩野友紀(東京教区代表)

京都代表の下平さんが分団発表の最後に、青年として大変すばらしい発言をされた。これから、このナイスに集った青年たちだけでも連絡をとり合い、今後の日本の教会の若者たちがどの様な方向で、自分たちが積極的に参加する教会を作っていくか、本気で考えたいと思っている。このことを、いかに東京教区の青年たちと考えていくか、大変大きな課題で荷が重い。
全体の印象として、これだけ多くの人が、これだけ長い期間と時間をかけて真剣に取り組んだ、この姿がある限り、まだ、日本の教会は大丈夫という心強い気がしている。

下平さん(津教会)の発言

まず大人の皆様方へ。このナイスの代表の中に私たち青年というポストを入れてくださり、また、書記団を青年たちに与えて下さって、本当に心から御礼申し上げます。4日間会議に参加して、大人の方たちが私たち青年に大きな期待を持っていられることを心から感じて、とても嬉しく思いました。
次に青年たちに一言いいます
睡っている人起きて下さい、実は私も今、まだ、睡っているのです、はずかしいのですが、起きるのがこわいのです。でも私たち青年が、この日本のカトリック教会を背負っていかなければなりませんから、不安なんですが、皆さんといっしょに、大勢だったら勇気を出して歩いて行けそうな気がします。
私たちは帰って、このナイスの提案を私たちの教区に深く根付かせる使命が残っています。
ですから、各教区の青年が集って、みんなで協力し合って根付かせていきたいと思います。
最後に、私たち青年も大人と一緒に働かせて下さい。

中原みえ子(横浜教区代表)

とにかくハードな4日間でしたが、熱意が感じられた。出された課題を教区に持ち帰り、これからどのようにやったら良いのか、ちょっと肩の荷が重い気がするが、光が見えて来たような気がする。
ある分団では人権神学という言葉が出ていたが、とくに人権という問題についても目を向けて、神学的にもしっかりとした裏付けを是非やってほしい。
今回、弱い立場にある人の参加が少ないように思う。2回目からはもっと多くの弱い立場にある人達を参加させてほしい。

私たちの意識を変えなければ

福川正三(東京教区代表)

ナイスが狙いとしていた私たちの信仰の見直し、今まで持っていた意識を変革して福音に生きるということがどういうことかを根本から考え直して、積み上げていこうとしたことが、私は本当に良かったと思う。
上辺だけでテーマを出すのではなくて土台から考え直し、180度変換するところは向きを変えて出始めたところにナイスの意味があったと思う。
初めてのナイスとしては、私の分団でも比較的皆さんが思っていた線で受け止めた方が多かったのではないか。
しかし、これからが問題だ。集った方達の燃え上った気持、新たまった意識をどのように教区の皆さんに伝えるか、そこが大切だ。中には、まだ、そこまで行かない人もいるし、惰性で行っている人もいるから、どんな方法を持って伝えたら良いのか、未だ、自信が持てないところだ。これから皆さんとともに相談しながら行っていきたいと考えている。

これからの教会は信徒と司祭の共催で

白柳誠一大司教

大変満足して喜んでいる。信徒の方はもちろんのこと、司祭、修道者からも積極的な発言を頂き、一つの理想的場面が展開されたことは大きな前進だ。
テーマがあまりにも大きく、深くつっこんだ話し合いはできなかったかも知れないが、第1回としてまず一歩踏み出す事ができたことは大きなステップであると思う。
司教団としては、頂いた答申、分団会のまとめを神様の声と真剣に検討して、取り上げるべきものは取り上げて積極的に進めたいと思っている。
東京教区の代表の方々も、全国から来られた代表の方も大変だったと思うが、それを支えて下さった教区民と全国の信徒、司祭、修道者のお祈りに感謝したい。

ルイス・カンガス神父(東京教区代表)

信徒の皆さんが活発に発言し、あらゆる運営に力を注がれてほんとうにありがたかった。
どちらかと言えば、今まで信徒たちは後援者だったが、今、主催者になって、神父たちと共演することになり、肩を並べたことは大変嬉しい。
今まで、聖職者たちは足を引っぱるとか、信徒も自発性がなく責任があるとか言われてきたが、持っているものを全部出さなかったという両者に反省すべきものがあった。
これからは本当の姿で、共催者として宣教ができる教会になったと思う。頑張りましょう!頑張りましょう!お互いに頑張りましょう。

古川正弘神父(東京教区代表)

このきついスケジュールによくたえたという疲労感が先に立つ。答申を受けて司教団がまとめたものをこれから生かしていくためには、難しい問題があると思うが、毎日の生活の中でどの方向に進んで行けばよいのか教区に帰ってゆっくり考えてみたい。

ウィリアム・スパイサー神父(東京教区代表)

とても疲れたが、本当に良い機会に恵まれた。準備の時やテーマを出していくときはとても難かしかったが、ナイスに来て沢山の良い検討とよい分かち合いがあって良かったと思う。
これからのことは、今、何も考えていないが、報告して、信徒や神父たちの意見を聞いてから考えてみたい。

小宇佐敬二神父(青少年委員会)

今の雰囲気の中では気持が高揚しているので、もう少し冷静になって考えてみる時が必要だと感じている。教区に帰り、小教区の責任者の立場に返った時、答申や課題、ナイスで分かち合った内容をどの様に総括していこうかと考えた時には、この高揚した気持とは違ったものが出てくるのではないかと思う。
思想的にも能力的にも、信仰の面からも幅の広い底辺がいるから、この中にどう定着させていくか、そのことが、このナイスの成果を評価することになろう。
私は青少年委員会からこの会議に参加したが、下平さんの発言は感情的には良いと思った。しかし、このように会議に参加した人達がいろんな形で啓発されていくことは評価に値すると思うが、ややもすれば、自分の持場に帰ったとき、浮き上ってしまう悲劇が起る恐れがあるのではないか、と心配している。

荒井佐よ子(東京教区代表)

とてもすてきな会議だった。大勢の司教様から信徒まで一同に会して、良い話し合いができ、すばらしかった。この盛り上っているものを、来年も又、続けられたら、と思っている。
婦人の立場としては、生活を通して育てられる信仰の柱や、社会とともに歩む教会の中で、婦人の悩みや家庭の問題が沢山出たので、婦人ができる福音宣教と、21世紀に向って若い人たちを育てる婦人の役割がとても大事で大切なことだと思った。

長島正(家庭委員会) 長島世津子(東京教区代表)

新しい教会の出発を実感として受けとめている。神様の粋な計いで、皆さんが言って下さるナイスカップルで参加できたのですから、東京代表の方々が熱心に討議し提案した問題を私もいっしょに分かち合い、一教区民として実現できるところからやっていきたい。
考えていたのと、実際に参加したのとはずい分違った。大切なことは信徒、司祭、司教、修道者が一同に会して一つのテーブルに着いた画期的な分かち合いが行えたということだ。
以前は、どうせ話しても、という気持が少しあったが、これからは、こうした話し合いの積み重ねにより、日本の教会が一つの方向に発展していくのではないかという希望を感ずる。
婦人の立場として私自身あらゆる角度から発言したつもりだが、残念なことは、発題者12名のうち女性は2名で、しかも、生活を通して育てる信仰の柱は全て男性だった。これでは教会内離婚、母子家庭で育つ信仰のように感じられてしまう。
今後は、日本の教会を育てていく上でも、多くの女性が参加してほしいし、女性もその意識を持ってほしい。

国富佳夫(東京教区代表)

今は疲れも忘れて、ナイス気分になっている。北海道から沖縄まで全国の信徒や司祭、司教様方と同じ課題で心を一つにして討論したり、分かち合ったりしたこと、そして、それぞれの柱毎に皆で一致して具体的まとめを行ったこと、これは私たちに与えて下さった神様の恵みそのものだと思う。
私たちはこのナイスの会議の中で多くの恵みを頂き、私自身変ろうとする意識を持ち始めている。しかし、問題はこのナイスが終った後だと思う。
答申や司教団の決定を表面的に説明するのは簡単だが、今、ここで誰もが心の中に思っている変ろうとする気持、意識をどのように教区の中に浸透させていくのか。これは方法論ではないと思う。代表の方々と良く相談し、私に合った具体的な行動でやってみたいと思っている。

修道者の生き方も変ってこそ信徒の鏡

Sr 広戸直江(東京教区代表)

私自身が変えられたこと、教会の実態を見て肌で触れたこと、そして、将来に向けて希望があると確信したこと、これが今、感じていることだ。
私の分団会では、私自身が今問いかけがあって、そのことを心の内から皆さんに話すことができた。皆さんは、シスターがその姿勢で変っていかれるなら私たちも言いたい事があると、とても活発な分かち合いができた。
信徒の方々もそうですが、シスター自身も、もっと変わらなければいけない。次のナイスが修道会に向けられているので(注)、もっと頑張らなくてはいけない。これからが大変です。
(注=基本方針と優先課題中優先課題の2項、修道会、学校等との具体的協力体制になって今回のナイスのテーマでは直接的に触れず、次の機会にしたことを意味している。編集部)

水上留次郎修道士(東京教区代表・参加者中最高齢者)

すばらしかった。日本中の司教様方が全員祭壇に上り、そこを数十人の司祭が囲んだミサに与るだけでも、これから宣教しなければならない意欲が湧いた。私は高齢ですから、教区に帰って毎日毎日を有効に行動するために、ナイスではどういうことを言われてきたかを思い出しながら少しづつやっていきたいと思う。

Sr 橋本とも子(広島教区代表)

信徒の皆さんが、自分のキリスト者としてのあり方を根本から見直す会議であり、私も会議に参加して信徒の霊性が大切だということがよく判った。それは、私たち修道者や聖職者が分け与えるものではなくて私たちとの関わりの中で、信徒自身が見つけ出すことだ。
ですから、私たち修道者は、自分の修道生活の生き方の中で変っていかなければならないと感じている。それが信徒との誠実な関わりにもつながる。

Sr 貝原敬子(東京教区代表)

私は日頃あまり外に出ないので、全国から集った信徒たちとともに分かち合った事は初めての体験であり、私への恵みだと思い、本当にすばらしい。
信徒の方々も種々職業、立場、年齢の方が参加しているので、時には意見が真向から対立し、壁に当ることもあったが、分かち合ううちに和やかに打解けていったことは、やはり、キリストの教会の子供だという実感を持った。
私自身今は携わっていないが、質問のように女子パウロ会は出版のため編集に関わっている姉妹が多い。編集方針も、ナイスを通して変らなければいけないと思うし、ナイスの精神を私たちの召命から、女子パウロ会という召命から良く見て制作の面でも、普及にも取り入れていきたいと思っている。

NICEについて説明と報告

○とき 1988年1月10日(日)午後2時
○ところ 関口教会ホール(文京区関口3-16-15)
○パネラー 森 一弘 司教
神林宏和 神父
鈴木 隆 氏
○主催 東京教区福音宣教推進部
○連絡先 東京大司教館市川裕神父(943-2301)

あとがき

聴き、吸い上げ、生かすをモットーに司教団が基本方針と優先課題を諮問してから3年、公聴会、課題作り、分かち合い、と一歩一歩積み上げて来た全国会議が終った。
長い準備の末、ハードな4日間のスケジュールを無事消化することができたのは、教区の信徒と司祭、修道者の方々の祈りがあったからだと、感謝している。そして、代表の方々にはその成果と今後への期待を込めて改めて御礼を申し上げたい。
教区ニュースでは編集の都合で全国会議の全てを教区のみなさんにお伝えすることができず心苦しく思っているが、この紙面がみなさんの手元に届く頃にはカトリック新聞に会議の内容と司教団への答申が掲載されていると思う、できることなら、各教会でカトリック新聞を大量購入し、信徒の方々に読んで頂く配慮をお願いしたい。
答申は、12月の臨時司教会議で検討され、取り上げるべきものから優先して、具体的方法が提示されるであろう。しかし12月3日開催された臨時宣教司牧評議会で白柳大司教は「司教会議の検討を待たずに、教区、小教区、信徒が具体的に動き始められるものもあるので、対応してほしい。」と全国会議の流れを止めないで、絶え間ない福音化の動きを要求された。そのためには、答申の内容、全国会議の中で分ち合われた多くの意見を聴きたい、という方や、グループで、教会で、ブロック会議の分かち合いの中でその内容を聴きたいという声もあると思う。
教区の福音宣教推進部では1月10日第1回の報告会を関口教会で開催することにしているが全国会議に出席した代表者を交えて、という要望にもできるだけ応えるため準備しているので大司教館市川神父に問合せを。