教区の歴史

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師イエズス修道女会・修道誓願宣立記念ミサ説教

2012年04月22日

2012年4月22日 師イエズス修道女会八王子修道院にて

 

修道誓願宣立60周年者

シスターマリア・ステッラ   土居わか

修道誓願宣立50周年者

シスターマリア・カリタス   山野節子

シスターマリア・パオリーナ  丹野英子

シスターマリア・ルーチェ   前川フサエ

修道誓願宣立25周年者

シスターマリア・クレーリア  春山茂子

シスターマリア・ジュディッタ 徳野愛美

 

第一朗読 ホセア2・16,21-22

第二朗読 フィリピ3・8-14

福音朗読 ヨハネ15・9-17

 

きょう復活節第三主日、師イエズス会のシスター6人のかたがたの修道誓願宣立記念ミサをお献げしております。ミサのなかでただいま、修道誓願宣立を記念する五人姉妹たちによる誓願更新が行われ、姉妹たちは、師イエズス会創立者である福者ヤコブ・アルベリオーネ神父の生きた道を歩み、その霊性に従って歩む、という誓願を新たにしました。

福者ヤコブ・アルベリオーネ神父の示した道とは、「道・真理・命である師イエスに弟子として従い、三位一体の神を賛美し、あますところなく自分自身を神に奉献する」という道であります。

主イエスは、「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、誰も父のもとに行くことができない」(ヨハネ14・6)といわれました。イエスは、全生涯をもって、とくに十字架上の死と復活をもって、天の父への道を示しました。

イエスは、病気の人、体の不自由な人をいやし、また悪霊にとりつかれた人から悪霊を追放し、神の国がすでに来ていることを示されました。社会で差別され軽蔑されている人々の友となり、また安息日にいやしを行い、律法学者やファリサイ人の怒りを引き起こしました。神の愛を徹底的に生きるイエスはやがて敵対者から憎まれ排斥され、十字架につけられてしまいます。

イエスは十字架上で屈辱的で無残な最期を遂げましたが、父である神はイエスを三日目に復活させました。復活したイエスは弟子たちのところに現れました。復活したイエスに出会った弟子たちの証言に基づいてわたしたちの教会が誕生したのです。

復活とは弟子たちがまったく予想しなかった出来事です。

「復活したイエスご自身が彼らの真ん中に立ち、『あなたがたに平和があるように』と言われました。」(ルカ24・36参照)

この体験が弟子たちに大きな喜びを与えました。

十字架の出来事に際して弟子たちは大きな恐れに襲われ、イエスを裏切り、イエスを見捨てて逃げてしまったのです。そのイエスが弟子たちに現れて、平和を宣言したのです。それは「弟子たちを赦す」という宣言でありました。

裏切られ見捨てられ、孤独と苦悩の中で死んで行かなければならなかったイエスが、弟子たちを受け入れ、赦し、いやしたのです。弟子たちは生前のイエスの教えを思い出したに違いありません。

「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。」(ヨハネ15・12-13)

弟子たちは自分たちのためにイエスが十字架にかかり、自分たちを救うために復活されたことを理解しました。

弟子たちは復活したイエスに出会って、イエスの言葉の意味を理解しました。イエスの十字架と復活は弟子たちを赦し救うためでした。

 

わたしたちキリストはみな、先生であるイエスの示した道を歩むよう、招かれています。

「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。」(ヨハネ15・12)

友を愛するとは、友を赦すことであり、受け入れることであり、友のために苦しむことであります。

わたしたちは本能的に、苦しみから逃れ、厭なことを避けようとします。しかしイエスは「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」(マタイ5・44)と教え自ら実行しました。

日本の社会は「無縁社会」と呼ばれ、人の絆が弱くなり、あるいは切れてしまっている状態にあると言われています。昨年3月11日に起こった東日本大震災はあらためて人間の絆が大切であることを思い起こさせました。

イエスの弟子であるわたしたち教会は、主イエスの示した絆、すなわち互いに愛し合うという絆を大切にし、より深くしていかなければなりません。

きょうはこの絆の愛を深めていただけますよう、ご一緒に祈りましょう。