お知らせ

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Tangible第6号

2022年11月07日

2年ぶりの教区カテキスタ誕生、おめでとうございます!

9月10日(土)、カテキスタ養成講座の3期生4名、4期生5名、計9名の「教区カテキスタ」が新たに誕生した。

カテキスタは小教区の枠を超えて、新しく教会を訪れた人々のために奉仕し「入門講座」を担当する人たちである。

3期生はコロナ禍のために講座が1年間延期となったため、4期生とともに1年間の講座を受け、 この度、ケルンホールでの大司教による修了式を迎えることができた。

そして認定任命式が東京カテドラル大聖堂で行われ、それぞれの派遣先教会が発表された。

また、同時に1・2期生の再任命も行われ、来年4月から合計36名の教区カテキスタが7つの教会に派遣されることになる。

新たに教区カテキスタに任命された3期・4期のみなさん

「東京教区カテキスタ養成講座」まとめの講話のサマリー

2022年9月10日 菊地功

2023年秋に、シノドス世界代表司教会議が開催されます。

シノドスとは、第2バチカン公会議に参加した司教たちの要望に応えて、公会議の体験から生まれ、司教の協働的性格への理解を生かすために、1965年に教皇パウロ六世が設置したものです。

1967年に第1回の通常総会が開催され、今回を含めてこれまで16回の通常総会、3回の臨時総会、そしてアジア・シノドスなど11回の特別シノドスが開催されました。

今回のテーマは、「ともに歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教」とされています。この「ともに歩む」という言葉こそが、「シノドス」の意味そのものです。

第2バチカン公会議の教会憲章は、教会とは個人の信心の場に留まるのではなく、共同体として「神との親密な交わりと全人類一致のしるし」であり、かつそのための道具として存在していることを明示しました。この共同体性について、同じく教会憲章は、「神は、人々を個別的に、まったく相互の関わりなしに聖化し救うのではなく、彼らを、真理に基づいて神を認め忠実に仕える一つの民として確立することを望んだ(9)」とも記し、教会共同体が神の民であることを明確にします。その上で、「この民は、・・・世の光、地の塩として、全世界に派遣されている」と記して、教会は地上を旅する神の民であることを記しています。わたしたちが旅する神の民であることが、シノドスの歩みを理解する大前提です。

シノドスは、この神の民の歩みに不可欠な、進むべき道を明確にしようとする試みです。シノドスの歩みを通じて求められていることは、教会がともに歩む姿勢を取り戻すことであって、設問への回答を積み重ねることよりも、一緒になって理解し、一緒になって識別し、一緒になって歩むことを、教会全体が当たり前のこととして身につけていくプロセス自体が重要視されています。

2021年10月17日に世界中の教区で始められた今回のシノドスのプロセスは、2023年秋のローマでの会議で結論が出て終わるものではなくて、これから先の教会のあり方そのものを決定づける「出来事」であり、「プロセス」です。今回、これまでを振り返りつつ話し合うことは、これからも将来にわたって話し合い続けるべき内容です。

また東京教区にとってはコロナ禍の最中の2020年12月に発表した宣教司牧方針を具体化する上で、重要な教会共同体の「あり方(姿勢)」でもあると思います。教皇様は、教会共同体そのものを、聖霊の導きに素直に従う共同体へと変えようとされています。東京教区においても、教会共同体のあり方を聖霊の導きに素直に従う共同体へと見直すことが、いま必要です。

シノドス的教会については、2018年10月の前回の通常シノドス閉会にあたり、教皇様は、「それは『いやしと希望』のときであり、何よりも『傾聴』のときでした。傾聴するためには、時間、注意力、さらには心と気持ちを開け放つことが必要です。しかしその行程は、日々、いやしに変わっていきました」と述べています。

互いの話に耳を傾け合うことは重要です。対立から目をそらすことでもなければ、相反する意見が闘いあってどちらかをつぶしてしまうのでもなく、互いに耳を傾け合うところから始めようという教皇様の呼びかけです。神の示す道はどこにあるのかを、一緒になって識別しようという呼びかけです。共同体としての識別の道をともに歩もうという呼びかけです。

残念なことにコロナ禍のために教会で集まることが難しく、本来であれば、小教区単位で、宣教協力体単位で、また教区としての何度かの集会などを開催して、多くの方の声に耳を傾けなくてはならないところでしたが、今回はそれができませんでした。大変残念です。しかし、すでに繰り返したように、シノドスの歩みは始まったばかりであって、これからも継続するものですから、宣教司牧方針を具体化する中で、シノドスの歩みの姿勢を教区全体の姿勢として身につけていくことができればと願っています。

さて、教会にとって信徒の使徒職であるカテキスタの存在は、これから更に重要性を増していきます。単に入門講座の先生に留まりません。激しく少子高齢化が進む社会にあって、これまで教会が築き上げてきたシステムは、徐々に機能しなくなってきています。この先、司祭・修道者の召命が劇的に増えることは難しいと思います。

教会共同体を育て上げるために、司祭と共に働くカテキスタの存在は不可欠です。シノドスの歩みを続けるために、神の民におけるカテキスタの存在は不可欠です。宗教の存在の意味が問われているこの精神的に荒廃した社会で、教会を背負って立つことを聖職者だけに任せておく時代は終わりました。

使徒言行録2章42節に、「彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった」と記されています。初代教会共同体は、互いに信仰を学び、互いに支えあい、互いに分かち合い、互いに祈りあっていたと記します。この「学びあい、支えあい、分かち合い、祈りあい」は、豊かで成熟した信仰共同体に不可欠な要素です。

使徒言行録はさらに、その初代教会共同体は「民衆から好意を寄せられ」、それがために「主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされたのである」とも記しています。「学びあい、支えあい、分かち合い、祈りあう」信仰共同体は、それによって「あかしによる宣教」の共同体となっていくのです。

信仰における学びは、洗礼や堅信の準備で終わるものではなく、生涯を通じて深められていかなくてはなりません。そして学びの機会を提供するのは、司祭に限定された務めではなくて、信仰共同体を構成しているすべての人の務めでもあります。東京教区では今、この互いに学びあう奉仕の務めに、積極的に協力してくださる方、すなわちカテキスタを常に求めています。

東京教区のそれぞれの信仰共同体が、豊かに育まれた共同体となるように、そして福音をあかしする宣教の共同体となるように、ひとりでも多くの方が、この互いに学びあう奉仕の務めに参加してくださることを期待しております。

教区カテキスタ認定任命ミサ説教のサマリー

2022年9月10日 東京カテドラル聖マリア大聖堂

いまは困難な状況ではありますが、それは同時に、積極的にメッセージを届けるための方法を考える機会をも提供してくれたと思います。大げさに言えば、待ちの姿勢の教会から、積極的に打って出る教会へと変わっていく機会が、このたびの出来事を通じて、わたしたちには与えられていると感じております。わたしたちは今、創造的であることが求められています。

いま宗教の意味が問われています。カトリック教会自身も、自戒の念を込めて振り返る必要がありますが、元首相の暗殺事件以来、宗教団体の社会における存在の意味が大きく問われています。言うまでもなく、どのような宗教であれ、それを信じるかどうかは個人の自由であり、その信仰心の故に特定の宗教団体に所属するかしないかも、個人の内心の自由は尊重されなくてはなりません。

そもそも人は、「良心に反して行動することを強いられたり、共通善の範囲内で、良心に従って行動することを妨げられては」ならないとカトリック教会は教えます(カテキズム要約373)。「共通善」とは、「集団や個々人にそれぞれの完成に達することを可能にするような社会生活の諸条件の全体」のことであり(同407)、わたしたち宗教者は、社会におけるその行動が共通善に資するものでなくてはなりません。

いまは様々に意味合いが異なる問題が一緒に混ぜ和されて議論されているので、問題の本質が見えづらくなっています。いま一番、注目されるべきは、社会における宗教団体の行動が持つ意味合いです。

そもそも宗教は、いのちを生かす存在です。希望を生み出す存在です。従ってその宗教を具体的に生きる宗教団体が、いのちに暴力を働いたり、希望を収奪してはなりません。家庭や社会での人間関係を崩壊させたり、犯罪行為を助長したり、希望を奪ったりすることは、宗教の本来のあり方ではありません。

わたしたちはどうでしょう。キリストはいのちを生かす希望の光であり、互いに助け合うものとなるようにと、いのちを与えられています。わたしたちはすべての人の善に資するために、いのちを生かす希望の光を掲げる存在であり続けたいと思います。

さて、日本の教会が、バチカンのシノドス事務局へ提出した報告書から、教会の現状認識を示す事柄として、「困難さ」に関して指摘されている二つの点に注目したいと思います。

1:「声を聴くことへの困難さについては、個々人の姿勢(自己中心、傲慢、思い込み、不寛容、無関心、教会の特権意識、攻撃性、聴く側の疲れ、傷つくことへの恐れ、閉鎖性、消極性、心の余裕のなさなど)が指摘された。さらに、不安定な人間関係、時間がない、自分の方が聴いてほしいという欲求などの理由が挙げられた。これらを克服するには、「語る」教会から「聴く」教会への文化的な変容が求められる」。

そしてもう一つ、「宣教に向かうことの困難さ」にこうあります。

2:「各人の無関心、怠慢、安楽を求める気持ち、勉強不足、信仰の弱さ、負担感、といったところから宣教活動を躊躇する人も多い。司祭・修道者に依存する意識から、宣教に消極的な信徒も多い。信徒の場合、教会活動とは別に、地域社会や職場で、信者であることを周りの人たちに公表しながら、自分の生活を通して宣教することの大切さも自覚しているが、現実はそううまくいっていない。聖職者が信徒の参加を妨げることもある。司祭、修道者、信徒の支え合いが弱いと教会が外に向かわない。信徒の高齢化、減少により、教会の働き手が不足し、信仰教育や社会奉仕活動はかなり後退している地域も多い」。

さて皆さん、こういった困難さを目前にするとき、教会にとって信徒の使徒職であるカテキスタの重要性が理解されます。教会共同体を育て上げるために、司祭と共に耳を傾け、ともに歩むカテキスタの存在は、不可欠です。宗教の存在の意味が問われているこの精神的に荒廃した社会で、教会を背負って立つことを聖職者だけに任せておく時代は終わりました。皆さんのこれからの活躍に期待しています。一緒になって、歩んでいきましょう。

2023年〜2026年 派遣先別 カテキスタ一覧

教区カテキスタは、昨年までの6チームから新たに清瀬教会が加わり、7チーム編成となりました

一覧の①は第1期生を表す。以下同様に丸数字は期別を表す。

◉チーム葛西◉

 

(左から)内田 正さん 佐藤 英雄さん 重田 佳明さん 田中 洋子さん 田中 良知さん

① トマス・ヨハネ 内田 正 (ウチダ タダシ) 麹町教会所属
② アンデレ・フランシスコ・ペトロ 佐藤 英雄 (サトウ ヒデオ) 田園調布教会所属
③ フランシスコ・アシジ 重田 佳明 (シゲタ ヨシアキ) 麹町教会所属
① アグネス 田中 洋子 (タナカ ヨウコ) 築地教会所属
① 使徒ヨハネ 田中 良知 (タナカ ヨシトモ) 市川教会所属

以上 5名

◉チーム清瀬◉

 

(左から)荒井 貴さん 今田 潔さん 今田みゆきさん 椿 望さん  林 惠美さん 原 一之さん  

① トマス・アクィナス 荒井 貴 (アライ タカシ) 麹町教会所属
④ フランシスコ・アシジ 今田 潔 (イマダ キヨシ) 調布教会所属
④ マリア・クララ 今田みゆき (イマダ ミユキ) 調布教会所属
② ヨゼフ 椿 望 (ツバキ ノゾム) 赤堤教会所属
① マルガリタ 林 惠美 (ハヤシ メグミ) 板橋教会所属
① トマス 原 一之 (ハラ カズユキ) 秋津教会所属

以上 6名

◉チーム関口◉

 

(左から)嘉藤 まゆみさん 高岡 詠子さん 長澤 重隆さん 宮島 智美さん 渡瀬 美登里さん

② マリア・ベルナデッタ 嘉藤 まゆみ (カトウ マユミ) 麹町教会所属
① マリア・ガブリエラ 高岡 詠子 (タカオカ エイコ) 麻布教会所属
② トマ 長澤 重隆 (ナガサワ シゲタカ) 板橋教会所属
③ マリア・グラティア 宮島 智美 (ミヤジマ チミ) 碑文谷教会所属
① セシリア 渡瀬 美登里 (ワタセ ミドリ) 麹町教会所属

以上 5名

◉チーム関町◉

 

(左から)小川 美緑 さん 小手川 裕子さん 鈴木 英彦さん 中井 美帆さん 森 邦彦さん 

② ヴェロニカ 小川 美緑 (オガワ ミロク) 関口教会所属
① マリア・カタリナ 小手川 裕子 (コテガワ ヒロコ) 赤羽教会所属
① ヘルマン・ヨゼフ 鈴木 英彦 (スズキ ヒデヒコ) 高幡教会所属
③ ガブリエラ 中井 美帆 (ナカイ ミホ) 関口教会所属
② 洗礼者ヨハネ 森 邦彦 (モリ クニヒコ) 高幡教会所属

以上 5名

◉チーム西千葉◉

 

(左から) 市川 正史さん 神崎 理恵さん 前田 はる美さん 三輪 秀樹さん 山田 千鶴子さん  

③ アントニオ茨木 市川 正史 (イチカワ マサフミ) 小岩教会所属
① マリア・マグダレーナ 神崎 理恵 (カンザキ リエ) 五井教会所属
② エリザベト 前田 はる美 (マエダ ハルミ) 小岩教会所属
① ダニエル 三輪 秀樹 (ミワ ヒデキ) 茂原教会所属
① アグネス 山田 千鶴子 (ヤマダ チズコ) 五井教会所属

以上 5名

 

◉チーム松戸◉

 

(左から)鈴木 真理子さん 竹内 公子さん 田中 潤さん 永井 裕子さん 森山 ハツヱさん 山下 充志郎さん  

④ テレジア 鈴木 真理子 (スズキ マリコ) 習志野教会所属
① マリア・アンナ 竹内 公子 (タケウチ キミコ) 上野教会所属
④ アシジのフランシスコ 田中 潤 (タナカ ジュン) 習志野教会所属
② ベネディクタ 永井 裕子 (ナガイ ユウコ) 小岩教会所属
① マリア 森山 ハツヱ (モリヤマ ハツヱ) 葛西教会所属
① フランシスコ 山下 充志郎 (ヤマシタ ジュウシロウ) 市川教会所属

以上 6名

◉チーム松原◉

(左から)鈴木 敦詞さん 田中 芳保さん 三谷 博子さん 柳谷 晃子さん 

① アンセルム 鈴木 敦詞 (スズキ アツシ) 世田谷教会所属
③ アンデレ 田中 芳保 (タナカ ヨシヤス) 亀有教会所属
① ベルナデッタ 三谷 博子 (ミタニ ヒロコ) 初台教会所属
① アンナ・フランチェスカ 柳谷 晃子 (ヤナギヤ アキコ) 麹町教会所属

以上 4名

 

Catechista 仲間とともに歩んでゆく

キリストに「触れられ」受洗を望むようになった人々に、日々「接している」カテキスタたち。そのようなカテキスタになることを望み、カテケージスを、より「手触り感のあるもの」として学ぶ受講生たち。そんな彼らと、彼らを支える小教区信徒の皆さんが「接する」ための媒体になれれば…、と願っています。