お知らせ

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新型コロナウイルス感染症に伴う、公開のミサ中止について

2020年02月26日

カトリック東京大司教区の皆様

新型コロナウイルス感染症に伴う、公開のミサ中止について

カトリック東京大司教区 大司教
菊地功
2020年2月25日

新型コロナウイルスによる感染症の拡大と重篤な症例が報告されるに至り、一昨日には厚生労働省の専門家会議から具体的な見解が示されました。
感染が拡大する時期にあって、国の専門家会議は、今後、一から二週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際だという見解を示し、大多数が集まり濃厚な接触の可能性のある集会などの自粛が求められています。
すでに東京教区では、第一次と第二次の注意喚起をもって、感染拡大のための対策を講じてきましたが、さらに感染が拡大し多くのかたの生命が危険にさらされる可能性が出てきました。感染拡大の危険を軽減し生命を守るために、教会としてもこの重要な二週間にあってはこれまでにない対策を講じる必要があると判断いたしました。
そこで、考えられる様々なリスクを避けるため、以下のように対応を定めましたので、第一次と第二次の注意喚起とともに、具体的な対応をお願いいたします。

1:2月27日(木)から3月14日(土)まで、公開のミサを原則として中止します。

2:特に3月1日と8日の主日にあっては、小教区をはじめ、定期的に不特定多数の信徒が参集して主日ミサが行われている施設では、公開のミサを原則として中止にします。

3:ただし、結婚式や葬儀は、充分な感染対策をとった上で、通常通り行います。

4:2月27日から3月14日まで、週日のミサは、ごく小規模な参加者の場合を除いて、同様に中止します。

5:大きな状況の変化がない限り、現時点では初期対応として二週間のミサ中止を考えていますから、3月15日以降は、通常に復帰する予定です。ただしその場合も、第一次と第二次の注意喚起にご留意ください。

6:ミサ以外の諸行事に関しては、 規模が小さい集まりを除いて、できる限り延期または中止するようにご配慮ください。なお飲食が伴う行事に関しては、すでに東京都が自粛の方向性を示しています。

7:3月1日と8日にあっては、東京教区の「すべての信徒」を対象に、主日のミサに与る義務を免除します。それぞれが聖書を朗読し祈りを捧げる時を持つことを勧めます。また可能であればインターネットでミサを中継できるように手配をいたしますが、その場合、中継のミサに与って霊的聖体拝領をするように勧めます。

教会にとって、日々捧げられるべきミサの中止の決断は、容易なことではありません。判断に至った状況の深刻さを、ご理解くださいますように、お願いいたします。

東京教区の小教区にあっては、観光客も含めいわゆる「不特定多数」の方々が集まる規模が大きい教会も少なくありません。また信徒にあっても、高齢の方々が増加している現実を考えると、ミサ中における濃厚接触の可能性や、ミサへ来るための移動中の感染の可能性などのリスクを回避することは重要です。もちろんそれぞれの方々の自己判断に信頼したミサ参加自粛の要請にとどめることも考えましたが、感染拡大を食い止めるための重要な二週間にあっては、その効果を確かなものとするために、ミサを中止するべきだと判断しました。

上記の通り、現時点では3月14日までの時間を区切っての対応としております。限定した期間が終了する前に今一度判断をいたしますが、行政からの積極的な自粛要請がある場合を除いて、感染期間中すべてに渡って、ミサを中止する考えはありません。感染拡大を食い止めるための、緊急避難措置とご理解いただければ幸いです。

もちろんわたしたちは祈りの力を信じています。病気が蔓延したからといって祈りを止めることはありません。感染に対応する様々な手段を講じる中に霊的な戦いをも含めていなければ、この世界に教会として存在する意味がありません。

「私の記念としてこれを行え」と命じられた主の言葉を思い起こすとき、ミサを中止にすると言うことは、霊的な敗北のように見えてしまいます。だからこそ、この危機に直面している時代には、通常以上に様々な祈りを捧げなければなりません。ミサの中止は敗北ではなく、祈りの持つ力を改めて認識し、祈りによって霊的に深めるための機会でもあること、また祈りの力を改めて認識する機会でもあることを心にとめたいと思います。

信仰におけるいのちへの希望を掲げながら、愛といつくしみの心を持って、感染した方々の回復と事態の収拾を、わたしたちの母である聖母マリアの取り次ぎのもと、父である神に祈りましょう。

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