大司教
週刊大司教第二百七十二回:年間第二十八主日
2026年10月13日
10月はロザリオの月です。
今週から来週にかけて、教皇フランシスコの使徒的勧告「愛の喜び(Amoris Laetitia)」の10周年を記念して、バチカンで会議が開催されています。世界中のラテン典礼の司教協議会会長と、東方典礼の責任者が招集されていますので、わたしも日本の司教協議会を代表して参加させて頂いております。またこの機会に、10月11日には、枢機卿の名義教会であるSan Giovanni Leonardi教会で、主日のミサを捧げて参ります。これについてはまた後日。
以下、10日午後6時配信、週刊大司教第272回、年間第28主日のメッセージです。
年間第28主日
週刊大司教第272回
2026年10月11日前晩
10月は宣教月間でもありますが、同時にロザリオの月でもあります。世界宣教の日は次の主日に設けられていますが、この一ヶ月は祈りのうちに、ひとり一人に与えられている福音宣教の務めを黙想し、行動への決意を新たにするときでもあります。
教皇パウロ六世が1969年に発表された、使徒的勧告「レクレンス・メンシス・オクトーベル」は、次の言葉で始まっています。
「諸民族の心と精神の和解によって最後には真の平和が世界に輝くよう、幸いなるおとめマリアの助けを願うために、十月にロザリオを唱えることを強く勧めます」
教皇レオ十三世によって「ロザリオの月」と定められたこの10月には、10月7日にロザリオの聖母の祝日があります。
ロザリオの起源については様々な言い伝えがありますが、十二世紀後半に聖ドミニコが、当時の異端者たちと闘うときに、聖母からの啓示を受けて生み出されたと伝えられています。10月7日のロザリオの聖母の記念日も、1571年のレパントの海戦でのオスマン・トルコ軍に対する勝利が、ロザリオの祈りによってもたらされたとされていることに因んで定められています。
ある意味でロザリオは信仰における戦いのための道具であります。歴史的背景が変わった現代社会にあっても、信仰を守り深め、主イエスとの一致へと導かれるために重要な祈りです。同時に世界に「諸民族の心と精神の和解によって最後には真の平和が輝くよう」に、聖母の取り次ぎを願い求める力強い祈りでもあります。
教皇パウロ六世は、使徒的勧告「マリアーリス・クルトゥス」で、「(マリアが)信仰と愛徳との両面において、さらにまた、キリストとの完全な一致を保ったという点において、教会の卓越した模範であると仰がれている」(16)と指摘します。
ロザリオの祈りを唱えることで、わたしたちを結び合わせているキリストの体における神秘的一致へと導かれます。どこにいても、いつであっても、ひとりでも、複数でも、ロザリオを唱えることで、わたしたちは聖母マリアがそうであったように、キリストの体において一致することができます。
マタイ福音に記されている婚宴を催して人々を招待する王のように、主はロザリオのように霊的な力に豊かに満ちた祈りを用意してわたしたちを招いておられます。残念ながら、往々にしてわたしたちは、婚宴の宴のように素晴らしく用意されている教会の祈りの伝統に目を向けず、畑仕事や商売を優先させた招待客のように、自分たちの都合を優先させ、主の招きから逃れようとしています。わたしたちが祈りを通じて霊的に一致するように、またその一致を通じて共同体として社会のなかにあって、世の光、地の塩となるように、力ある豊かな祈りは、わたしたちのために用意されています。豊かな祈りの宝を、見失わないようにしましょう。
聖母マリアを通じて人となられた神のみ言葉である主イエスへと導かれ、キリストの体に一致し、互いに支え合い、福音のあかしを通じて宣べ伝えることができるように、招いてくださる主に背を向けないようにいたしましょう。