大司教
コロナ禍における教会活動に関して
2020年07月13日
カトリック東京大司教区の皆さま
昨日までの四日間、東京都では新型コロナウイルスの新規感染者が200名を超え、本日7月13日も119名の感染が確認されています。いまの時点では、重症者が少ないことや、亡くなられた方が6月24日から出ていないことを踏まえて、即座に教会活動を停止するようなことはしておりません。現時点での感染対策をしっかりと守りながら、慎重に教会運営を続けてまいります。
しかし今後は、仮に感染者数がこのまま増加し続け、重症者が増加した場合などには、現在の対応を一段厳しいものに戻すことも念頭に、日々刻々と変化する状況を見つめております。これからかなり長期にわたって、現在のように社会の現実として新型コロナウイルスがあるということを前提として、その中で教会活動を続けていく方策を慎重に模索して行かざるを得ないものと思われます。
あらためて申し上げますが、教区の基本方針は三つです。(詳しくは、教区ホームページに掲載しているビデオを、是非一度ごらんください。ビデオへのリンクはこちら)
1:教区内地域で新規感染者がいる限り、教会活動では「密接・密集・密閉」を避ける
2:感染しない、感染させない
3:秘跡にあずかる機会を提供し、霊的な一致を促す
教会活動を停止するという歴史に残るような事態に、東京教区だけではなく世界中の教会が直面しているのですが、その中で東京教区は6月21日に活動を再開して、まだ4回目しか日曜日を迎えておりません。教区としての大枠はありますが、それぞれの小教区では事情が異なりますので、感染対策への対応もそれぞれ異なっています。
なにぶん誰ひとり経験したことのない事態なのですから、当然どの対応も完璧ではあり得ず、当分は試行錯誤の繰り返しにならざるを得ないでしょう。これからさらに何回かの日曜日の経験を通じて、徐々に改善していくしかありません。
なんと言っても、感染症の事態が即座に終息するとは思われず、わたしたちは長期戦を心しなければなりません。現時点での対応にはまだまだ不備もあることでしょう。大変申し訳ありませんが、しばらくはこの事態を一緒になって乗り越えるため、耐え忍んでくださるようにお願いいたします。
教会内での意見の交換は歓迎しますが、あたかも教会がすべて変わってしまったかのように喧伝するような行為は慎まれるよう心されることを希望します。
2020年7月13日
カトリック東京大司教区 大司教
菊地功