教区の歴史

教区の歴史

2016年 年始の集いの挨拶要旨

2016年01月11日

2016年1月11日 東京カテドラルにて

説教

2015年12月8日から本年11月20日までの一年の課題は『いつくしみの特別聖年』であります。

『いつくしみの特別聖年』の趣旨は大勅書『イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔』によって美しく簡潔に説明されています。

神はいつくしみ深い神です。旧約聖書、新約聖書はすべて、神は、人々の苦しみの叫びに応える、いつくしみの神である、と告げています。

『教皇フランシスコ いつくしみの特別聖年のための祈り』は大勅書の要約と言えます。わたくしはこの祈りのなかで次の部分が強く心に響いています。

主イエス・キリスト・・・・
あなたは、目に見えない御父の、目に見えるみ顔です。
何よりもゆるしといつくしみによって、自らの力を示される神のみ顔です。
教会がこの世において、復活し栄光に満ちておられる主のみ顔となりますように。
あなたは、ご自分に仕える者が弱さを身にまとい、
無知と過ちの闇の中を歩む人々を、
心から思いやることができるようお望みになりました。
これら仕える者に出会うすべての人が、
神から必要とされ、愛され、ゆるされていると感じることができますように。

この祈りは、実にわかりやすく簡潔に、わたしたち教会の使命を示しています。わたしたち教会の使命は、自分たちが弱さを身にまとう罪人の集団でありながら、復活した栄光のキリストから光を受けて、迷い悩んでいる人々を復活の光で照らし励まし、寄り添いながら、人々神から必要とされ、愛され、ゆるされていると感じるように、神のいつくしみを伝えるように努めることであります。

 

第二ヴァチカン公会議を受けて、日本カトリック司教協議会は日本の教会の福音宣教(福音化)の努力を重ねてきました。

1981年には教皇ヨハネ・パウロ二世が日本を司牧訪問されました。
1984年、日本カトリック司教協議会は、「日本の教会の基本方針と優先課題」を発表、
1987年、第一回福音宣教推進全国会議(NICE-1)が開催され、
1993年、同第二回(NICE-2)が開催されました。・・・

この日本の教会の流れの中で2000年に大司教に就任しました、わたくしは、就任のミサにおいて、わたしの心に強く迫る教会の課題、NICEで表明されている課題を皆さんと共に実行したい、という決意を述べました。

その後いろいろな機会に、「東京教区は荒れ野のオアシス・泉でありたい」と述べてきました。

 

2016年の元旦、教皇フランシスコの「世界平和の日」のメッセージの冒頭は、

「神は、無関心ではありません。神は、人類を大切にしてくださいます。」という言葉です。教皇メッセージとしては異例の出だしでしょう。非常に印象的です。

実のところ、わたしたちは、しばしば、自分のこと、自分の仕事にためには心を用います、しかし、ほかの人のこと、ほかの国で起こっている世界の現実は自分には関係ない、として関わろうとはしません。

わたしたちは、隣人の状態と問題について、世界の悲惨な現実について、人類共通の課題へ向かって、貧しい人々の状況について、心を開かなければなりません。

神がいつくしみ深いようにわたしたちもいつくしみ深い者でなければなりません。自分がどんなにか神のいつくしみを受けているか、ということを思いながら、神のいつくしみをさらに深く知るように祈りましょう。

 

この機会にお話ししたい事項がありますが本日は割愛します。
本年もよろしくお願いします。*

 

*この機会にお伝えしたい事項
1)  2016年司祭人事異動(第一次)
2) 神の民の信仰の生涯養成と霊的成長の課題
3) カテドラルとペトロの家の維持・運営
4) 司祭の現状と召命の促進 

 

※ 事務局より:

「2016年司祭人事異動(第一次)」について、2016年1月10日(日)の夕方、小教区を始めとする関係施設には、一斉ファックス済みです。また、東京教区のホーム・ページには、1月17日(日)正午以降、遅くとも、翌18日(月)までに掲載する予定です。