教区の歴史
パウロ三好満神父納骨式ミサ説教
2013年04月13日
2013年4月13日 カトリック府中墓地聖堂にて
第一朗読 使徒言行録6・1-7
福音朗読 ヨハネ6・16-21
(福音本文)
夕方になったので、弟子たちは湖畔へ下りて行った。そして、舟に乗り、湖の向こう岸のカファルナウムに行こうとした。既に暗くなっていたが、イエスはまだ彼らのところには来ておられなかった。強い風が吹いて、湖は荒れ始めた。二十五ないし三十スタディオンばかり漕ぎ出したころ、イエスが湖の上を歩いて舟に近づいて来られるのを見て、彼らは恐れた。イエスは言われた。「わたしだ。恐れることはない。」そこで、彼らはイエスを舟に迎え入れようとした。すると間もなく、舟は目指す地に着いた。
本日わたくしたちは、ここ府中墓地に集まり、敬愛するパウロ三好満神父さんを偲びながら、ミサをささげて神父さんの永久の安らぎをお祈りいたします。そして、そのあと、神父様のご遺骨を東京教区司祭の共同の墓地にお納め致します。
三好神父さんが地上の生涯を終えて天の父のもとへ帰られたのは2012年8月20日でした。今日でほぼ8ケ月です。
2012年8月27日、「通夜の祈り」が東京カテドラルでわたくし岡田大司教の司式(西川哲彌神父説教)で行われ、よく28日、同じく東京カテドラルにて岡田主司式の葬儀ミサ・告別式が行われました。(説教は幸田和生補佐司教)
三好神父さんは1961年に司祭に叙階されました。第二ヴァチカン公会議開始の一年前です。なくなられるまで51年間、司祭として奉仕の仕事に携わりました。
神父さんは『東京カリタスの家』の創設に深くかかわり、『東京カリタスの家』担当司祭として、長い年月、苦しみ悩み、助けを求める多くの人々のために働きました。
キリスト教という宗教はイエス・キリストを救い主と信じる宗教です。とくにイエス・キリストが死者の中から復活した、という信仰をもっとも大切にしている宗教です。キリストの復活を盛大に祝う日が復活祭です。今年は3月31日でした。
キリストは弟子たちに、神に仕えること、そして隣人を大切にすることを教えました。
隣人を大切にすることをギリシャ語で「アガペー」といいますが、ラテン語では「カリタス」です。
三好神父さんは『カリタスの家』で人を大切にし、人を助ける、という「カリタス」の仕事をなさったのです。
ところで、では具体的に「カリタス」とは何でしょうか?
それは何よりもまず主イエス・キリストから学ぶべきことだとわたしたちは考えています。
わたしたちは日々、祈りのうちに、聖書、とくに福音書を読み、味わいながら、キリストをより深く知ろうと努めることを通して、いま何をすることが「カリタス」となるのか、ということを学びます。
先ほど読まれたヨハネの福音は、生前のある日の出来事、イエスがガリラヤの湖の上を歩いたというできごとを伝えています。これも、イエス・キリストとは誰であるのか、を示す一つの挿話であると思います。
ところでわたくしは大学生のころ、高円寺教会で三好神父さんに初めてお会いししました。非常に親しくしていただき、ハイキングに出かけたことなど思い出します。
そのときから約50年たちました。司教としてのわたしはあまり神父さんと親しく過ごす機会に恵まれませんでしたが、一度ゆっくり食事をしたことがあります。もっとゆっくりお話を伺うことができたらよかったと思います。
神父さんの生涯にわたり神父さんを助け支えてくださった皆さんに心から御礼申し上げます。
いつくしみ深い神が三好神父に永久の安らぎを与えてくださいますように。アーメン。