教区の歴史
Te Deum(テ・デウム)聖職者の集い-昼の祈りと聖体賛美式における挨拶
2012年12月26日
2012年12月26日 東京カテドラルにて
聖書朗読 一ヨハネ1・1-4
神父様方、お集まりの皆さん、
昨日わたしたちは、主のご誕生を記念し、わたしたちの救いのために永遠のみ言葉が、わたしたちと同じ人間になってくださったことを喜び祝い、感謝をささげました。
ヨハネは言っています。「わたしたちに現われたこの永遠の命を、わたしたちは見て、あなたがたに証しし、伝えるのです。」(一ヨハネ1・2)
主イエスによってもたらされた救いの喜びを人々へ伝えることこそわたしたち教会の使命であります。
本日わたしたちは、2012年のTe Deumの集い(年末の聖職者の集い)のを行います。本年賜りました数々の恵みに対しまして主なる神に感謝をおささげいたしましょう。本年も皆さんには大変お世話になりました。この席をお借りして厚く御礼申し上げます。
2012年も困難な年でした。2011年3月11日の東日本大震災でなくなられた方々の永遠の安息のために祈り、また被災された方々を神様が支え照らし励ましてくださるよう祈りましょう。そしてわたしたちもまた引き続き、被災者の支援のために力を合わせたいと思います。
2012年は第2ヴァチカン公会議が始まってちょうど50周年に当たる年です。教皇ベネディクト16世は2012年10月11日より翌13年11月24日までを『信仰年』と宣言しました。この機会に、信仰の創始者であり完成者、また道であり真理であり命であるイエス・キリストをより深く知るように努めましょう。
信仰年にあたっては、教皇は第二ヴァチカン公会議と『カトリック教会のカテキズム』を学ぶよう望んでおられます。そのためにも、この機会にわたしたちは、主日・祭日に唱える『信条』の意味を学ぶようしたいと思います。
典礼と秘跡、日々の祈り、黙想を大切にすることはいうまでもありません。
困難な現代社会において、わたしたちはさらなる信仰の証し、愛の証しを求められています。多くの人が人間としての尊厳を侵害され、また深い孤独感に苦しんでいるのです。
また現代は信仰が深刻な危機に瀕している時代です。超越的な存在、永遠の世界、神の愛ということに無関心な人が増えています。わたしたちはこの世俗化した社会の中で信仰を実行し神の愛を伝えていかなければなりません。
そのためには具体的な実践目標が必要です。まず毎日の祈り・ミサ・聖書、霊的読書の実践、家族・友人とのつながりを深めること、また社会の隅で病み疲れている人、孤独な人の友となるなど具体的な努力目標を設定して実行に移したいと考えております。
教皇様が昨日のクリスマスのメッセージで訴えておられますように、世界各地で紛争と対立が絶えません。現代世界の平和は著しく脅かされております。
わたしたちが平和の使徒として働くことができますよう、祈り、また教会の社会教説の学習に努めるように致しましょう。
なお最後になりましが、この機会をお借りして『ペトロの家』の運営について一言申し上げます。
『ペトロの家』は引退した教区司祭などのための居宅として建てられ、2010年10月2日に家と小聖堂の祝別式が行われました。竣工してから二年が経過しています。大司教が運営委員長、幸田補佐司教が館長となり、日々の運営に当たっております。後ほど報告してもらいますが、多くの方から献金を頂いております。厚く御礼申し上げます。
司祭の皆さん自身からもできる範囲での献金をしていただけますとありがたいと思います。
皆さん、良いお年をお迎えください。