教区の歴史

教区の歴史

東日本大震災3ヶ月目にあたり(聖霊降臨の主日前晩のミサ)

2011年06月11日

2011年6月11日 東京カテドラル関口教会にて

 

第一朗読 使徒たちの宣教(使徒言行録2・1-11)

第二朗読 使徒パウロのコリントの教会への手紙(一コリント12・3b-7,12-13)

福音朗読 ヨハネによる福音(ヨハネ20・19-23)

 

 

今日は東日本大震災が起こってちょうど三ヶ月目に当たります。おりしも明日は聖霊降臨の主日です。このミサをささげて、大震災のために亡くなられた方々の永久の安息を祈り、また被災された方々のために、また救援と復興のために働いてくださる方々のために、聖霊の助けと導きを祈りましょう。

 

今日の答唱詩編のなかに次のような一節があります。

「あなたは霊を送ってすべてを造り、地上を新たにしてくださる。」

新共同訳では次のようになっています。

「あなたはご自分の息を送って彼らを創造し

  地の表を新たにされる。」(詩編104・30)

息とは霊のことであり、神の息とは神の霊、すなわち聖霊です。神は絶えず神の霊を送り、神の創造の働きを継続しています。以前よく用いた『公教会祈祷文』のなかに『始業の祈り』がありました。

「主よ、聖霊を遣わしめ給え、しかしてよろずの物は造られん。地の表は新たにならん。」

まさにこの、詩編104編30節の祈りと同じであります。

創世記で神が天と地を創造された次第が告げられています。神の創造は今も続き、世の終わりに完成されます。神はわたしたち人間を新たにし、世界を新たにされ、この世界を『新しい天と新しい地』として完成してくださるのです。

被災した仙台教区の平賀司教様は大震災に立ち向かう標語として『新しい創造』と言う言葉を掲げています。

使徒パウロは言っています。

「キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された人なのです。古いものが過ぎ去り、新しいものが生じました。これらはすべて神から出ることであって、神は、キリストによって世をご自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。」(二コリント5・17-18)

わたしたちはいま、単なる復旧ではなく復興を目指しています。そして復興とは創造でなくてはなりません。聖霊によって新たにされた世界の実現のために奉仕することです。そのためにはまずわたしたち自身が新しい人にならなければなりません。イエスは罪の赦しを与える使命を使徒たちに授けました。わたしたち自身が罪の赦しを受け、さらに罪の赦しを世界に告げ知らせなければなりません。それはとりもなおさずこの世界にキリストの平和を告げ知らせ実現するということです。

明日はカテドラルで教区合同堅信式が行われます。聖霊の賜物が豊かに与えられますよう祈りましょう。とくに知恵と勇気を持ってキリストの平和のために働くことができますよう、祈ってください。