教区の歴史

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韓人教会ミサ説教(復活節第6主日)

2011年05月29日

2011年5月29日(復活節第6主日)
東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂にて

 

第一朗読 使徒たちの宣教(使徒言行録8・5-8,14-17)

第二朗読 使徒ペトロの手紙(一ペトロ3・15-18)

福音朗読 ヨハネによる福音(ヨハネ14・15-21)

 

東京韓人教会の皆さん

今日は復活説第6主日、5月29日です。マリア様の月である5月も終わります。今年は5月21日、関口教会のルルドの完成・祝別の百周年を皆さんとご一緒に祝うことができました。皆さんのご配慮とご協力に感謝いたします。

来週の主日は「主の昇天」、そしてその次は聖霊降臨です。(本来「昇天」は聖霊降臨の10日前に祝うべきですが、規模が小さい日本の教会には「守るべき祝日」としてその日に「昇天」を祝うこと困難です。そこで聖座にお願いして復活節第7主日に主の昇天を祝うようにしています。)

主イエスは復活され40日間ご出現になられましたが40日目に天に戻られました。その際、「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28・20)といわれました。

それでは、どのようにして共にいてくださるのでしょうか?今日の福音でイエスは言われました。

「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。」

弁護者とは真理の霊である聖霊のことです。この約束のとおり、昇天の10日後に使徒たちの上に聖霊が下りました。主イエスは聖霊の派遣によってわたしたちと共にいてくださいます。聖霊は時間と空間を越えて、いつでもどこにでもわたしたちを照らし導き励ましてくださいます。

使徒言行録は聖霊の目覚しい働きを伝えています。使徒たちの働きを通して多くの人が回心し、また癒しの恵みを受けました。使徒たちが生まれ変わったように知恵と勇気を持ってイエス・キリストを宣べ伝えることができたのは実にイエスの霊である聖霊の働きがあったからです。

教会とは復活したイエスが共にいてくださることを現す「灯火」であり「しるし」です。その灯火は諸聖人を通して明るく輝きます。しかしときには教会が危機に瀕し、灯火が暗くなったこともありました。それでも教会は常にイエスの復活の光をともしてきました。

今日の第2朗読でペトロは諭しています。

「心の中でキリストを主とあがめなさい。あなたがたの抱いている希望について説明を要求する人には、いつでも弁明できるように備えていなさい。」

3月11日、東日本大震災が勃発しました。いま日本列島に住む1億2千万人余りの人々は大きな悲しみと苦しみ、そして不安のさなかにおります。わたしたちキリスト教徒も例外ではありません。

日本の7歳の少女エレナちゃんが教皇様に送った質問と回答を皆さんごぞんじでしょう。「どうしてわたしたちはこのような怖い思いをしなければならないのでしょうか」という問いにベネディクト16世は丁寧にお答えになりました。

わたしたちには信仰があり、信仰によって与えられる希望があります。使徒パウロも教えています。

「わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。 希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」(ローマ5・4-5)

わたしたちは信じ希望しています。わたしたちが主イエスのあがないにあずかり永遠の命に導きいれられることを。そしてすべての被造物が最後の日、滅びへの隷属から解放されることを。(ローマ8・18-25)

皆さん、復活されたイエスがわたしたちと共にいてくださるという〈しるし〉として歩みましょう。さらに輝かしい明かりとなって歩みましょう。

ペンテコステは教会が民族・文化・国家・言語の違いを超えて同じ聖霊に導かれる共同体であることをしめしました。わたしたちも互いの違いを尊重しながら同じ主イエスの兄弟姉妹として歩んでまいりましょう。

使徒言行録は、互いに助け合い与え合う、愛の共同体の姿を示しています。わたしたちの互いに忍耐し受け入れあい、ともに重荷と痛みを担い合いながら歩んでまいりましょう。

真理の霊がわたしたちを導き強め励ましてくださいますように。