お知らせ

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東京教区ニュース第40号

1982年02月01日

’82 代議員会 時は来た! 平和活動を教皇アピールの実践をめざし

教区は3月22日(春分の日)午前10時から、カテドラルで82年度の代議員会をひらく。おもな議題は例年どおり活動方針の決定だが、「教皇の平和アピールに答える活動」(案)がその骨子となる模様。本年は第2回国連軍縮特別総会のひらかれる年でもあり内外では核廃絶などかなり具体的な平和運動がすでに展開されている。日本の教会も昨年来日した教皇の広島での「平和アピール」を実践にうつす好機とし、司教団は先に「平和と現代の日本カトリック教会」という声明を出したのにつづいて、このほど核兵器完全禁止と軍縮の実現を要請する署名運動実施することをきめた。本年度の教区の活動もこれをうけるものだが、代議員会では方針の議決だげでなく、母体・ブロックなどのレベルで無理なく実践できる具体的な方法をさぐる。

司教団も率先

平和実現のために行動しようということに異存はないとしても、平和ということばの受けとめかたには、教区民によってかなりの幅がある。「教皇の平和アピール」で言われる平和とはなんなのか?また教区がやろうとしている平和活動とは何なのか?そのあたりをはっきりさせておかないと行動がばらつく恐れがある。これについて白柳大同教は12月13日にひらかれた第5回布教司牧協議会で次のように明確な発言をした。
「ちかごろ平和がおびやかされているという言葉をよく耳にするが、それは生命が国家的規模で抹殺される脅威にほかならない。戦争は死―という教皇の言葉をかりるまでもなく、戦争をそれへ導く軍拡の動きである。司教会議ではこのほど司教団が呼びかけ人となり、核兵器完全禁止を軍縮の実現を要請する署名運動を展開、国連に提出することを決めた。むろん他の種の平和に課題をおろそかにする訳ではない。しかしこれとて人種をないがしろにするものとして争いへの遠因を捉えることもできる。本年は第2回国連軍縮特別総会の開かれる年でもあり、実践には潮時をいうものがある。」
このように平和の内容をかなり限定し、しかも司教団ぐるみで対処しようとすることは、ややもすれば政治に無関心といわれた時代に比べ隔世の感がある。時の流れというべきか、信仰風にいえば聖霊のみちびきとでもいうべきか。もちろん世間一般で行なわれている平和運動に個人で参加するのもよいが、信仰に基づいた、カトリック者ならではの立場で行動を展開する事がより望まれる。

現場からの声

しかしながら教区民のなかにはいろいろな立場の者、危機感もうすく依然無関心なものも少なくない。母体やブロックで、誰もが抵抗なくこの種の行動に参加するためにはどのようにしたらよいのであろうか? このような道をさがし出す本年度の代議員会は、教区民の声を吸いあげるなどのこともふくめて、例年のものより事前の準備がいっそう必要である。
このため布教司牧協議会では、今年はとくに代議員会実行委員会を設けた。すでに母体やブロックでは昨年の秋ごろからこれが要課題となり、色いろな意見が出ている。実行委員会ではこれらの声や司教委員会の小冊子、司教団の署名運動の趣旨などもとに代議員会での討論の項目を立てる。

【代議員会実行委員】

(1)教区運営委員-全員
(2)ブロックからの代表-大柳博士(中央)
角田大(城東)
堀尾卓司(城西)
小山広美(城南)
J・シュバリエ(城北)
西野良明(武蔵野)
古川正弘(多摩)
村田増雄(千葉)

【中央】
(1)祈りと実践を通してやるべきで社会司教委員会が発行した小冊子「平和を現代の日本カトリック教会」(以下「小冊子」という)を先ず読み、勉強すること。
(2)「平和の日」制定の案が出ているが、記憶に留めやすく、カトリックならではの意味で、8月9日(長崎被爆の日)がよい。
(3)平和運動を進めてゆこうとするなら、布司協レベルで少なくとも年1回、講演会を開いたら如何?
(4)「小冊子」を各自が購入し、母体ではこの間題を恒久的に扱う委員会を作ったらどうか。恒例の平和祈願祭をいっそうPRすることはもちろんそのほか行動のきわめて具体的な例として、平和のための提灯行列や灯篭流しなどを考えてみたら。
(5)それぞれの母体で勇敢に平和をアピールすること。教皇も宣言しているし、司教も音頭をとっている。踏絵が出た。ためらうことはない。
(6)ちょっと待て。司教は教義や典礼について言ってもよいが、その他のことについては言うべきではないという人もいる。
(7)戦争を知らぬ母親や若人の反応は様々だ。無関心のものも多い。教会は社会党的になったなどという人もいる。思想的にいろいろな人が集まっているから、短時間で結論を出さないほうがよい。

【城東】
(1)布教のためを考えれば「平和アピール」は無料のほうがよい。
(2)カトリック学校などで、平和教育を推進することが急務である。
(3)平和メッセージの完全配布を。
(4)核戦争の悲惨さを主眼とするするべきで、勤労意欲にもつながる貪因を一緒にすると力点がボケる。
(5)子供のニクシミ・暴力など平和を破壊するものにも目を向けよ。

【城西】
(1)まず小冊子の浸透をはかれ。
(2)平和を問題にするとき、政治的側面を無視してはダメである。
(3)心の平和、人権の尊重こそ大切だ、戦争を防ぐものとしてとらえることができるからである。家庭や地域の平和問題等、身近かなものからはじめ、最終的には軍縮・核廃絶など、司教団の望むような方向にもってゆきたい。
(4)縮小された軍備費を貧しい国にまわす趣意書を運動のばねに。
(5)司祭を中心とした平和研究会など、教会内に平和教育の徹底を。

【城南】
(1)教区の平和キャンペーンの推進センターとして.布教司牧協議会の内に「平和問題小委員会」(仮称)を新設してほしい。(別記)
(2)「戦争は悪、戦争は死」という教皇の言葉を、もっとPRしろ。
(3)各界の有識者から、平和問題についての感想や、アンケートをとったらどうか。
(4)「平和憲法は時のしるし」と司教団もいっている。勇気をもって外に働きかけることが必要だ。
(5)人びとの、平和についての意見のなかで年令差のあることを痛感する。
(6)政治的色あいをもった運動とは別の平和活動をしたい。
(7)身近かの平和がまず大切だ。司祭―信徒、信徒―信徒、司祭-司祭の間でたゆみない話し合いがなされることが第一だと思う。
(8)例えば「こんちには」など、ひと声かけ運動を展開してみたら。
(9)「平和についての標語の募集、コンクール等を行なってはどうか。

【城北】
(1)小冊子にもとづく具体的活動はそれぞれの母体で相達するはずだし、要は出来る範囲内でその証しとなるよう努力する。
(2)毎月1回以上、ミサ中に平和の祈り(母体で作るかあるいは今までにあるもの)を唱え、神父に平和についての説教をしてもらい、意識を高める。
(3)外部から講師(神父もふくまえる)を招いて話をきく。
(4)幼稚園の父兄などに、平和についての講演会や行事への参加を求め、認識を深めさせるとともにカトリックの行動を明示する。
(5)教皇平和アピールの印刷物や録音を、繰り返し読み、聞く。
(6)元日の教皇平和メッセージを近隣の住民にも配布する。
(7)「平和の日」は世界共通の元旦でよい。ただし8月の平和祈願祭は今まで通りの趣旨で行ない、平和の強調と戦争犠牲者に対しての鎮魂の祈りをする。千鳥ケ淵の催しはすぐれた教会的なものであり、平和活動の一端であることはみとめる。
(8)その他の方法を、つねに母体で討論研究する。
(9)あまりにも理想的すぎるのではないか?司教はよいことばっかり言っているが政治的活動にも触れてくるので現実は重大だ。司教が具体的に行動するなかで指導しろ。

【武蔵野】
(1)平和の日を8月にかえる点では意義なし。
(2)小冊子の熟読と内容の説明に主力を注いでいる。
(3)具体的な実践方法については、学校関係の母体なども多いのでさらに検討する。

【多摩】
(1)平和祈願祭に参加した者の感想であるが、この催しにもっと大勢いったらどうか?多摩は遠いけれどがんばれ!
(2)練成会の中に平和教育を盛り込めないかと考えた。

【千葉】
(1)平和と言っても非常に範囲が広く、莫然としたものでわかりにくくてつかみきれない。どのレベルで活躍するにしてもやりにくさを感ずる。時間を充分にかけ、あせらずゆっくり検討すべきである。
(2)平和についての取り組みを教会内外にPRすることが大切だ。
(3)8月の平和祈願祭には積極的に参加すること。
(4)そのはかの具体的実践方法は布司協にまかせるが、とにかく心の中でおもっているだけではタメで行動に表わすことが肝腎だ。
(5)たとえば少なくとも駅前辺りで聖歌行進やキャンドル行進をするなど、宗教的な積極性もほしい。

註・以上はおもに第4回・第5回布教司牧協議会で披露された、
各ブロックでの討議内容である。その後、随時話し合いの機
会がもたれ、より具体的な意見も出たと思われる。

すでに提案も

平和実践への道をさぐるブロックでの話し合いは上記の通りだがこれとは別に、城南の渡辺真氏は布司協への要望として次のような提案をよせている。

提案1 平和キャンペーン推進センターの新設

日本カトリック社会司教委員会の具体的提案になる「平和キャンペーン・平和アピール・平和教育・平和研究」を推進するセンターとして、「布司教」の内に「平和問題小委員会」(仮称)を新設する。

提案2 「平和問題小委」の日常活動

平和に関する講演会・研究会・研修会を企画し、要望に応じて各ブロックもしくは各母体へ、スタッフを斡旋する。また必要な資料ならびに教材を収集し、そのコピー・印刷・配布を図る。

提案3 国内の連繋

全国的な「平和キャンペーン」。たとえば「正平協」、「社研」などと連絡をとり合い、他教区の活動とも協力し合う。

提案4 国際的連繋

国外のカトリック教会とも連絡を取り合い協力し合う。特に国際的な署名運動・文書活動・手紙運動をもって国際的NGOとして、国連および当事国へ働きかける。

提案5 活動基金

活動に必要な基金には、「教皇ミサ」の献金の一部をあてる。

実践案への手引き

1、全国的福音にもとずく、平和キャンペーン、平和アピールを行い、カトリック教会の平和志向を明示する。(1)各教区、各小教区は少なくとも、年に1度、平和に関する講演会、研究会を通して地域に呼びかける。(2)カトリック学校、その他のカトリック施設においても同様の行事を通して平和キャンペーンを優先的に行う。
2、「平和」を単なるスローガンとしないため、平和の意味、福音と平和の関係、平和の条件、平和と人権、平和と生活、キリスト教的平和運動のあり方、平和と現在の世界情勢、等の研究、解説を通して平和への認識を深める。毎年、1月1日の平和の教皇メッセージの解説も大切にしよう。
3、平和教育の充実。(1)カトリック学校、教会、施設における、福音にもとづく平和教育のしっせんとその充実。(2)平和教育の研究。(3)平和教育の教材、資料の作成。(4)司祭、修道女、信徒のための平和研修を行う。
4、カトリック内外の人材の参加を求め、平和の研究、検討、活動の指導を行う。審議会をもうけ、平和活動全般の指導的ブレーンとする。
5、1982、国連軍縮特別総会に積極的に働きかける。
(社会司教委員会の小冊子から)

軌道にのった委員会「教皇」「障害者」二色

布司協

国際障害者年と教皇来日が活動の中心となった。「障害者」では課題を恒久的に扱う機関として、「障害者問題小委員会」をもうけた。また「教皇」では、とくに後楽園のミサに整理がかりで奉仕、「平和アピール」を実践に移すためには、社会司教委員会発行の小冊子「平和と現代の日本カトリック教会」をもとに、ブロックで検討するよう呼びかけた。
その他
(1)「ビジョンの会」を正式な小委員会として承認
(2)婦人同志会から当協議会へ独自にメンバーを出すことを了承
(3)事務所に召命部新設、召命委員会(含教区一粒会など)をそのもとにおく

▽平和祈願祭実行委員会-8月8日
、千鳥ヶ淵約500人を集めて恒例の祈願祭。とくに白柳大司教の力感い説教が目立った。

▽障害者問題小委員会-11月29日
大森教会で第1回「障害者問題を考える会」を開いた。また障害者との関わりが恒久的な運動となるよう、その目安として7月の第2日曜日を、教区「福祉の日」(仮称)とするよう提案した。

▽靖国問題実行委員会-7月18日
午後、カトリックセンターホールで、日本カトリック正義と平和協議会主催、浦和教区靖国問題を考える会協力のもとに「靖国法案反対の司教団声明と私たち」と題する集会を開いた。
その他
(1)靖国国営化阻止2・11集会に参加(2月11日)
(2)同8・15集会に参加(8月15日)
(3)自衛官合祀拒否訴訟を支援。また日本キリスト教協議会靖国問題特別委員会、靖国神社問題連絡委員会の加盟団体として
1、首相の靖国神社参拝に関する申し入れ(7月9日)
2、「戦没者追悼の日」制定に反対表明(7月30日)
3、天皇・首相等の靖国神社公式参拝反対の申し入れ(8月10日)
4、靖国参拝抗議のための祈祷会に参加(8月14日)
5、「戦没者追悼の日」(仮称)制定に慎重に対処するよう要望書を提出
(12月24日)-など。

▽ビジョンの会
教区の将来のあり方について話し合うことを任務としてできたものだが、9月、布司協内の小委員会として正式に承認された。当初とり上げた課題は(1)組織編成に関する件では生活圏移動、在籍不在者、小教区のけいざいもんだいなど7項目(2)信仰教育を宣教に関する件でも4項目。自由に考え、発言するといった発足時の主旨と多少変化はあるものの、広く教区全般の阻止苦情の改良と促進を目標とする。教区の将来につながるものとして、意欲的に実施されつつある。メンバーには布司協委員以外の人でもなれる。

事務局

【総務部】
互いには全く関係のないバチカン展と教皇訪問日とが偶然にもかさなり、教皇歓迎実行委員会東京委員会をバチカン展の連絡会東京委員会とバチカン展の連絡事務との仕事で年頭から多忙を極めた。5月にはマザー・テレサの来日もあり、教皇の「平和アピール」に答える作業じゃ大分遅くなってから始めた。、国際障害者年に関する活動も、準備のため意外に時間をついやしたため、目立った催しはそれほとできなかった。各部・委員会などはそれぞれで自力で活動するようになってきたが、そくにお膳立てに段階で総務部が側面から手伝うことが多い。

【財政部】
▽財政委員会-9回集まり、先ず教皇来日に伴う諸経費とその募金について協議したが、これはすでに発表されている通り順調に運んだ。次に年間を通じ、社会保険に加入することで何回か協議したが、困難な問題があって年度内には解決しなかった。他方「東京教区司祭の家」の建設については結論が得られ、1億円の募金が始まった。
資金運用相互協力制度については、1月19日に融資審査会があり、日野高幡の申請を受理、また4月22日には決算委員会を開き、決算利子を8.5%と決めた。加入教会数は38である。82年度から職員体待遂改善募金の利息をもって教区年金を発足、先に廃止となったカトリック献金の加入者中、教会従業委員の救済にあたる。

【典礼部】
▽典礼委員会-恒例の「生きた典礼を目指す集い」をひらいたが、81年は10月の1回だけ。ネメシュギ師による講演「現代における聖体の意義」のあと、神学院聖堂で聖時間を行った。また教区規模による模様視をいう希望から発展し、それとは一切切りはなして合同堅信式を具体化し、82年の聖霊降臨祭に行うことなった。
この他、わずか名が「典礼シリーズ」も発行し、例年の教会音楽祭にも参加している。日本の風習にある諸儀式(七五三、上棟式)に関する、式文の作成は、まだ手付かずの状態である。

【社会部】
本年度から、ビルマ委員会が東部に属することなり次のように募金活動がなされた。
▽ビルマ委員会-昨年度は予想外の7,784,145円という援助金があった。今年度は2回目の募金になるので、チラシ、ポスター等を通じて呼びかけを行ったが、昨年度には及ばなかった。それでも、3,350,796円の寄付があり、関係者一同は感謝している。なお、12月28日のカテドラルでの演奏会純益も主にビルマの貧しい子供たちにむけられた。

【福祉部】
国際障害者年の活動としてまず小教区に対し、「障害者問題を考える会を開き障害者およびその家族を交えて話し合おう」と呼びかけた結果、約8小教区で集まりがあり、部員もこれに参加した。教会用語については標準的な手話を定めるために委員会を設け、毎月点検を行った。この事業は今後カリタス・ジャパンに引き継がれ、全国レベル事業となる予定である。
また、障害者の実態、ボランティア活動、小教区における障害者に対する関心や受け入れ状況についてのアンケートを実施、目下集計中である。そのほか、愛の募金についての呼びかけ、配分申請の募金および対象者の選定などの仕事や、全国ボランティア連絡協議会結成への協力等を行った。

【数学部】
▽要理教育講座-第7回目の講座「80年代の要理教育法を求めて」を開き、司祭・修道女・信徒約100人が受講した。内容を、現代神学の立場から教理の主要問題とその教授法に絞り、深い掘り下げで成功した。また1月15日、要理教育学会大会を「カテケジスにおける倫理の問題」中心にひらき、やくの6学会員が参加、熱心に研究、討議した。
そのほか、「要理教育学報」第5号を発行、教区の司祭と学会員に配布した。要理教育研究所の地道な努力が、これらを通して教会の各分野に着実効果をもたらしつつあることを伝えたい。
▽カト高生活指導者会-例年通りに春休みに「東京教区高校生春の練成会」を実施、4月からの活動の準備とした。これに参加した10余名のうち有志が9グループにわかれ、ほとんどが大学生である指導者たちと共に活躍している。内訳は障害者にかかわるもの3つ、アジア問題について2つ、そのほか、日本の社会問題研究、英語教室、小教区高校生連合を目指す運動である。
指導者たちはそれぞれのグループが主体的に行動することを願っており、自らの組織を「教育を通して社会を変えるキリスト者の共同体」ととらえ実践している。
▽教会学校部-全国の教会学校活動への関心が深まってきたのも、各教区におけるたゆま努力のと祈りの賜物である。東京教区においても、父母やリーダ向けの研修会を充実させるとともに、指導者会の交流や子供たちの出合いの場を作ることに留意したい。また隣接の浦和・横浜両教区との具体的な分かち合いの方法を模索中。
同時全教区の教会学校担当者の集会の必要性が強調され、その可能性について検討がはじまっている。日本という視野に立った子供たちへの信仰教育のあり方や内容、展開についての方コンセンスづくりが今後の課題となっている。
▽使徒職研修コース-第7回目、11のグループで研修している。平日の昼または夜毎週集まるグル-プがあり、また月に1回、土曜日に泊り込むグル-プもあるが、共通のねらいは、相手にふさわしい言葉(ときには「みことば」そのまま、時には自分なりに消化した言葉)で信仰を語る研修を行っている。
内容は講話だけでなく、体験の分かち合いなど、「はなし合い」が多く、したがって司祭・修道者・信徒がチームを作って指導にあたっている。参加者は1グループ平均15-20%ぐらいである。

【広報部】
▽広報委員会-催し等でカトリック・ジャーナリストクラブの協力を得たことが特色。5月24日、第7回「広報の日の集い」を開く。」講演「信仰の自覚からくる記事作り」、パネルディスカッション「責任ある自由に奉仕するための広報」。参加者70人。
12月6日、第5回「小教区報担当者の集い」。講演「よきコミュニケ-たーたれ」、実技「企画の立て方、レイアウト、インタビューの仕方、文章と用字用語等」、批評「小教区報を見て」。なお教皇来日時には、歓迎実行委員会の傘下にはいり、報道陣の取材の割り当てや規則で活躍した。なお当広報部付カメラマン熊沢剛氏(本所)はこのたび「教皇」の撮影で第3回読売写真大賞に入選した。

【召命部】
このほど事務局に新しく設けられた。実際の活動はこのもとにある「召命委員会」(既存)によって行われる。
▽召命委員会-81年度で特記すべきことは、活動分野の1つとして一粒会を再出発させ「東京教区一粒会」(別途)を組織したことである。すでに機関紙を発行、各母体からは担当者の選ばれ、祈りを献金がはじめられている。
しかし委員会そのものは新分野のプロジェクト・チームだけに、また扱う課題があまりにも広く深いためにまだ効果的な体制には至ってない。試行錯誤や朝鮮を繰り返しながら徐々に形成されることを期待したい。召命に関する競争ではなく協力という発想から、キリストの言われた「多い収穫」を目の前にした自分たちを認識し、一丸となって事のあたる決意である。

ブロック

【中央】
今年は教皇の初来日、国際障害者年を言った特に大きな出来事があり、都心に位置する当ブロックでは、各々に活動の場が与えられたことを深く感謝するとともに、それについての反省もおこなっている。教皇が示した課題は「平和アピール」で、各母体はこれと果敢に取り組んだ。
また多くの小教区では、国際障害者年にちなみ、恒例の、教会大会でも特に障害者問題をとりあげ、大きな反響をあたえた。一般社会でも障害者年の様々な催しが行われたが、今年だけのものになることを危惧する声もきかれる。このような幣に陥らぬため、当ブロックでは、問題についての意識をますます高め、たゆまぬ努力をかさねていくつもりである。

【城東】
第5期役員・小委員会の編成を早めて教皇歓迎に備え、後楽園ミサには約80人の奉仕者を送った。一粒会の活躍のめざましく、運動の盛り上げにブロック独自の献金袋を作り、各母体の一粒会担当者会議の2回ひらいた。平和祈願祭には約30人の経営班を送り祭儀を盛大にした。
布教小委はリーフレットの検討を実施、宣教用聖句の整理、平和アピールの作文集めを継続中。青少年小委は教会学校の実状調査を境。対社会小委は障害者年、献血交流に取り組み、移動信徒担当者会議をも準備中。ブロックレベルではかかわれなかったが、障害者年にあたり、小岩、浅草などで障害者問題についての話し合いやスロープの新設が実現した。教皇の平和アピールではブロック全体が真剣に討論し、リーフレットの約3000枚を宣教のために配った。

【城西】
前年に完成した「城西ブロック・ガイドブック-教会への道しるべ」は、信仰への絆をいっそう深め、愛への案内人として活用されている。「国際障害者年」へのとりくみとしては、ブロック内のABCD各グループから委員を選び、福祉委員会を中心に、講演会、研究会、話し合いなどの実際活動を行った。「平和アピール」については、目的と内容の解明をふりだしに、具合的に「心と行動」への盛り上がりを考え、進めている。

【城南】
教皇の言葉に答える初の働きとして講演会「日本人への働きかけ」をひらいた。これを企画した宣教小委員会は、同時に「平和アピール」のリーフレットを配る運動を提唱し、平和祈願祭を期して全教区に働きかけた。また、「訪日公式メッセージ集」、小冊子「平和と現代の日本カトリック教会」を全部ロック会議員に与え、「平和と私たちの共同体―身近なところから平和を広げよう」「平和アピールを近接社会に伝えるには」をテーマとして、会議の大半をグループ討論にあてた。これは母体にまですすめられ、洗足教会などではクリスマスを期して平和の話し合いを呼びかけるリーフレットを試作、配布した。

【城北】
教皇の来日を頂点に、国際障害者年、一粒会再出発などで多忙な年であった。特に本年を障害者理解の契機としてとらえ、母体単位での障害者対策等の討論を柱として、理想実現への努力をはじめた。一粒会については、教区のその主旨をより明らかにしたので、目標達成のためにいっそう励むことできた。
教皇「平和アピール」に答えて、毎月1回以上ミサ中心に平和の祈りを唱え、あるいは説教、講演会、勉強会等で意識の高揚をはかっている。なお外に対しても、パンフレットの配布などでカトリック者としての平和に対するひたむきな姿勢をあらわすことにより、その理解を協力が求められるよう努力をかさねた。

【武蔵野】
教皇来日にあけ、教皇の平和アピールにくれた1年であった。献金にはどの母体も積極的に協力し、後楽園ミサの奉仕には多くの人が仕事を休んでまで参加してくれた。平和アピールの、それぞれの母体で諸会合の祈りに熟読されているので、82年はいよいよ行動するとしになるであろう。
国際障害者年への参加ということでは、各母体のボランティアグループ代表や福祉担当者による第1回の集いが開かれた。障害者問題理解への初年度であった。

【多摩】
今年も発足当初から力を入れてきた青少年活動を柱とした。夏に行われた中・高生練成会を中心に、スタッフ養成を含めた大学生、社会人の日常行動、秋に行われた4日間にわたる第4回ブロック研修会、一般の人々まで参加する春の夜間練成登山などが例年通りの行事としてあげられる。
こうした中でとくに81年度は活動の新生面を開く、一環として壮年層の合同研修会の試みがなされ、立川の壮年1泊研修会へ各教会から有志が参加するという形で行われた。定例会議の時間を有効に使うため、その後半に講演会を行うことも3回試みられた。

【千葉】
中学生の夏季学校を昨年と同様、館山教会で開いた。参加者約30人第7回ブロック合同ミサと運動会は、白柳大司教を迎えて聖母マリア幼稚園で開かれたが、参加者の数は過去を通して最高となり、ブロック共同対としての親睦を深めることができた。とくに西千葉の参加で隣接教会との交流も行われ盛況であった。
なお、今年度はブロックに召命問題小委員会が発足した。現在8人のメンバーで定例会議を開き活動している。原則としてブロック会議員をもって構成されるが、問題の大きさ、深さ、また長期にわたって活動するために―などから、各母体よりの有志にも参加を呼びかけている。すでに小冊子「炎の人、フランシスコ・ザビエル」をシリーズとしてつくる事をきめ、第1号を各母体に配った。この小冊子が召命を促進することに役立つよう努力していきたい。

一粒会再出発へ

【名称】
東京教区一粒会
【目的】
法人司祭および修道者の召命促進のため、犠牲と祈りを献げ、召命についての意識を高めるとともに、各々の分に応じて献金し、神学生養成の共同責任をつちかうものである。
【会員】
教区民全員である。
【事務局】
カトリック東京大司教区館内に置く。
【会長】
東京大司教とする。
【委員会】
各母体の一粒会が活発に行われるよう援助と示唆を与える会であり、一粒会運動全般の運営の責を負う。少なくとも3ヶ月に1回以上会合を行う。
【委員】
構成を次の通りとする。
(1)各ブロックより2名の代表者。
(2)召命委員の中からの信徒代表。
(3)教区事務局員の中の召命委員。
【各母体の一粒会担当者】
各母体の教区一粒会の世話役として、各母体の一粒会を先導し、委員会及び事務局との連絡にあたる。