お知らせ

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ヴェルキ枢機卿からのケルンデーメッセージ

2024年01月27日

2024年のケルンデーにあたり、ケルン大司教のライナー・マリア・ヴェルキ枢機卿様よりメッセージを頂きましたので紹介いたします。

2024年1月19日 ケルンにて

「神に仕えるなら、あなたはどこでも幸せになれるのです」
聖ダミアン神父

菊地功大司教様
東京大司教区の親愛なる兄弟姉妹の皆様

今年、東京大司教区とケルン大司教区の70年にわたるパートナーシップを振り返ることができるのことは大きな喜びです。フリングス枢機卿と土井枢機卿がどのようにして手を結び、この祈りと援助の共同体を発足させることになったのかを思う時、わたしたちは感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。東京大司教区では 「ケルン・デー」 、ケルンでは 「トーキョー・デー」 と呼ばれるこの日曜日、私たちは特別な方法でこの贈り物を祝います。

1954年当時は、まだ戦後間もない時代であり、ドイツに「経済の奇跡」が起こる前であったので、国家レベルであれ、教会レベルであれ、ドイツ人とこのような友好関係を求めるのはほとんど奇跡的なことでした。さらに、普遍的な教会であることを意識し、教区間の兄弟姉妹愛の関係をより緊密なものにしようという意識も、今日ほど顕著ではありませんでした。

それゆえ、わたしはこのことをいっそう喜ばしく思うとともに、この70年間、わたしたちの共通の信仰に基づく祈りと援助の共同体から育まれてきた、永続的な友情と活発な交流に大いに感謝しています。すでに計画されている数多くの話し合いや相互訪問に加え、私は青少年司牧と大司教区の学校の分野でのイニシアチブの進展について、非常に前向きに考えています。

具体的な第一歩すでに始まっています。例えば、5月初旬に行われる年に一度の壮大な青少年巡礼「アルテンベルグの光」に日本から参加する、活動的な若いキリスト者のグループを迎えることを心待ちにしています。この豊かな賜物、時の試練に耐えてきたパートナーシップから生まれる、活気に満ちた実りある取り組みが、他にもたくさんあることをわたしは願っていますし、そうなることを強く信じています。
※「アルテンベルクの光」に関しては東京教区ニュース第403号に詳しい記事が書かれています。今年の「アルテンベルクの光」には、東京から15名のカトリックスカウトが参加予定です。

わたしたちのパートナーシップはまた、ケルンにいるわたしたちに、カトリック教会のまったく異なる現実、つまり社会の少数派としての教会、それにもかかわらず独自の伝統に満ちた比較的若い教会の現実を洞察させてくれます。わたしたちが現在ドイツとヨーロッパで経験している激動と、今後数年間に待ち受けているかもしれない多くの課題に関して、わたしたちはこの洞察から学ぶことがたくさんあります。このことから、私たちは、文化の違いにもかかわらず、私たちのキリスト教的ケアと慈善を特に必要としている人々に注意を向ける必要があることを理解するようになりました。わたしたちはここしばらく、ミャンマーのカトリック教会の抑圧された人々や迫害されている人々を支援するために協力してきました。このことを通して、私たちは確かに、神の内なる三位一体の愛の実りを見ることができます。それは、自分の中にとどまるのではなく、外へと広がって、ますます広い輪を描こうとしています。

私たちのパートナーシップが神からの大切な賜物であることを自覚し、神に祈り、確信を持って未来を見つめ、神がそれを末永く守り、深めてくださることを信じています。最後に、わたしたちの共通の記念の年のために、皆様とそのご家族、そして菊地功大司教様と東京大司教区全体のために、祝福とともに、わたしの祈りと挨拶をお送りいたします。

敬具

枢機卿 ライナー・マリア・ヴェルキ

(訳:カトリック東京大司教区広報)