対話による平和の実現を願って ミャンマーの兄弟姉妹のために

2022年02月02日

対話による平和の実現を願って
ミャンマーの兄弟姉妹のために

ミャンマーで国軍によるクーデターが発生し、選挙で選ばれた民主政権が倒されてから、一年となります。民主化を求める声は国軍によって押さえ込まれ、治安維持を名目に殺害された国民も少なくないと報道されています。

ミャンマー司教協議会会長であるヤンゴン大司教のチャールズ・ボ枢機卿は、この一年の状況は「長引く十字架の道行き」であると語り、「ミャンマー全土が戦場となった」と述べています。その上でボ枢機卿は、「教会は、武力衝突を逃れてきた人々に避難所としての場を提供しているために、軍や武装組織による襲撃や爆撃の対象となっている」として、自由と民主化を求める多くの人々を攻撃し、生命を危機に直面させる国軍を厳しく批判しています。(バチカンニュース)

国内外の平和を求める多くの声にもかかわらず、「ミャンマー軍は、クーデターに伴って発令していた「非常事態宣言」を半年間延長すると、31日夜、国営テレビを通じて発表し、今後も全権を掌握し続ける姿勢を示し」たと報道されています(NHKニュースサイト)。残念ながら混乱した状況は好転することなく、国連や東南アジア諸国連合も有効な策を講じることができないまま、事態は膠着化しています。

カトリック東京大司教区は、ドイツのケルン教区と協力しながら、長年にわたってミャンマーのカトリック教会を支援してきました。それは、戦後に東京の教会がケルンの教会から大きな支援を受けて復興した事を感謝のうちに記憶し、その善に資する隣人愛の心をさらにひろげるために、1979年のケルンと東京の友好関係25周年に、当時のヘフナー枢機卿と白柳枢機卿が合意してミャンマーの教会への支援を始めたことに由来します。

それ以来、東京大司教区はミャンマーの教会を姉妹教会として、特に司祭養成のために支援活動を行ってきました。

「教会は、その本質的な宗教的使命は人権の保護と促進であることを自覚しており」、神の似姿として創造され賜物として与えられたいのちの尊厳が、例外なく尊重され護られることを主張してきました。(教会の社会教説綱要159)

また、国家には共通善に到達すると言う責任があると考え、「国家は市民社会を代表するものであり、市民一人ひとりの貢献によって共通善が成立するよう、市民社会の一致、統一および組織を保障」するようにと求めてきました(教会の社会教説綱要168)

ひとりミャンマーだけではなく、同様に人権が制約され共通善の実現を阻む状況が世界に存在していることは残念な事実であり、その実現なしに、神の平和は達成されません。

ボ枢機卿の呼びかけに賛同し、あらためて、対話による平和の実現を求めます。同時にミャンマーの姉妹教会の皆さんのために、ミャンマーの人々のために、祈り続けます。

一人ひとりのいのちが大切にされ、人間の尊厳が尊重され守られる社会が実現するように。

いのちを奪う暴力ではなく、連帯のうちに互いに助け合い支え合う社会が実現するように。

信教の自由が侵されることなく、平和と喜びのうちに神を賛美する社会が実現するように。

2022年2月1日
カトリック東京大司教区 大司教
菊地功