お知らせ

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「カリタス東京」設立準備について

2021年08月08日

カトリック東京大司教区の皆様

カトリック東京大司教区 大司教
菊地功

「カリタス東京」設立準備について

昨年12月末に、カトリック東京大司教区の当面の間の活動方針の大枠を、「宣教司牧方針」として発表いたしました。わたしたちは、聖霊が教会のうちに働いていることを信じています。そこで「宣教司牧方針」の策定にあたっては、聖霊の導きに信頼しながら、できる限り共同体での意見交換と提言をお願いいたしました。わたしたちは、「二人三人がわたしの名のもとに集まっているところに、わたしもいる」という主の言葉を信じ、共同体にこそ聖霊が豊かに働きかけてくださると信じていますから、教区全体の方向性を定めるにあたっても、共同体での識別の道を歩むことはふさわしいことです。ご協力いただいた多くの皆様に、あらためて感謝申し上げます。

さて「宣教司牧方針」策定にあたっては、教皇ベネディクト十六世のことばに力をいただきました。教皇の回勅「神は愛」に、「教会の本質は三つの務めによって表されます。神のことばを告げ知らせること、秘跡を祝うこと、愛の奉仕を行うこと」(25参照)と記されています。この三つの務めは互いに関係しあいます。神のことばを告げ知らせる宣教の前提に秘跡を祝う共同体がなければなりません。秘跡を祝う共同体は愛の奉仕へと突き動かされていきます。愛の奉仕は、主イエス・キリストの生き方を実践することです。

教会は、この三つの務めをないがしろには出来ません。宣教司牧方針では、この三つの務めを十分に行うため、「宣教する共同体」、「交わりの共同体」、「すべてのいのちを大切にする共同体」を育むことを柱と定めました。

残念ながらこの方針をとりまとめた時期は新型コロナ感染症による混乱のただ中でしたので、教区全体での具体的な取り組みを始めることが出来ずにおりました。しかしながらその中でも、いくつかの項目については、担当者を定めて実現のための検討と調整を続けてきました。

このたび、いくつかの取り組みの中の一つに関して、実現のための具体的な作業に入ることが可能となりましたので、ここにお知らせいたします。

「宣教司牧方針」の柱の一つである「宣教する共同体を目指して」について、具体的な取り組みの一つとして、「愛の奉仕のネットワーク化」を掲げ、その中に「教区カリタスの創設」と記しました。この項目の実現のために、司教代理として天本師を任命し調整にあたってきましたが、来年2022年4月頃を目途に、概ね以下のような内容で、「カリタス東京」を設立いたします。

 

名称:   カリタス東京
所在地:  カトリック目黒教会構内
設立の日2022年4月24日(日)復活節第二主日(予定)
      なお設立準備を2021年8月8日から開始します。

新しい組織の概要:

愛の業は教会全体の各レベルにおいてすべての共同体の務めであり、司教は自らの教区でそれを実践する義務があります(ベネディクト十六世「神は愛」20以下参照)。そこで、東京教区における愛の業の活動を担当する諸委員会(社会系委員会)を統合し、一つの組織として、「カリタス東京」の名称のもと、再編します。

「カリタス」は、教会全体の慈善活動組織の名称で、バチカンに「国際カリタス」があり、それぞれの司教協議会が、例えばカリタスジャパンのように全国組織を設置し、連盟組織として運営されています。教区のカリタスは、その国際的組織とは別の、独立した活動です。

今回の再編の対象となるのは以下の諸委員会です。諸委員会でこれまでご協力くださった多くの皆様には、その献身的な働きに心から感謝するとともに、新しい組織の中で再スタートを切るために、ご理解とご協力をお願いいたします。

既存の以下の教区委員会は、2021年12月末日をもって、一度解散といたします。

 福祉委員会
 部落問題委員会
 平和旬間委員会
 正義と平和委員会
 災害対応チーム

その上で、カトリック東京国際センター(CTIC)は中心となる組織として継続しつつ、これまでのさまざまな社会系の活動を包括し、継続するための新しい組織へと再編します。

具体的な組織構成などを検討するために「カリタス東京設立準備チーム」を立ち上げます。チームの委員は別途任命しますが、その責任者は、司教代理である天本昭好師、実務担当を教区職員の田所功氏とします。

なお、船員司牧についても組織を再編しその担当を新組織で担いますが、ハラスメント事案などに対応する「子どもと女性の権利擁護対応委員会」は、独立した委員会として存続します。

「カリタス東京」は、既存のCTICを中心として構成するため、その所在地を、現在CTICが所在しているカトリック目黒教会構内といたします。

新しい挑戦ですが、混迷する現代社会にあって、教会の愛の業による福音のあかしは、ますます重要性を増し加えています。福音をあかしするわざとして、教区のみなさんの力を結集して、神の愛を具体的に生きて参りましょう。皆さんのご理解と、ご協力をお願いいたします。

以上