受難の主日説教

聖書朗読箇所

第一朗読 イザヤ50・4-7
第二朗読 フィリッピ2・6-11
福音朗読 ルカ23・1-49

ルカによる主イエス・キリストの受難 

(本文)

Cそのとき、23・1民の長老会、祭司長たちや律法学者たちは立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。2そして、イエスをこう訴え始めた。 

S「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」 

Cそこで、ピラトがイエスに尋問した。 

A「お前がユダヤ人の王なのか。」 

Cイエスはお答えになった。 

十「それは、あなたが言っていることです。」 

Cピラトは祭司長たちと群衆に言った。 

A「わたしはこの男に何の罪も見いだせない。」 

Cしかし、彼らは言い張った。 

S「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです。」 

Cこれを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。へロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。

というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。

この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。

ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、言った。 

A「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 

Cしかし、人々は一斉に叫んだ。 

S「その男を殺せ。バラバを釈放しろ。」 

Cこのバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。しかし、人々は叫び続けた。 

S「十字架につけろ、十字架につけろ。」 

Cピラトは三度目に言った。 

A「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 

Cところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。

人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。 

十「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。そのとき、人々は山に向かっては、『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、丘に向かっては、『我々を覆ってくれ』と言い始める。『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」 

Cほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。そのとき、イエスは言われた。 

十「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」 

C人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。35民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。 

A「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」 

C兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、言った。 

A「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」 

Cイエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。 

A「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」 

Cすると、もう一人の方がたしなめた。 

A「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」 

Cそして、言った。 

A「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください。」 

Cすると、イエスは言われた。 

十「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」 

C既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。イエスは大声で叫ばれた。 

十「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」 

Cこう言って息を引き取られた。百人隊長はこの出来事を見て、神を賛美して言った。 

A「本当に、この人は正しい人だった。」 

C見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。 

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