大司教

5月は聖母月です

2020年05月02日

 

伝統的に、5月は聖母月とされているのはご存じの通りです。一年の典礼において、聖母を記念する日はいくつもありますが、一ヶ月が聖母のために捧げられているのは5月と10月です。10月は特にロザリオの月とされています。

教皇様は、世界各地で猛威を振るう新型コロナの感染症拡大の中で、多くの人が外出を自粛したり禁止されたりすることから、家族での祈りの大切さを指摘して、この5月に特に家族でロザリオを唱えるように招いておられます。

「五月は、神の民がとりわけ熱心におとめマリアへの愛と崇敬を表す月です。五月には家庭で家族一緒にロザリオの祈りを唱える伝統があります。感染症の大流行によるさまざまな制約の結果、わたしたちはこの「家庭で祈る」という側面がなおさら大切であることを、霊的な観点からも知ることになりました」

日本では、多くの場合、家族全員が信徒であることは少ないことでしょう。もし家族全員が信徒であるなら是非一緒に、またお一人でも、教皇様の呼びかけに応えて、この5月にはロザリオの祈りを捧げましょう。

また教皇様は、今般の事態にあって、ロザリオの祈りとともに捧げる祈りを二つ示されています。このリンクから中央協議会のホームページで、その祈りをご覧ください。

5月に聖母マリアに祈りを捧げることについては、歴代の教皇がその大切さを説いてきたところですが、例えばパウロ六世は第二バチカン公会議後の典礼改革のなかにあって、聖母への信心の重要性を説いた「マリアーリス・クルトゥス」でこう述べています。

「ロザリオは天使による喜ばしいあいさつとおとめの敬虔に満ちた承諾から始まって、福音からインスピレーションを受けて、信者がそれを唱えるべき態度を示唆しています。アヴェ・マリアの祈りを繰り返して唱え続けてゆくことによって、ロザリオはわたしたちに今一度福音における基本的な神秘であるみことばの受肉を提示してくれます。マリアはこの神秘をお告げという決定的な瞬間において黙想したのでした。このようにして、ロザリオは過去におけるよりもおそらく今日において、司牧担当者や神学者たちが好んで定義するように、「福音の祈り」であるといえるのです。」(44)

また1965年に、特に世界平和のために聖母に祈ってほしいと呼びかけた「メンセ・マイオ」では、こう述べています。

「五月は、より頻繁で熱心な祈りのための力強い励ましであり、わたしたちの願いがよりたやすくマリアのあわれみ深い心に近づく道を見いだすときです。教会の必要が求めるときに、あるいは人類が何か重大な危機に脅かされているときにはいつでも、キリスト者に公の祈りをささげるよう勧めるためこのマリアにささげげられた月を選ぶのは、わたしの先任者たちに好まれた習慣でした」(3)

一日も早く今般の事態が終息するように、また病床にある人たちにいやしが与えられるように、医療関係者に守りがあるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい決断をすることができるように、主イエスの守りと導きが豊かにあるように、ロザリオの祈りを通じて、聖母マリアの取り次ぎを祈りましょう。

なお、5月13日(水)はファティマの聖母の記念日です。1917年5月13日から10月13日の間にポルトガルで、ルチア、ヤシンタ、フランシスコの三人の子どもたちに、聖母は六回出現されました。

この記念の日、5月13日水曜日に、東京カテドラル聖マリア大聖堂で祈りのときを持ち、ロザリオの祈りをささげたいと思います。時間はまだ未定ですが、5月13日水曜日の夕刻になろうかと思います。これについては調整がつき次第、あらためてお知らせします。また、この夕べの祈りのひとときは、インターネットで配信することで、皆さんにも一緒にお祈り頂ければと思います。