教区の歴史
ベネズエラ独立記念ミサ説教
2013年07月07日
2013年7月7日 東京カテドラル聖マリア大聖堂にて
ベネズエラ・ボリバル共和国大使石川成幸(Ishikawa Seiko)様、お集まりの皆様、わたくしたちは、本日ベネズエラ共和国独立を記念し、また故ウゴ・ラファエル・チャベス・フリアス大統領の永久の平安を願って、ミサをおささげします。
今日の主日の福音で主イエスは平和について語っています。イエスは72人の弟子を任命し、派遣しました。その際言われました。
「どこかの家に入ったら、まず『この家に平和があるように』と言いなさい。平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。」(ルカ10・5-6)
わたしたちは平和のために祈り、平和のために働くという使命を受けています。主イエスは言われました。「平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイ5・9)
「平和」とはただ戦争がない、争いがない、という状態ではありません。平和とは神のみ心が行われていること、神の恵みに満たされた状態を言います。
いまから50年前、教皇ヨハネ二十三世は『地上の平和』という回勅を発表しました。教皇は当時の東西冷戦の緊張した国際情勢の中で、世界の政治指導者が冷静かつ賢明に対処することを願い、彼らが危機を回避し、さらに、地上の平和の実現のために理性的に判断し、協力するよう呼びかけたのです。
平和とは「秩序」であり、平和の君、キリストの恵みによってもたらされます。教皇はこの秩序について次のように要約しています。
「その秩序とは、真理を土台とし、正義によって築かれ、愛によって生かされ、最後に、自由によって実践されるのです。」
平和は、真理、正義、真の愛、そして隣人のために惜しみない自由な心によって築かれ実現する、神の賜物、キリストによる平和であります。
日本のカトリック教会はヨハネ・パウロ二世の訪日(1981年)に励まされ、1982年より毎年8月6日から15日を平和旬間として、特別に平和のために祈り、平和について学び、平和のために働く10日間としております。
本年は福者ヨハネ二十三世の『地上の平和』を学び、その教えを実行に移すようにする予定です。
聖霊がわたしたちを照らし、平和のために働くことができるよう、知恵と勇気を与えてくださいますように。アーメン。