教区の歴史
麹町教会堅信式説教(年間第11主日「-人々へ勇気と希望を-」)
2012年06月17日
2012年6月17日、麹町教会にて
第一朗読 使徒言行録2・1-11
第二朗読 ガラテヤ5・16-25
福音朗読 ヨハネ15・26-27,16・12-15
(福音本文)
「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。あなたがたも、初めからわたしと一緒にいたのだから、証しをするのである。
言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである。」
麹町教会(イグナチオ教会)の皆さん、
きょうはこれから140名あまりのかたがたが堅信の秘跡をお受けになります。
今朗読されたヨハネ福音書で、イエスは弟子たちに言われました。「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。」
聖霊降臨のときに弟子たちは真理の霊である聖霊を受けて、生前のイエスの言葉を理解できる恵みをうけました。
2012年の日本においてわたしたちはイエスの言葉の意味を正しく理解し、適切な表現と方法によって人々にイエスの教えを伝えることができるよう、聖霊の恵みを、豊かな恵みを祈り求めましょう。
堅信の秘跡とはキリスト信者を聖霊降臨の恵みに与らせ、福音をのべ伝える福音宣教者、使徒、とする秘跡であります。
使徒言行録第二章は聖霊降臨の出来事を伝えています。教会はこのとき誕生し、福音宣教の使命を開始しました。
福音宣教は教会の存在理由であり本質的な使命であります。
ちょうど50年前、1962年、カトリック教会はこの教会の使命をよりよく果たすために第二ヴァチカン公会議を開催しました。
それ以前に開催された公会議は、正しい教えを確立し、間違った教えを排斥するために開催されていました。
しかし第二ヴァチカン公会議は、信仰の遺産を、当時の人々にふさわしい形で表現し伝達するため、また慈しみ深い教会の姿を示し、人々が救いの教えをよく受け入れることができるように配慮することを願って開催されたのです。
この趣旨は「アジョルナメント」というイタリヤ語で説明されました。「アジョルナメント」は日本語で言えば「現代化」という意味です。現代化とはキリスト教の教えを人々に、より分かりやすく受け入れやすいように伝えることです。そのために福音を伝える表現、方法、熱意を新たにすることが不可欠です。
日本のカトッリック教会は第二ヴァチカン公会議の趣旨に従い、1987年、ちょうど25年前に、第一回福音宣教推進全国会議を開催しました。
今年の10月11日は第二ヴァチカン公会議が開かれてちょうど50周年目にあたります。
教皇ベネディクト16世はこの日から翌年2013年11月24日までの期間を『信仰年』とする、と宣言しました。教皇様は特にこの期間わたしたちが信仰を深めるように、と望んでおられます。
現代の日本の社会は非常に生きにくい状況にあります。人々は生きる力、生きる希望を見つけにくい状態におかれていると思います。
わたしたちキリスト者の使命とは、聖霊の導きを受けて、復活されたキリストから光を頂き、復活の光を灯しながら、人々のために生きる勇気と希望を示していくことです。
この使命は、聖霊の導き、助けがなければ到底達成できません。使徒パウロは言っています。
「霊の導きに従って歩みなさい。そうすれば、肉の欲望を満足させるようなことはありません。」(ガラテヤ5・16) 神の霊に導かれている人は「愛、喜び、平和、寛容、親切、誠実、柔和、節制」(ガラテヤ5・22) の人です。
復活したイエスは弟子たちの罪を赦し、ついで罪の赦しを伝える使命を授けました。
「霊に従って生きる」とはまず罪の赦しを受けた者となり、日々、喜びと感謝のうちに歩むことであります。「愛、喜び、平和、寛容、親切、誠実、柔和、節制」の実りを周囲の人々にもたらすことができますよう、聖霊の導きと助けを祈りましょう。
どうか、日々聖霊に導かれ、聖霊の助けを受けて歩むことができますように、聖母マリア、わたしたちのためにお祈りください。アーメン。