教区の歴史

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教区合同堅信式説教

2012年05月27日

2012年5月27日 聖霊降臨の主日 東京カテドラル関口教会で

 

 

きょうは2012年の聖霊降臨の主日、ここ東京カテドラル関口教会で180人以上のかたがたが堅信の秘跡をお受けになります。

堅信の秘跡とは洗礼を受けて神の子となったキリスト信者を聖霊降臨の恵みに与らせ、福音を宣べ伝えるために派遣された福音宣教者、使徒、とする恵みを授ける秘跡であります。

使徒言行録第二章は聖霊降臨の出来事を伝えています。教会はこのとき誕生し、福音宣教の使命を開始しました。

福音宣教は教会の存在理由であり本質的な使命であります・

ちょうど50年前、1962年、カトリック教会はこの教会の使命をよりよく果たすために第二ヴァチカン公会議を開催しました。

第二ヴァチカン公会議以前に開催された公会議は、正しい教えを確立し、間違った教えを排斥するために開催されていました。

しかし第二ヴァチカン公会議は、信仰の遺産を、現代人にふさわしい形で表現し伝達するため、また慈しみ深い教会の姿を示し、人々が救いの教えをよく受け入れることができるように配慮することを願って開催されたのです。

この趣旨は「アジョルナメント」というイタリア語で説明されました。「アジョルナメント」は日本語で言えば「現代化」という意味です。現代化とはキリスト教の教えを人々に、より分かりやすく受け入れやすいように伝えること、そのために福音を伝える表現、方法、熱意を新たにする、ということだと思います。

さらに第二ヴァチカン公会議は、カトリック信者の間の一致、分かれた兄弟たちとの一致、他の宗教を信じる人たちとの対話を目指して開催されたのです。

日本のカトリック教会は第二ヴァチカン公会議の趣旨に従い、1987年、ちょうど25年前に、第一回福音宣教推進全国会議を開催しました。

今年の10月11日は第二ヴァチカン公会議が開かれてちょうど50周年目にあたります。

教皇ベネディクト16世はこの日から翌年2013年11月24日までの期間を「信仰年」とすると宣言しました。特にこの期間わたしたちが信仰を深めるようにと望んでおられます。

現代の日本の社会は非常に生きにくい状況にあります。人々は生きる力、生きる希望を見つけにくい状態におれていると思います。

わたしたちキリスト者の使命とは、聖霊の導きを受けて、復活されたキリストから光を頂き、復活の光を灯しながら、人々のために生きる勇気と希望を示していくことです。

この使命は、聖霊の導き、助けがなければ到底達成できません。

使徒パウロは言っています。

「霊の導きに従って歩みなさい。そうすれば、肉の欲望を満足させるようなことはありません。」(ガラテヤ5・16) 

神の霊に導かれている人は「愛、喜び、平和、寛容、親切、誠実、柔和、節制」(ガラテヤ5・22-23) の人です。

ヨハネによる福音20章は、復活したイエスによる聖霊の派遣を伝えています。弟子たち自身がまず罪の赦しを受け、次に、罪の赦しを伝える使命を受けました。「霊に従って生きる」とはまず罪の赦しを受けた者となる、ということです。罪の赦しを受けた者として、日々、喜びと感謝のうちに歩むことができますよう、聖霊の導きと助けを祈りましょう。

どうか日々聖霊に導かれ助けを受けて歩ことができますよう、聖母マリア、わたしたちのためにお祈りください。アーメン。