教区の歴史
聖母祭ミサ説教
2012年05月24日
2012年5月24日 星美学園聖堂にて
第一朗読 ヨハネの黙示12・1、3a,7-12a,17
第二朗読 ガラテア4・4-7
福音朗読 ヨハネ2・1-11
今日は、星美学園の聖母祭を祝ってごミサをささげます。
ただいま読まれた福音は、有名なカナの婚宴の話です。イエスが言われたとおりに、召し使いが水甕に水を満たして宴会の世話役のところへ持っていくと水は極上のぶどう酒に変っていました。イエスの働きにより水がぶどう酒になったのです。
実はミサのときにも同じこと、いや、それ以上のことが起こります。
いまわたしたちはごミサをささげています。司祭はイエスの言われた通りの言葉を唱えますと、ぶどう酒は主イエスの御血となります。
「皆、これを受けて飲みなさい。これは、わたしに血の杯、あなたがたと多くの人のために流されて、罪のゆるしとなる、新しい永遠の契約の血である。これをわたしの記念として行いなさい。」
司祭はイエスの名代でミサをささげ、聖別の言葉を唱えると、パンは御体に、ぶどう酒は御血に変わります。わたしたちの日々の生活と生涯が主イエスを通して、父なる神がよろこんで受け入れてくださる薫り高い、良いささげものとなるよう、聖母に祈りましょう。
今日の福音では、またマリア様が主イエスに「ぶどう酒が足りなくなりました」とおっしゃって、イエスの助けを願いました。しかしイエスは「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません」と冷たく断りました。それでもマリア様は召し使いに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」といいます。結局イエスは母の願いを聞き遂げました。
カトリック信者はマリア様に祈り、マリア様の取次ぎを願います。そうしなくともわたしたちの祈りは天の父に届くはずです。主イエスは、「わたしの名によって願えばどんな願いもかなえられる」といわれました。
しかし、カナの婚宴のマリア様の役割を見ますと、《マリアを通してイエスへ》、という道筋が見えてきます。主イエスは母であるマリア様の願いを聞き入れてくださるのです。
昔から5月は聖母マリアの月と言われています。今日は星美学園の保護者、扶助者聖マリアの取次ぎを願ってご一緒に祈りましょう。
いま東日本大震災のために苦しみ、悲しみ、不安の中にいる日本列島の住民であるわたしたちの願いをかなえてください。わたしたちが主なる神様の愛をもっと深く信じることができますように。わたしたちが知恵と勇気を持ってこの困難に打ち勝つことができますように。わたしたちはより大きな希望を持って周りの人々を励ますことができますように。
聖母マリア、この祈りをどうか主イエスへ取り次いでください。アーメン。