教区の歴史
喜多見教会堅信式説教(主の昇天)
2012年05月20日
2012年5月20日 喜多見教会にて
第一朗読 使徒言行録1・1-11
第二朗読 エフェソ4・1-13
福音朗読 マルコ16・15-20
今日は主の昇天の日です。主イエスは復活されて40日間にわたり弟子たちにお現れになりました。
40日目に、弟子たちの見ているうちに天に上げられましたが、その時弟子たちに言われました。
「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」(マルコ16・15)
イエスの宣教の命令です。
今日のアレルヤ唱は、
「全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる」
でした。
マタイの福音を見ると次のようになっています。
「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28・18-20)
「いつもあなたがたと共にいる」と言われたイエスは昇天の日から10日目に弟子たちに聖霊を送りました。これが聖霊降臨という出来事です。
来週の日曜日が聖霊降臨の日にあたります。この日にわたしたちの教会が誕生しました。使徒言行録は使徒たちの勇敢な働きを伝えています。教会は聖霊に導かれ励まされて発展しました。聖霊はいつも人たちと共にいました。
使徒たちの間に意見の対立が起こると使徒たちは集まって共に祈り、話し合って聖霊の導きを受け、困難を克服しました。割礼論争をしたエルサレムの使徒会議がその良い例です。
2000年の間教会は解決すべき重大な問題が起こると公会議を開催し、聖霊の導きを受けてきました。
今からちょうど50年前、教皇ヨハネス23世は、第二ヴァチカン公会議を召集しました。開催の目的は、「キリスト教の教えを現代人にふさわしい形で表現し、慈しみ深い教会の姿を示し、人々が救いの教えをよく受け入れることができるように配慮する」ということでした。
この趣旨は「アジョルナメント」というイタリア語で説明されました。「アジョルナメント」は日本語で言えば「現代化」という意味です。現代化とはキリスト教の教えを人々に、より分かりやすく受け入れやすいように伝えること、そのために福音を伝える表現、方法、熱意を新たにする、ということだと思います。
日本のカトリック教会は第二ヴァチカン公会議に倣い、1987年、ちょうど25年前に、第一回福音宣教推進全国会議を開催しました。
今年の10月11日は第二ヴァチカン公会議が開かれてちょうど50周年目にあたります。教皇ベネディクト16世はこの日から翌年2013年11月24日までの期間を「信仰年」とする、と宣言しました。特にこの期間わたしたちが信仰を深めるようにと望んでおられます。
現代の日本の社会は非常に生きにくい状況にあります。人々は生きる力、生きる希望を見つけにくい状態におれていると思います。わたしたちキリスト者の使命は、復活されたキリストから光を頂き、復活の光を灯し、人々に生きるための勇気と希望を示していくことです。
わたしたちは、そのように生きるよう招かれています。今日の第二朗読で使徒パウロは言っています。
「神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。」(エフェソ4・1-3)
今日これから堅信を受けられる皆さん、聖霊の恵みを豊かに受けて、人々に生きるための力と希望を表し伝えるように努めてください。
聖霊の助けと導きが皆さんに豊かに注がれますように。アーメン。