教区の歴史

教区の歴史

2012年ケルンデーの説教

2012年01月22日

2012年1月22日 年間第3主日 東京カテドラル関口教会にて

 

第一朗読 ヨナ3・1-5,10

第二朗読 一コリント7・29-31

福音朗読 マルコ1・14-20

 

「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と主イエスは言われました。

「福音を信じなさい。」わたしたちは、自分の信仰を深めていただけますよう、今日もご一緒にお祈りしたいと思います。

主イエスの福音は「神の国」の福音と言われております。「神の国」とは神の支配の到来であります。神さまの御心が行われることが神の支配であります。マルコの福音を読みますと、主イエスは数々の癒しを行い、また悪霊の追放を行なった、と述べられております。そして受難、十字架の死、そして復活により神の国が決定的に来たことをわたしたちに示してくださいました。

わたしたち東京教区の使命は、「現代の荒れ野」と言ってもよい東京とその周辺の地域におきまして、「神の国は来ていますよ。たしかに神さまはいらっしゃいますよ。」ということを指し示していくことではないかと思います。

わたくしは「教会は荒れ野のオアシスでありたい、そうなりたい」と思い、いつも考えてまいりました。そのために、わたしたち信者の共同体はもっと温かい絆で結ばれていなければならないと思います。わたしたちを見て、「わたしたちもぜひその仲間に加えてもらいたい」と思っていただけるような、そういう共同体になりたい。いや、すでになっておりますが、もっともっとそのような共同体になりたいと切に願っております。

2011年は本当に大変な年でした。昨年一年を「絆」という漢字で表すと報道されました。「絆」の大切さをしみじみと思わされる年でした。それは、わたしたちキリスト信者にとっても同じことです。

ただし、わたしたちはイエス・キリストを主と信じているのであります。信仰の絆を大切にし、信仰の絆を深めたいと思います。

2012年の主日の福音はB年ですのでマルコ福音書が読まれます。福音記者マルコが伝えている主イエス・キリストのことば、生き方をもっともっとよく見て、そして倣うようにいたしましょう。

わたしたちの教皇様ベネディクト16世は、「信仰年」ということを決めました。その動機は、第二バチカン公会議開始から50周年ということです。50年前の10月11日に第二バチカン公会議が開かれたわけです。1962年10月11日。

そこでその日から約一年間を「信仰の年」と定めて、信仰を深めるために特別にお祈りをし、信仰の理解を深め、そして愛の掟をよく実行するようにと勧めておられます。

第二バチカン公会議の教えを学び直す時でもありまして、第二バチカン公会議の教えを新しくまとめた本が『カトリック教会のカテキズム』です。そして日本の司教たちが編纂した『カトリック教会の教え』という本があります。これは『カトリック教会のカテキズム』の中で言われておりますが、それぞれの国でその国の文化・歴史・事情に応じてその地域でわかりやすい教えの本を作りなさいという勧めに従って作られたものです。

出来ましたらこれらの本を学びながら信仰を深めていただけますようお願いいたします。

生きていることが難しいと考える人が少なくない現代におきまして、お互いに支え合い、助け合い、そして足元を照らし合いながら、ご一緒に歩んでまいりましょう。

どうぞよろしくお願いいたします。