教区の歴史

教区の歴史

五井教会ミサ説教(神の母聖マリア)

2012年01月01日

2012年1月1日 五井教会にて

 

第一朗読 民数記6・22-27

第二朗読 ガラテヤ4・4-7

福音朗読 ルカ2・16-21

 

皆さん、新年おめでとうございます。

今日は「神の母聖マリア」の祭日です。

「マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。」(ルカ2・19)

今日のルカによる福音はこのように告げています。マリア様は何を思いめぐらせていたのでしょうか?

今日はカトリック教会では『世界平和の日』でもあります。そこで本日わたしたちはマリア様に倣い、平和についてともに考えてみたいと思います。

 

教皇ベネディクト16世は全世界の人々に向けて『若者に対する正義と平和の教育』というメッセージを発表しています。

平和は誰もが学ぶべき非常に大切なことであり、誰もが教えるべき大切なことであり、誰もが築いていくべき大切なことであります。

教皇様のメッセージ『若者に対する正義と平和の教育』を読んで、わたくしが特に大切である、と感じた二つのことをお話したいと思います。

 

第一の点は、子どもたちに「正義と平和」を教育することが必要であり大切であるということです。そして、「正義と平和」を教える最初の学校は家庭であるということです。

子どもは家庭で、連帯すること、規則を守ること、人をゆるすこと、他者を受け入れることなど「正義と平和」のために大切な基本的生き方を家庭で学びます。親はこのような生き方を子どもに伝えなえればなりません。

そうできるためには、両親が子どもと一緒にいて人生の体験を子どもたちと分かち合うことが必要です。しかし現在の社会では、両親が子どもと一緒に過ごす時間は極めて少なく、また難しくなっています。これは大変嘆かわしい現象です。家庭を大切にするという価値観が多くの人の心に共有されなければなりません。

 

第二の点は、自分自身を教育することが必要であり大切であるということです。子どもに平和教育を行えるためにはわたしたち自身が平和の使徒とならなければなりません。

平和は単に与えられる賜物であるだけでなく、わたしたちが努力して築くべきものです。平和を築くためには自分自身が真の平和の使徒となるよう、自分自身を教育しなければなりません。たとえば、共感、連帯、協力、兄弟愛について自分自身を教育しなければならないのです。また、国内の問題だけでなく国際問題、富の再分配、貧困との戦い、生活の改善の促進、紛争解決のために適切な方法を探究することが重要です。

平和は正義と切り離せません。誰でも自分の能力と責任に応じて正義を推進するという任務を持っています。

 

子どもたちに平和の教育を行うことと、そのために自分自身についての「正義と平和」についての教育が必要である、ということです。わたしたちは正義と平和について学びながら日々努力を重ねていかなければなりません。

神の母聖マリアの取り次ぎを願いながら、わたしたちが真の平和の使徒となることができるよう祈りましょう。

アーメン。