教区の歴史
Te Deum 聖職者の集い 昼の祈りと聖体賛美式における挨拶
2011年12月26日
2011年12月26日 東京カテドラル関口教会にて
本日2011年のTe Deumの集い(年末の聖職者の集い)の日を迎えました。本年賜りました数々の恵みに対しまして主なる神に感謝をおささげましょう。
また、本年も皆さんには大変お世話になりました。この席をお借りして厚く御礼申し上げます。
2011年は大変な年でした。東日本大震災の年です。なくなられた方々の永久の安息を祈り、被災された方々を神様が支え照らし励ましてくださるよう祈ります。
2012年は第2ヴァチカン公会議が始まってちょうど50周年に当たる年です。教皇ベネディクト16世は『信仰年』を宣言しました。信仰年は第二ヴァチカン公会議が開幕した(2012年)10月11日に始まり2013年11月24日の「王であるキリスト」の祭日に終わります。わたくしはこの機会に、次のような目標を立てました。
1. 信仰を深め、信仰をあかししよう。
現代は信仰が深刻な危機に瀕している時代です。超越的な存在、永遠の世界、神の愛ということに無関心な人が増えています。わたしたちはこの世俗化した社会の中で信仰を実行し神の愛を伝えていかなければなりません。
そのためには具体的な実践目標が必要です。まず毎日の祈り・ミサ・聖書、霊的読書の実践、家族・友人とのつながりを深めること、また社会の隅で病み疲れている人、孤独な人の友となるなど具体的な努力目標を設定したいと考えております。
2.『カトリック教会のカテキズム』を学ぼう。
2012年は『カトリック教会のカテキズム』発行20周年の年です。『カトリック教会のカテキズム』は、第二ヴァチカン公会議の教え、最近の教皇の教えなどに基づいて新たに編纂された最も権威ある、要理指導書です。
日本の司教協議会はさらに『カトリック教会のカテキズム』の指導にしたがって、今の日本の事情に即した教えとして『カトリック教会の教え』を編纂し発行しました。どちらも第二ヴァチカン公会議の教えが基準になっています。
この機会に体系的に公会議の教えを復習することが推奨されます。そして、現代の荒れ野において苦しんでいる人々の心に、どのように『教え』を表し伝えたらいいのか、ということにわたしたちの努力と注意を集中したいと考えます。
3.勇気を出して多くの人の友となる。
現代社会は血縁・地縁・社縁の薄れた、あるいは壊れた『無縁社会』であるとも言われます。今年もこの問題に取り組む年にしたいものです。
12,763人。これは2010年の東京教区の居所不明者の数です。少なくともこれだけ多くの人が小教区と連絡が取れていません。種々の事情があることでしょうが、教会の中にも『無縁社会』があるとしたら悲しいことです。
わたしたちの教会が本当に温かい交わり、いのちの支え励ましとなるよう努めたいと存じます。
昨日主の降誕を祝ったわたしたちがいつも父と子と聖霊の交わりに与り、その喜びに生きることができますよう、祈りましょう。
なお本日は、今日は新しい教皇庁大使、ジョセフ・チェノット大司教様が初めてこの集いに来てくださっています。後ほどご挨拶をいただきます。使徒座・教皇庁と東京教区のよりよいコミュニケーションのためにご指導ご支援をよろしくお願いいたします。