教区の歴史

教区の歴史

潮見教会説教(年間第21主日)

2011年08月21日

2011年8月21日 年間第21主日 潮見教会にて

 

第一朗読 イザヤの預言(イザヤ22・19-23)

第二朗読 使徒パウロのローマの教会への手紙(ローマ11・33-36)

福音朗読 マタイによる福音(マタイ16・13-20)

 

潮見教会の皆さん、おはようございます。

皆さんの主任司祭小林祥二神父様が入院しておられますので今日はわたしがミサをささげるために参りました。ごミサのなかで神父様の回復のためにお祈りいたしましょう。

「あなたはメシア、生ける神の子です」と信仰告白したペトロにイエスは言われました。

「あなたはペトロ、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府(よみ)の力もこれに対抗できない。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」(マタイ16・18-19)

この箇所は、ペトロが使徒たちのかしらであること、ペトロには教会を誤りなく、正しく導く権能が与えられたことを示しているとわたしたちカトリック教会は理解しています。ペトロは最初のローマの司教であり、ローマ教皇はペトロの後継者です。したがって、ペトロに与えられた権能と同じ権能がローマ教皇に与えられています。 

ペトロと使徒たちは、ペトロを中心として使徒の団体を形成していました。使徒の後継者が司教です。

潮見教会の隣に日本カトリック会館という建物があります。そのなかに、日本カトリック司教協議会の事務局であるカトリック中央協議会があります。そこで今日は司教協議会と中央協議会の役割についてお話します。

 

カトリック教会には全世界において約3000の教区が存在します。教区の責任者は教区司教と呼ばれます。日本には16教区があります。

日本という共通の領域、文化、伝統を持ち、共通の憲法等の市民法のもとにおかれている日本の司教たちは共通の課題と問題をもっています。そこで兄弟の司教として司教協議会を結成し、共通の課題に取り組み共通の問題を解決するために協議し協力しています。この司教協議会の団体をカトリック司教協議会、あるいは、カトリック司教団と呼んでいます。司教たちを助ける事務局がカトリック中央協議会で、司祭を含む職員が奉仕しています。職員の統率者は中央協議会事務局長です。中央協議会も宗教法人で、司教協議会会長が代表役員となっています。

司教たちが力を合わせて取り組むべき課題は種々ありますが一言でまとめれば日本における福音宣教(福音化)ということです。そのために司教たちは多くの時間をかけて討議し、司教団の文書を作成して発表します。

日本カトリック司教協議会の名前で出されるメッセージ、文書、教書、書簡などはすべて全司教によって審議され合意がなされなければなりません。日本の司教は平和の問題に深い関心をもち重大な責任を感じています。最近出された全司教によるメッセージには『平和への決意―戦後50周年にあたって』(1995年)、『命へのまなざし-二十一世紀への司教団メッセージ』(2001年)「戦後60周年平和メッセージ『非暴力による平和への道』―いまこそ預言者としての役割をー」などがあります。

また司教協議会の扱う重要な課題は典礼に関することです。わたしたちはローマの使徒座の指導の下で、ローマ・カトリック典礼の規則に則って典礼祭儀を執行しています。教皇庁の典礼秘跡省と連絡を取りながら日本におけるカトリック教会の典礼の在り方を検討し研究し、司教たちに報告・提案するのは司教協議会の「典礼委員会」の任務です。

なお社会の種々の問題について論議し発言することを任務とする司教の委員会「社会司教委員会」があり、現在、長崎教区の髙見三明大司教が委員長です。

また司教団は「カリタス・ジャパン」を通して国内外の人道支援等を行っております。また人権と平和のために活動を展開している「正義と平和協議会」などがあります。

司教協議会は教区の上部団体ではありません。司教協議会が教区司教に強制する決議をすることはできません。ただし各司教は自分が同意した事項を誠実に実行する責任をもっています。

皆さんと関係の深い中央協議会の任務について皆さんのご理解をお願いする次第です。