教区の歴史
クリスマスと新年のメッセージ ―新しい年への希望 2011年を迎える―
2010年12月25日
主のご降誕の祝いを申し上げるとともに、新しい年2011年を迎える皆さんの上に主の豊かな祝福がありますよう祈ります。
2010年はまことに感慨深い年でありました。
長年の懸案であった新しい司祭の家である『ペトロの家』が完成いたしました。皆様のお祈りと献金に感謝いたします。
白柳誠一枢機卿様は新しい司祭の家の竣工をみることなく2010年を迎える直前(12月30日)に帰天されました。図らずも2010年は白柳枢機卿様の生涯を偲ぶ年となりました。
教皇ベネディクト16世は2010年の主のご降誕の準備のときである待降節を迎えるに当たり、全世界の信者に向かって、すべての人のいのちの尊さに深く思を寄せるようにと招き、すべてのいのちを守りいのちを大切にするよう呼びかけられ、そのために祈るよう、強く望まれました。
日本カトリック司教団は2001年に二十一世紀へ向けての司教団メッセージ『いのちへのまなざし』を発表しました。ちょうど今年で10周年を迎えます。教皇様の呼びかけに応えるためにも是非『いのちへのまなざし』で学習するよう、お勧めます。この本をテキストにして勉強会、講演会などして頂けますと幸いです。またあわせて、発行されたばかりの小冊子、カリタスジャパン啓発部会発行の『自死の現実を見つめて―教会が生きる支えとなるために―』も是非お読みになり、この問題についてわたしたちに何ができるか、話し合って頂きたいと思います。
東京教区は「心の問題」を優先課題の一つに掲げています。
多くの人が心の問題に苦しみ悩んでおります。教会としてこのような日本社会の現状によい便り、福音をどのように届け、福音のあかしをどのように現わし伝えることができるでしょうか? ストレスの多い時代と環境のなかで、神の赦しの愛をどのように説き伝えることができるでしょうか?
神はすべての存在をいとおしまれ愛しています。旧約聖書の知恵の書は言います。
「あなたは存在するものすべてを愛し、
お造りになったものを何一つ嫌われない。
憎んでおられるなら、造られなかったはずだ。
あなたがお望みにならないのに存続し、
あなたが呼び出されないのに存在するものが
果たしてあるだろうか。
命を愛される主よ、すべてはあなたのもの、
あなたはすべてをいとおしまれる。」(知恵の書11・24-26)
2011年、このみことばを深く心に刻みながら希望をもって歩んでまいりたいと存じます。