教区の歴史
雙葉学園創立100周年記念ミサ説教
2009年06月01日
2009年6月1日 東京国際フォーラムにて
聖書朗読 ヨハネの手紙一 4章7節-12節
福音朗読 マタイによる福音 19章13節-15節
使徒ヨハネは繰り返し「神は愛である」と言っています。教皇ベネディクト16世の最初の回勅は『神は愛』という題名でした。
キリシタンの時代、「愛」という言葉は否定的な響きがあったらしく、「ご大切」という言葉が採用されたと聞きました。人を愛するとは人を大切にすることです。人を大切にするということは教えることであり学ぶことであります。生涯の教育を とおして行われなければなりません。
人を大切にすることには色々なことが含まれますが、どんな時代、どんな社会においても、まず家庭において始められ、幼児、児童、生徒、学生が学校で受ける教育、そしてその後の生涯における研修、修養などをとおして行われます。
この生涯にわたる教育の中で、一人ひとりがその人として大切にされることを学びます。そして学びながら、他の人を、一人ひとり大切にすることを学ばなければなりません。 いつの時代もそうですが、特に今の時代、生きることには困難が伴います。多くの人が、生きる意味が分からない、あるいは自分自身の価値を認めることが出来ない、と苦しみ悩んでいます。
しかしわたしたちは、たとえ困難な状況にあっても、自分はかけがえのない存在であるという自覚を深め、同時に、だから他の人もかけがえのない人である、ということを学び、その人のために尽くしたいと願っています。そのために、わたしたちは心の準備をしなければなりません。そして、人を大切にするとはどういうことか、具体的に学んでいかなければなりません。そのための知識、技術、方法なども必要です。そのための学びを助け導くのが教育です。
今日は雙葉学園創立100周年のお祝いの日です。今日までのシスター方、教職員の皆様、支援・協力くださった方々に心から感謝とお祝いを申し上げます。そしてこれかからの学園の歩みの上に主なる神様に豊かな祝福をお祈りいたします。
そして、現代の荒れ野において、わたしたちが、生きがいを失っている人々、除け者にされている人々、孤独と病気、障害、貧困に苦しむ人々の友となり、人々を助け、支えることのできるよう 、共に祈りたいと思います。