教区の歴史

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日本基督教団千歳船橋教会「北森牧師召天10周年記念会」における挨拶

2008年09月28日

2008年9月28日 日本基督教団 千歳船橋教会で

 

 

皆様、今日はご一緒させていただいて本当にありがとうございます。

カトリックでは今年から来年にかけて「使徒パウロの年」― パウロが生まれて2000年なので、使徒パウロに学ぼう― という年で、今年6月にこちらの教会の朴憲郁(パクホンウク)先生に四谷の麹町教会でパウロの講義をしていただき、お知り合いになりました。今日は北森嘉蔵牧師召天10周年記念会のご案内を受けて、是非お話を聞きたいと参りました。午前中は小田急線(同じ沿線)の町田にあるカトリック教会で話をしてきました。 

北森嘉蔵先生は大変著名な神学者でした。今日は牧者としての先生、家庭人としての先生のお話を伺えて心を打たれました。私は司祭になる勉強をしていたときに「神の痛みの神学」を多少学びました。

カトリックは第二バチカン公会議というのを開いたのですが、その頃上智大学で行なわれたカトリックとプロテスタントの対話集会に北森先生が来られて、私は一人の参加者としてお話を伺いました。その頃(カトリック教会では)「全世界で宣教をしよう」という中、文化の問題があり特に東アジアにおいてイエス・キリストの教えをどのように展開したらよいかということが大きな課題でした。北森先生の「神の痛みの神学」は、神は苦しむはずはないという今までの論法に対して、神は罪人を愛し、赦すときに痛みを伴うという大変魅力のある神理解―父性原理ではなく、母性原理の神を深める―であり、私はそういう面を(東アジアの宣教の中では)強調しなくてはいけないのではないかと思いました。バチカンで開かれた会議に日本の池長大司教が出席して、「神の痛みの神学」そのものの紹介ではないのですが、その精神に従った説を展開しました。大変な反響でした。 

カトリック、プロテスタントの違いを超えた、同じイエス・キリストを伝える日本の教会でありたいと思います。私はエキュメニズム担当の司教で、それで朴先生とも知り合ったのですが、今日の説教、講義、ご子息のお話を伺って、北森先生のことをもっともっと勉強しなくてはいけないと強く思いました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。