教区の歴史
平和旬間メッセージ「2008年の平和旬間を迎えて」*司教協議会会長談話へのリンクあり
2008年08月06日
2008年平和旬間のための談話(司教協議会会長談話)
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2008年の平和旬間を迎えて
1. 1981年の教皇ヨハネ・パウロ2世の訪日と教皇の平和アッピールを受けて日本の司教団は『平和旬間』を設立しました。8月6日より15日の10日間を、特別に平和のために祈り、平和について話し合い、平和について学び、平和のために働く期間としたのです。もちろん平和は何時でも何処でも誰でも心がけなければならないことであり、この10日間に限ったことではありません。しかし、8月15日がアジア・太平洋戦争の終結した日であり、また8月6日は広島に原爆が投下された日、9日は長崎に原爆が投下された日であります。また8月15日は聖母マリアの被昇天の祭日でもあり、さらに月遅れのお盆の日でもあります。このような種々の理由が重なって8月6日よりの10日間が平和旬間に定められたと思います。
2. 平和のためにわたしたちは何をすることができるでしょうか。まずわたしたちは誰でも平和を願う「祈り」をささげることができます。東京教区では「祈りのリレー」を呼びかけております。何処にいても誰でも個人で参加できる平和のための大切な働きです。
教会としてともに祈る祈りはまずミサであります。東京カテドラル聖マリア大聖堂では「平和を願うミサ」が毎年、ささげられますが、ミサはこのミサに限られません。この期間、各地で「平和を願うミサ」がささげられ、多くの方が参加することを切望しています。またともに歩きながら祈り、あるいは平和について話し合う「平和巡礼ウォーク」も平和のためのよい働きになると思います。
3. 『平和旬間』は戦争の惨禍を思い、同じ過ちを繰り返さない決意を新たにするときであります。そのためには人類の歴史から反省すべき点を学ばなければなりません。そして現在世界において平和を脅かしている要因は何であるかを学び、除去するよう努めなければなりません。
本年は世界人権宣言発布60周年にあたるので日本カトリック司教協議会は、「人権の尊重にもとづく平和を―世界人権宣言60周年にあたって―」(仮称)を発表するよう準備中であります、わたくしは、平和の基礎は人権の尊重にあること、そしてそれは一人ひとりが大切にされることに他ならない、と強く訴えたいと思います。
4. 平和旬間は戦争でいのちを奪われた人を偲び、その人々の永久の平安を祈るときであります。戦場で多くの兵士が倒れましたが、戦争によって多くの非戦闘員も犠牲者となりました。わたしたちはみな、戦争の犠牲者の遺族であり子孫であります。そして戦争の遺族は戦いあった双方の国々におられます。戦争によりわたしたちの先祖たちは尊い命を奪われました、同じように、日本と戦った国々あるいは戦争に巻き込まれた国々の人々のいのちも奪われ、その家族に、言い尽くせない悲しみ苦しみを引き起こしたのです。
わたしたちカトリック教会は敵味方を分けずすべて戦争の犠牲にされた方々のためにその永久の安息を祈り、この悲劇を繰り返さないよう決意をあらたにし、平和のために働く力を与えてくださるよう、神に祈りもとめなければなりません。
5. 東京教区は東京都と千葉県から成り立っています。従来主として平和旬間の教区行事はカテドラルなど東京の中央地区に集中して行われてきました。わたくしは東西に長い東京教区の地理的構成と皆さんの便宜を考え、また平和旬間の精紳の普及のためにも、開催地を広げる必要を感じてきました。そこで、できるだけ多くの方が参加しやすいよう、教区の西の地区でも東の地区でも平和旬間行事を開催するようお願いしました。今年度は多摩地区では多摩教会において独自の企画による平和旬間行事が行われ、また安房・上総宣教協力体の木更津教会を中心に千葉地区の平和旬間行事が行われます。
6. 平和旬間はすべての人の参加する平和のための特別な期間です。すべての教会、修道院、家庭、共同体、グループなどでこの機会に平和について学び祈ってください。平和は聖書の大切な教えです。この機会に是非、聖書の教える平和を学んでください。
わたくしは「四つの平和と和解」ということを心がけ学び、皆様にもそのように呼びかけできました。四つの平和とは「神との平和」「隣人との平和」「自然との平和」「自分との平和」です。「自然との平和」のなかに環境問題が含まれます。今年は先進国首脳会議の中心議題でもある環境問題を是非、じっくり学びたいと思います。