教区の歴史
聖心女子学院卒業感謝ミサ
2008年02月16日
2008年2月16日
第1朗読 テモテへの手紙一 2.1-7
福音朗読 マルコ 16.15-20
誰しもが考える大切な問いがあります。
「人は何のために生きるのでしょうか?どこから来てどこへ行くのでしょうか?人生の意味、目的は何でしょうか?」
宗教とはこのような問いに答えるものです。
皆様はカトリックの学校で学ばれ、今日卒業式を迎えました。カトリックではこの問いにどのように答えるでしょうか?
人生の目的、それは幸福ということです。わたしたちは幸福になるために生きているのであり、そのために生を受けたのです。神が存在すること、神は至福そのものであり、ご自分の至福に与らせるために人間を創造なさいました。わたしたちは神の計らいで生を受けたのです。しかも神の呼びかけを理解し、信じ、応えることのできるパートナーとして造られました。そして、神はすべての人が神の存在を知ることを望まれ、そうできるように取り計らわれます。救いとは神の命を受ける、神の幸せに与ることです。
有名な聖人アウグスティヌスは次のように言っています。
「神よ、あなたはわたしたちをあなたに向けてお造りになられました。それゆえ、わたしたちの心はあなたのなかで憩うまで安らぐことができません。」
わたしたち人間は神のもとに辿り着いてはじめて深い平和と幸福を味わうことができるのです。実際、人は人生において幸福を体験し、ああ、このために自分は生まれてきたのだと思うことがあります。また、すばらしい人と出会い、この出会いのために自分は生まれてきたのだと思うこともあるでしょう。さらに神を知れば、その喜びはたとえようもないでしょう。
神はすべての人の救いと幸せを願って独り子イエス・キリストをこの世に派遣され、イエスをとおしてご自身が愛の神であることをお示しになりました。
イエスは言われました。
「永遠の命とは、唯一のまことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知ることです。」(ヨハネ17.3)
教会はこのイエス・キリストによって建てられ、イエス・キリストの使命である神の愛を伝え教えるために存在する神の民であります。
教会には種々の団体があります。聖心女子学院を設立し、担当してきたのは聖心会という女子修道会です。今年は聖心会が日本に来られて、ちょうど100周年にあたります。聖心会は教育という使命をとおして神の愛を皆様に伝えようと努めてこられました。今日ご卒業の123人の皆さんとその保護者の皆様に心からお祝い申し上げると共に、神はすべての人の救いを望まれていることを深く心に刻んでくださるようお願い致します。