教区の歴史
子どものミサ説教
2007年10月14日
2007年10月14日 東京カテドラル聖マリア大聖堂にて
成りますように!
今年も子どものミサにこのように多くの皆さんが参加してくださり、大変うれしく存じます。皆さんを心から歓迎いたします。神父様方とリーダーの皆さん、そして日ごろ子どもたちのお世話をしてくださっている皆さん、皆さんは非常に大切な教会の務めをしておられます。この機会に心から御礼申し上げます。東京カテドラル聖マリア大聖堂で捧げられる子どものミサは、今年で第8回を迎えます。東京カテドラルは聖マリア大聖堂といい、マリア様に捧げられた聖堂です。東京カテドラルは1964年に建てられ献堂されました。長い年月を経て修繕が必要となり、今年になって外装、建物の外側の改修工事を行い、無事に、見事に工事を完了することができました。
そのことも記念してでしょうか、今年のミサのテーマは「おことばどおり、この身に成りますように」(ルカ1・38)です。これはマリア様が天使ガブリエルにお答えになったことばです。マリア様は天使ガブリエルをとおして神様のお告げを受けました。おことばとは神様のことば、神様からのお告げです。マリア様は神様への深い信仰の心でご自分のすべてを神様にお委ねになりました。マリア様は天使のお告げのことばの意味がよくお分かりにはならなかったのですが、「神にできないことは何一つない」という天使のことばを聴き、また主はいつも自分と一緒にいてくださるという信仰に励まされ、「...成りますように」とお答えになりました。
この「成りますように」という言葉ですが、ラテン語でフィアット「FIAT」と言います(昔はラテン語でミサが捧げられました)。このフィアットという言葉ですが、イタリア製の自動車でフィアットという車があることをご存じですか?同じ言葉です。さすがカトリックの国だなあ、と感心しました。念のため調べてみると、それは「トリノ・イタリア自動車製造会社」(Fabbrica Italiana Automobili Torino)というイタリア語から来ています。このイタリア語の4つの言葉の頭文字をとるとFIATとなります。たぶんカトリックの国イタリアですから、マリア様のFIAT(成りますように)に合わせて車の名前を決めたのではないでしょうか。
マリア様の生涯は喜びと苦しみと悲しみで織り成されています。わたしたちはロザリオの祈りでマリア様の生涯を偲び信仰を深めます。ロザリオとはバラの冠という意味です。聖母マリアへの祈り一つ一つをバラの冠になぞらえています。10月はロザリオの月です。ロザリオの祈りでわたしたちは聖母の生涯を偲びながら、4つの神秘を黙想します。4つの神秘とは、「喜びの神秘」「光の神秘」「苦しみの神秘」「栄えの神秘」です。前の教皇ヨハネ・パウロ二世が「光の神秘」を付け加えられました。光の神秘は木曜日に唱えます。わたしたちもマリア様にならって、神様のことばをしっかりと聴き、おことばに従って歩むことができますようにマリア様の取次ぎによって祈りましょう。