教区の歴史

教区の歴史

今年の「平和旬間」について

2004年06月28日

カトリック東京教区の皆様へ

 

今年の「平和旬間」が近づいてまいりました。

かねてからわたくしは、東京教区の「平和旬間」のあり方を検討するよう、関係者に要望しておりました。千鳥が淵における平和祈願祭だけでなく、全教区民を対象とする何らかの新たな企画をしてほしいという願いからです。

結果的には、お知らせいたしますように、カテドラルと千鳥が淵の2箇所で「平和祈願ミサ」がささげられることになりました。そのことで戸惑いが生じる可能性もあると考え、その経緯を説明し、ご理解をお願いする次第です。

本年3月、本部司祭会議では「平和旬間」のあり方を議題に取り上げ話し合いを行いました。その結果を受けて、わたくしは次のように決定し、担当司祭である社会福音部部長小宇佐敬二神父に伝えました(3月25日付けメモ)。その要旨は以下の通りです。

 

  1. 今年2004年より、大司教司式の平和祈願ミサはカテドラルで行う。今年の日時は8月14日夕(時間は後日通知)である。準備担当者小宇佐敬二社会福音部長を軸に早急に決定する。
  2. 千鳥が淵での平和祈願ミサは予定通り8月7日に行う。司式は小宇佐敬二社会福音部長である。準備・実施など行事にかかわることは従来の平和祈願祭実行委員会が担当する。
  3. 同実行委員会は今年の行事を持って解散する。その旨を小宇佐敬二社会福音部長より同実行委員会へ通知する。
  4. 千鳥が淵戦没者墓地での来年以降平和祈願は、教区主催では行わない。他の団体・グループないし有志の主催で引き継がれることを歓迎する。
  5. このことは「靖国問題」よりの撤退を意味しない。千鳥が淵戦没者墓地での祈願祭の起源となった「靖国神社問題」は日本カトリック司教協議会であらためて取り上げ論議を深めるよう、岡田大司教より司教団に提案する。
  6. 適当なときに「信教の自由と靖国神社」について岡田大司教の見解をまとめて公開するよう準備したい。
  7. 東京教区としての平和旬間の在り方は今後なお論議を重ねたい。広く教区の誰もが何らかの形で参加できるような在り方が望ましいと考える。

 

さらに4月の終わりに、「千鳥が淵平和祈願祭委員会」からの要望に対して以下の書簡を送っております。

 

「千鳥が淵平和祈願祭委員会」
委員長 大越 康徳様
事務局 藤井 毅弘様

 

主の復活の恵みと光が世界に広く行き渡りますように!

4月18日のお手紙拝受いたしました。

6月20日午後2時より調布教会にて多摩東宣教協力体のミサをささげる約束をしております。まったく同じ時間ですので出席できません。どうかご理解ください。

平和祈願祭の委員の皆様には長い年月、この行事のために奉仕くださりお礼の申し上げようもございません。

この度、平和旬間の教区行事の平和祈願ミサがカテドラルでささげられることとなり、それに伴って、教区行事としての千鳥が淵での平和祈願ミサは本年を持って終了となりました。

長い年月多くの方々に参加していただいた大切な行事であり非常に残念なことだと思います。宣教協力体あるいは聖堂共同体主催で行事を継続するよう小宇佐神父様を通してお伝えしましたが、それは無理であるとの回答をいただいております。

わたくしは千鳥が淵でカトリック信者が戦没者のために祈り平和を祈願することは意義のあること、大切なことだと思います。有志の方で、何かの形で継続していただけないかと願っています。

東京教区の平和旬間の在り方を再検討するように岩崎 尚神父様を介して皆様に相談しました、この委員会は祈願祭のことだけを委嘱されているのであるから、平和旬間全体のことは他の人たちに頼んで欲しいとの回答でした。このたびカテドラルで平和祈願ミサが行われますが、同じ教区行事の二つの祈願祭の関係が分かりにくいとの声が多く、カテドラルに一本化することにしました。

なお千鳥が淵での平和祈願祭は靖国神社参拝反対を意識しての提案であったと思います。靖国問題はまだ解決して降りません。引き続きこの問題に注目する必要があろうと思います。

 (中略)

今回はお目にかかれませんが、機会をつくっていただけましたら、以上の事情を説明いたします。

本当に長い間有難うございました。

皆様の上に主の豊かな祝福を祈ります。

 

2004年4月30日

 

東京大司教 ペトロ 岡田武夫

 

このような経緯で本年は過渡的・暫定的に2回、「平和祈願祭」を行うことになりました。カテドラルでの「平和を祈るミサ」はわたくしが司式いたします。皆様には分かりにくいことではないかと思いますが、ご了承ください。

なお、「信教の自由と靖国神社」の問題には引き続き取り組んでいく所存です。本年、10月9日から11日、東京カテドラルを中心に「正義と平和」全国集会・東京大会が開催されます。この大会の分科会のひとつで「靖国参拝」の問題を取り上げていく予定です。皆様の参加を歓迎いたします。 

一人ひとりの心に聖霊が豊かに注がれ、主の平和が世界中に行き渡りますよう、聖母の取次ぎを祈りながら。

2004年6月28日