教区の歴史
「ニケア・コンスタンチノープル信条」と「使徒信条」の改訂口語訳について
2004年04月27日
東京教区で働く司祭ならびに信徒・修道者の皆様
「ニケア・コンスタンチノープル信条」と「使徒信条」の改訂口語訳について
「ニケア・コンスタンチノープル信条」と「使徒信条」の口語訳カードが中央協議会から送られてきましたので、各教会にお分けすることになりました。この口語訳信条確定の経緯は以下の通りです(中央協議会からの説明文を引用します)。
現在、日本カトリック典礼委員会のもとで進められている『ミサ典礼書』の改訂作業において、これまで文語で唱えられてきた「ニケア・コンスタンチノープル信条」の口語訳の必要性が検討され、それを受けて昨年6月の定例司教総会で発足した「ニケア・コンスタンチノープル信条」口語訳特別委員会から、2003年度臨時司教総会(2004年2月開催)に同信条口語訳が提出されました。総会での検討の結果、「ニケア・コンスタンチノープル信条」および「使徒信条」の口語文が確定いたしましたので、ご報告とともに確定口語訳をお送りいたします。
典礼の場で「ニケア・コンスタンチノープル信条」または「使徒信条」を唱える場合には、今後、改訂口語文を使用することになります。また、個人的な使用に際しては、従来のものも使用することができますが、徐々に改訂口語文に移行するよう指導するということが司教総会の場で申し合わされましたので、その旨、教区内にご伝達いただけますと幸いです。
(2004年2月20日付、中央協議会より各教区事務局宛の文書より)
司教団の決議内容は上記のとおりですので、現在ミサの中でもっと短い「洗礼式のときの信仰宣言」を使用している場合に、それをやめて今回の新しい信条を使わなければならない、というわけではありません。
この短い信仰宣言は、日本では成人洗礼の信者が多く、洗礼のときの信仰宣言を思い起こす意味があるという理由で、バチカンから特別に許可されてきたものですが、内容が不十分ではないかという指摘や、諸外国から来た人々にとっては短すぎて違和感があるとの指摘がなされていました。
そこで、2月の臨時司教総会で(限られた範囲での)試用が認められたミサ典礼書改訂案の式次第の中では、ミサ中の信仰宣言として「ニケア・コンスタンチノープル信条」または「使徒信条」だけを用いるようにするということになりました。もちろん現時点では「洗礼式のときの信仰宣言」を引き続き使用することができますが、将来的には使わないという方向性にあると言えるでしょう。
このような事情をご理解いただいた上で、今回お送りした信条の新しい口語文については、ロザリオの祈りなどだけでなく、ミサの中での使用に関しても前向きに検討していただければ幸いです。
なお、カードの部数が足りない場合は教区本部事務局(古川)までお申し出ください。
2004年4月27日
補足説明)
ミサ典礼書ラテン語規範版では、通常は「ニケア・コンスタンチノープル信条」を用い、四旬節・復活節には「使徒信条」を用いることができることになっています。
「ニケア・コンスタンチノープル信条」は神学的に豊かなものがあり、キリスト教の多くの教派に共通の信条としてエキュメニカルにも重要な意味がありますので、第一に考えられています。一方、「使徒信条」は洗礼志願式の信条の授与で用いられ、また、洗礼式の信仰宣言もほとんどこれに基づいているので、洗礼の記念の意味を込めて四旬節・復活節における使用が認められているということになります(「使徒信条」と「洗礼式のときの信仰宣言」を比べてみると、イエス・キリストに関する告白内容が「使徒信条」のほうが豊かになっていますが、それ以外の部分は共通しています)。
日本のミサ典礼書改定案では、「ニケア・コンスタンチノープル信条」と「使徒信条」の両方をいつでも使えるようにしていますが、それは洗礼のときの信仰宣言との結びつきを大切にしたいという考えからです。