教区の歴史

教区の歴史

聖霊降臨の主日、堅信式

2001年06月03日

2001年6月3日 聖霊降臨の主日

 

主イエスが復活されてからちょうど50日目のこと、聖母マリアを中心に集まってひたすら祈っていた弟子たちの上に聖霊が降りました。この出来事が本日記念する聖霊降臨です。聖霊降臨によって教会は公式に誕生しました。この日を期して教会はその使命である福音宣教を開始したのです。

これから行われる堅信式は、洗礼を受けて神の子となったキリスト者を聖霊降臨の恵みにあずからせてキリストの使徒とするための聖霊の賜物を授ける秘跡であります。

この秘跡はミサのなかで授けられますが、その中心となる秘跡の本質的部分は、これより行われる按手と塗油です。

司教は受堅者全員の上に手を差し伸べて聖霊の注ぎを祈ります。ついで司教と司祭はひとり一人を按手して、「父の賜物である聖霊のしるしを受けなさい」といって額に聖香油をぬります。この祈りと塗油によって秘跡が授けられるのです。

それでは堅信によって与えられる聖霊の賜物は何であるかといえば、それは司教の按手の祈りによって示されています。

司教は祈ります。

「知恵と理解、判断と勇気、神を知る恵み、神を愛し敬う心をお与えください」。

今日皆さんはこの恵みを受けられるのです。

皆さんがこの恵みを受けるのは、皆さん自身のためというより、教会共同体のためであり、教会としてイエス・キリストの使命に参与するためなのです。教会の一員として教会の使命に、積極的に参加するためなのです。

わたくしは東京教区の責任者としてきょう堅信を受けられる皆さんに特に申し上げたいことがあります。

皆さん、いまあなたがたは堅信の秘跡を受け、喜んで教会に奉仕し、積極的に使徒としての宣教活動に取り組もうと決意しておられます。わたくしは、その決意を神が守り導いてくださるよう切にいのります。

これからの信者としての生活と活動の中で、皆さんがつまずいたり傷ついたりすることがあるかもしれません。いや、それは避けられないことです。教会は罪人であり欠点のある人間の集まりなのです。わたしたちはみな欠点もあるし罪も犯す弱い人間です。

皆さん、兄弟姉妹のなかに過ちを見つけてもつまずかないでください。また自分の中に足りない点を自覚しても、どうか自分自身に失望しないでください。神は罪人のわたしたち、欠点のあるわたしたちを愛してくださいます。

イエスは言われました。「わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい」。

わたしたちが互いに愛し合うならば人々はそこに神の愛が宿っていることをみとめるでしょう。

ヨハネは言いました。「目に目える兄弟を愛さない人がどうして目に見えない神を愛することができるのでしょうか」。

兄弟として受け入れ合いゆるしあいながら兄弟の中にある神の働きをみとめ、神を感謝し賛美しましょう。

皆さんにお願いします。皆さんの教会を愛してください。足りないところのあるこの共同体を愛し、もっとよくするために皆さんの力を貸してください。

皆さん、わたしたち東京教区はいま非常に多くの課題をもっています。皆さんの力が必要です。

今わたしたちに必要なのは、自分たちの問題をよくわきまえる判断の恵み、問題の克服に立ち向かう勇気の恵みです。その上、何より、お互いにゆるしあうことを大切にしながら、力を合わせて課題に取り組んでいく、兄弟姉妹としての協力と連帯です。

堅信の秘跡はまさにいまわたしたちが必要としている、教会改革のための恵みを授けてくださいます。

すでに堅信の秘跡をうけた者はなおさら、堅信のとき授かった恵みを今一度奮い立たせてくださるよう、切に祈ろうではありませんか。