教区の歴史

教区の歴史

バチカン図書館・文書館管理責任者 Raffaele Farina (ラファエレ・ファリーナ)枢機卿のあいさつ

2011年08月14日

2011年8月14日 東京カテドラル関口教会にて

 

岡田大司教様、
司祭職における兄弟である司祭の皆様、
主においての兄弟姉妹の皆様、

 

今日はここで年間第20主日のミサを司式することは私にとって喜びであり、名誉です。このカテドラルの典礼に参加するのは初めてではありません。心から尊敬している故白柳枢機卿との友情のうちに、何年も前から東京教区とこのカテドラルにつながりを感じています。この理由もあって、喜んでミサを司式することを承諾しました。岡田大司教に感謝しております。

 

教皇庁の枢機卿がローマを離れるとき、いつでも、どこにいても連絡がとれるように必ず国務長官と枢機卿団の団長に連絡先を伝えなければなりません。

国務長官であるベルトーネ枢機卿は私が東京に行くことを伝えた時、ぜひ岡田大司教と東京教区の信徒の皆様、特に今日カテドラルで集まった皆様にごあいさつを申し上げるようにと言ってくれました。

聖パウロの手紙にもあるように、初代教会であいさつはたんなる社交辞令ではなく、心からの愛のしるし、祈りにおける一致のしるし、困難なときの連帯と助け合いのしるしでした。

この度日本を襲った恐ろしい出来事(地震、津波、福島の原発事故)にあって、ローマの教会より、特に私の属している枢機卿団からのあいさつも同じです。

 

日本人が多くの死者と膨大な破壊の大惨事を、勇気と平静と現実性をもって対処し、一致と連帯、苦しみの共感と物資や資金の分かち合いを示したことにカトリック教会と全世界が称賛しました。

全世界は日本と日本人の技術的、科学的能力においた信頼を再確認しています。

最先端技術と科学的研究をもって、また政治家の誠実な意志によって、死と破壊の道具を生命のエネルギーや世界平和と連帯に変換する倫理的選択を保ち続けることを信頼しています。

カトリック信者の私たちには祈ることだけではなく、この良い努力の中における光であること、小さくてもいつも輝く光である使命を与えられているのです。