教区の歴史
「新しい一歩」に対する提言
2001年12月15日
2001年12月15日
東京教区「女性と教会」委員会
研修会:「今、女性たちに問いかける ~小教区制度の見直しとその再編の中で~」を終えて
(研修会の内容と様子は、教区ニュース188号と189号でも読めます)
1.東京教区「女性と教会」委員会とは・・・
1987年第1回福音宣教推進全国会議(NICE)の提案「女性の参加の場を広げ、奉仕職(侍者など)、意思決定を含めた教会の運営に女性の対等な参画を実現する」を受けて、1990年3月「女性と教会」についての答申が出されました。
その答申の「具体的計画」の中で、「女性と教会」の問題を継続的に企画・推進していく委員会を設立することが盛り込まれ、それによって設立された委員会です。答申にある基本姿勢(※1)に基づき、具体的計画を実行していくことを目的としています。
※1、「基本姿勢」
(1) 女性も教会の運営及び意思決定に対等に関われるように目指すと同時に、ともに喜びをもって生きる真に福音的な男女の関わり方を、人間の基本的な課題として考えていく。
(2) 教会内の現実を直視する一方、今日の社会において女性が負っている様々な重荷を、司教、司祭、修道者を含めた教会共同体の全員と共に理解し、痛みとして受け止めながら、男女の責任あるパートナーシップの確立を目指していく。
2.「新しい一歩」に対する意見報告書作成の経緯
大司教メッセージ「新しい一歩」を受けて、教区集会、各小教区・地域協力体においても話し合いがもたれていることかと思いますが、「女性と教会」委員会においても信徒の約6割を占める女性達、また教区集会や地域協力体等の話し合いへの参加が少ない女性達、将来の教会を担う若い信徒達に向けて「新しい一歩」~小教区再編成について~に関わる教区の動きを伝え、一人一人の素朴な疑問、率直な意見を大司教と再編成に関わるプロジェクトチームに届けたいと考えました。
そこで、以下のような研修会を行ない、参加者から集めた質問とアンケートによる意見をまとめました。
3.研修会について
テーマ:今、女性たちに問いかける~小教区制度の見直しとその再編の中で~
講 師:岡田武夫大司教、岩橋淳一師、浦野雄二師、チェレスティーノ・カヴァニャ師
日 時:2001年10月27日(土)、11月10日(土)午後2時~5時
会 場:ケルンホール
参加募集方法:A.各小教区の主任司祭、教会委員長、婦人会長、青年会長宛呼びかけ
→各小教区毎に取りまとめて世代別に参加いただく
B.各修道会宛呼びかけ
C.過去の「女性と教会」委員会行事参加者宛呼びかけ
D.教区ニュース掲載
事前申込状況:各小教区毎の取りまとめは別紙1を参照。その他、個人での申し込みは10月27日に37名、11月10日に44名。
当日参加状況:受付にて全員の出欠確認はしていないが、10月27日は約90名、11月10日は約110名、両日合わせて200名ほどの参加があった。
構 成:前半に各講師の話を聞いた上でその場で質問用紙に記入、提出いただき、後半に講師に回答いただいた。アンケートは帰りに提出、あるいは後日提出いただいた。
質問内容:
“女性のための研修会”当日提出の質問用紙の集計 提出枚数 68枚
<質問の内容>・・・・・・・・・・<質問用紙番号>
教区と修道会について・・・・・・・1.2.3.4.5.6.33
司祭不足について・・・・・・・・・7.8.9.10.11
「壁」について・・・・・・・・・・12.13.14.15.16.17.18
司祭の取り組み方、受け止め方・・・19.20.21.22.23.24.25.33
信徒の取り組み方、受け止め方・・・13.14.15.26.27.28.
29.30.31.32.33
情報の不足・・・・・・・・・・・・30.34.35.36.46
小教区間の協力・・・・・・・・・・37.38.39.40.41
世代について・・・・・・・・・・・4.41.42.43
外国人について・・・・・・・・・・44.45
地域協力体・・・・・・・・・・・・23.46.47.48
財政について・・・・・・・・・・・4.49
共同墓地について・・・・・・・・・1.50
修道女の任務・・・・・・・・・・・51
賛成意見・・・・・・・・・・・・・52.53
結婚式について・・・・・・・・・・54
聖歌について・・・・・・・・・・・55
その他、研修会参加の感想等
アンケート:
“女性のための研修会” アンケートより(参加者からの意見) 提出用紙 22名分
用紙番号・・・<内 容 骨 子>
No.1・・・<意見>「女性と教会」委員会について
・存在を知る人が少ないのでは
・メンバーの構成に問題あり-森司教の個人的指名と聞いたが・・・
・各女性団体の交流を呼びかけて欲しい
No.2・・・<意見>岡田大司教宛手紙(提出済)参照
No.3・・・<意見>再編成に取り掛かる前の問題
・教会が本来の使命を果たしているかの検討が必要
・信徒代表は男女各1名ずつが望ましい
・司祭と信徒の使命を明確にする
・共同体の一員としての養成が必要
・貧しい人のための教会として、精神面・霊的な面と物質的な面に分けて福音を伝えるべき
・開かれた教会作りとして近隣教会、他宗教、未信者との関わり方を具体に
示して欲しい
No.4・・・<意見>宣教面では教会内部に閉じこもっているが、教会内、近隣教会への壁意識は
薄い。教区司祭と修道院間に壁がある。司祭不足が事態を難しくしている。
<提案>・結婚準備を利用しての宣教
・現世的生活苦のある人達に対する専門的アドバイスグループの設立
No.5・・・<感想>大勢の女性たちと出会い、日本の教会は希望があると感じた。
講話を聞いて、自分の存在価値を意味ある人生にしたいと思った。
No.6・・・<意見>問題意識の甘さ
・現実社会を厳しく見つめる視力が衰えている
・80ヶ所くらいまとめられなくてどうするのか、苦しいのは当たり前
・弱者に目を向けることを第一信条に掲げるのでなく、自分を育てる
司祭に対して
・司祭は信徒を信頼し、発掘する努力が必要
・司祭は好き嫌いが激しい
・「ありがとう」の言葉が少ない
研修会について
・準備不足
・バランス感覚のある社会的にも素晴らしい信徒を活用できていない
No.7・・・<意見>・小教区再編成における課題は、自分の所属教会が地区会制度に移行した時に掲げられていたものと共通する
・教会に求められるのは民主主義でなく、キリスト中心主義である
・司祭と信徒の役割分担の熟慮が今回の改革で重要になる
・ミサは教会の最重要かつ中心である
・司祭の持つ霊性がこれまで以上に重要になる
No.8・・・<意見>・研修会の質疑応答がよかった
・臨終の時が特に司祭の導きを必要とする
・地域協力体の充実が必要
・小教区同士の協力体制作りが司祭の活躍につながる
No.9・・・<意見>・研修会で「新しい一歩」の目指すことへの理解が更に深まった
・自分の所属する小教区は恵まれていて現状に満足している
<提案>・現実の問題を理解するために,地域協力体内での交流を深める
・「女性と教会」委員会は、今後もっと女性信徒に行き渡るよう努力すべき
No.10・・・<質問>再編された後の新しい協力体内での司祭の配分はどうなるのか
No.11・・・<意見>司祭同士の協力及び意識改革の必要性
・司教の生の声での問題点、悩みを始めて聞いた
・司祭が司教に従順な姿を見れば信徒は感動し、共同司牧に賛成できる
No.12・・・<意見>・教会の今まで、現在のあり方、今後司教と協力して教区のために活動することについて考える事ができた
・教区の教会と修道会の司祭についての役割がわかった
・小教区間の横のつながりと、町内会への参加の必要性。どのようにするかは教会委員会が信徒を指導する
No.13・・・<感想>研修会の内容を小教区に帰って報告した
今こそ信徒が心を一つにして取り組まなければ
No.14・・・<感想>・今回の問題点や、「新しい一歩」の内容が良くわかり、更に目的を持って小教区内で進めていける気になった
・近隣の小教区との交流が始まり、手応えを感じている
No.15・・・<感想>今までは自分の所属教会のことしか知らず、知るチャンスもなかったが、研修会に出て教区について良くわかった
No.16・・・<意見>カトリック女性信徒は排他性を捨てて、真に人類の道標となるべき
No.17・・・<意見>日頃司祭が女性について認識不足な発言をするのが気になる(女性差別)
No.18・・・<意見>教区内における女性達の会が互いに交流し、協力することが教区の再編成にとって大切
No.19・・・<意見>今のカトリック信者には協調性と組織力が必要
No.20・・・<意見>女性の霊性を高める工夫をすべき、そうすれば自ずからキリスト者として何をすべきか見えてくる
No.21・・・<意見>「女性と教会」委員会スタッフの年齢構成について、全女性をターゲットにするならば今後は各世代からの選出が必要
No.22・・・<意見>再編成は司祭の問題
・司祭と意見が合わず教会から離れていった人の対処に悩んでいる
・今後は司祭の説教内容、人柄によって信徒が導かれる
・新職地に来た司祭は急な改革をしないで欲しい
・魅力ある司祭が少ないのも問題
以 上