教区の歴史

教区の歴史

『新しい一歩』への意見 総武地域協力体

2001年12月01日

2001年12月1目

7月1日の東京教区教会委員会連絡会での趣旨説明に始去り、7月22日の教区集会、9月30日の総武地域協力体地域集会の中で討議され、各教会で検討されたことを総武地域協力体として集約しました。

(1)小数区の再編成の基本構想について6月25目付け岡田大司教書簡「新しい一歩」で提起された小教区再編成の問題に関しては、そのご趣旨に賛成します。

1.教会本来の使命である福音宣教を遂行する為、小教区制度改革に係わる問題点の一つとして司祭の高齢化と司祭の減少により、現在の小教区をそのまま維持することが難しくなってきていることは明らかであり、小教区の再編成とそれに伴って共同司牧の道に進んでいかねばならないことはよくわかります。 

2.また、共同司牧の問題を教区で考えて行くときに、小教区単位ではなく地域協力体をベースにして討議することを求められたのも、当然の過程と思います。もともと、地理的なものである小教区というものを再編成するときに、隣接した地域でものごとを考えるのは当然ですし、他に方法もないだろうと思います。ただし、実際に再編成の区画整理をするときには、地理的条件・歴史的条件を考慮して再編成の構想を考えていただきたいと思います。

 

(2)教区としての宣教司牧の強化について「問題と課題」の中で8項目の問題を挙げられていますが、その殆どは司教・司祭側の問題であり、信徒としては如何ともしようのない部分が多いと思います。主任司祭は教区長の任命によるものであって、信徒の要請によって特定の神父が主任司祭として小教区に派遣されてくるわけではありません。信徒側に人事権がないという厳然たる事実があります。 

1.共同司牧になれば、小数区が閉鎖的な社会になることを防ぐことができるでしょう。現在の小数区(複数)が集まってひとつになり、そこに複数の司祭が任命される形態になるのですから、悪い意味での○○神父色という従来の主任司祭制度の中での弊害が払拭されることは期待できます。 

2.司祭が交代しても大きな混乱が生じないようにしたいという点に関しては、どなたが来られても、従来となんら変わることがないと期待するのは無理があるとしても、教会運営の面では統一性が必要かと思います。とくに教会の運営管理という面では信徒側がもっと積極的にこれにかかわり、司祭の負担を軽減するべきですし、また、司祭側もそれを受け入れて頂ければ活動範囲が広がるものと考えます。例をあげれば、財務・会計・事務(婚姻登録、転出転入の記帳、信者名簿の管理など)・建物を含む教会施設及び設備機器の管理・保守、などという事項は信徒に任せてしまうのが良いと思います。信徒の中には、社会で豊富な知識と経験を持った方々がたくさんいるはずですので、これを信徒に任せれば、司祭の負担はかなり軽減され、高齢化・人数の減少への効果的な対処策になります。

それでも、信徒数1,000人以上の教会で主任司祭一人の状態では、地区集会の指導・各種勉強会・研究会・個人相談・病院訪問・其の間に冠婚葬祭のミサが入ったりすることを思うと、信徒からみても司祭の限界を感じます。

 3.典礼においても、従来主任司祭が交代すると、こまかい部分で変化があったりしています。各教会の伝統的習慣にもそれなりの理由があるはずですので、教義的に間違っていないかぎりその地域の特色を尊重して維持してゆけば信徒側の混乱も防ぐことができると思います。

4.財務格差の問題がいちばん重くのしかかってくると思います。現在各小教区で集まった月定献金・通常献金の教区への分担は一律15パーセントとなっていますが、これを所得税の累進課税のような方式にして、新しい共同司牧区になってもその中での共通の運営経費として徴収・管理することを提案します。例えば2種類の分担金を作り、教区へ分担するものと新しい共同司牧区に分担するものとに分けることが必要になると思います。

5.複数司祭と修道者・信徒による共同司牧をすれば、司祭個人の資質の違いを平準化することができます。組み合わせの妙によって、それぞれの資質を生かした幅の広い福音宣教が可能となるでしょう。司教の采配に期待いたします。

6. 国際化の問題は複雑であると認識しています。地域的な色彩が濃いのが現状です。たとえば全国的に見ても、ある地域には南米からの信徒が多く、別の地域ではフィリピン人の信徒が多いという現象があります。いっぽう、アジア系の外国人が編入してくることをあからさまに拒絶している小教区もあると聞きます。理想的なことを言えば、主日の目本語のミサに小数区内のすべての外国人も一緒にあずかり、共同体としての活動にも日本人信徒と同じように参加するというのがベストでしょうが、教会の物理的な広さ、言語・生活習慣の違いからこれは難しいことです。属人教会の発展をサポートすることもあわせて考慮することを提案いたします。

 

 

(3)総武地区の更なる分割について

総武地区の更なる分割について、司教様の提案される「小数区再編成」には賛成です。協力体として一つの意見に集約することは致しませんでした。提案された案を併記致します。地理的な再編成を立案するに当たり、面のみで考えず、公共交通機関、道路交通など線での配慮と、それぞれの小数区の歴史的発展過程も考慮の上、立案くださるようお願いします。 

1. 総武地域協力体の6教会をそのま妾1グループとする。

2. 潮見・市川・小岩・葛西で1グループ、松戸・豊四季で1グループの2分割。

3. 歴史的発展状況と交通機関を考慮して、潮見・葛西・築地〈中央地域協力体)で1グループ、市川・小岩・松戸・豊四季で1グループの2分割。

4. 松戸・豊四季・市川・習志野(千葉協力体)、どこの教会へも1時間以上の時間が掛かりまた、公共交通機関の料金が際立って高いという問題がある地域、白井地区の教会新設を再編成という趣旨に沿って考慮していただく事をお願いいたします。

5. 先に述べたように公共交通機関、道略交通事情などを考慮すると、豊四季は他教区である取手との共同司牧も考えられます。

  

(4)修道会との関係について

再編成、共同司牧を実施するにあたって修道会の協力が得られなければ理想とされる容にする事は難しいと考えられ圭す。特に小数区を経営する修道会の理解と臨力は不可欠です。

総武地域協力体には修道会経営の小教区はアウグスチノ会の葛西教会1箇所です。現在も地域協力体に積極的に参加し、協力しています。今後も再編成、共同司牧に積極的に協力していただけるよう協力体として依頼していく考えです。