教区の歴史

教区の歴史

岡田大司教様文書「新しい一歩」に対する意見書

2001年12月15日

2001年12月15日
カトリック東京大司教区 中央地域協力体

  

1.はじめに

中央地域協力体においては、今回の岡田大司教様の文書「新しい一歩」-21世紀の福音宣教に向けての小教区再編成-で明らかにされた課題に応えるために、7月15日(日)に開いた会合において、秋に集中的に議論をすることに決定した。そこで下記の日程で小教区再編成の意義、アンケートの実施と取りまとめ・結果の検討、教会連携の方法、意見書案等について議論を行う会合を開いた。その際の小教区再編成の検討を進めるに当たっての基本的な認識は次の通りである。

〔1〕小教区再編成は司祭の高齢化・不足が原因の一つであるが、基本的には東京大司教区におけるよりよい福音宣教司牧のための「開かれた教会」作りが求められている。

〔2〕そのため司祭同士の横の繋がりと協力が不可欠であり、司祭間の密接な話し合いが必要である。

〔3〕信徒も互いの教会同士での交流・連携を図ることや、司祭間の連携へ信徒が積極的に協力することが重要であり、そのための具体的取り組みが必要である。

中央地域協力体会合

(1)9月9日(日) 取り組みの議論、中央地域協力体で統一アンケートを行うこと等。於:本郷教会

(2)10月14日(日) 各教会アンケート結果報告、司祭会合報告等。於:築地教会

(3)11月11日(日) アンケート集計結果報告・検討、教会間連携方法、意見書案の議論等。於:麹町教会

(4)12月9日(日) 意見書案の検討。於:関口教会

アンケートは本来関口教会が教会内の意見を取りまとめる必要上から同教会内部のみで計画されていたものを拝借して一部改訂し、各教会で同じアンケートを実施し統一的な取り扱いを行うこととしたものである。このように地域協力体内のみで共通アンケートを実施したのは初めてであり、その結果も中央地域協力体として極めて特色のある様子が浮き彫りにされており、非常に有益であったと考えられる。

中央地域協力体に所属する教会は都心に位置し(大島教会を除く)、東京教区における役割も他の地域協力体に所属する教会のように地域的な小教区教会としての役割のみを果たすのではなく、さまざまな点で東京教区の顔として役立っている教会が多くある。従ってその役割も近隣の信徒のためのみならず、より大きな共同体(東京大司教区、東京管区等々)の役に立っているものもある。また殆どの教会が交通至便で昼間人口が極めて多いビジネス・教育地区に位置しており、周囲は文化的集積度も非常に高い。さらに中央地域協力体内の教会は結婚式を希望する人が非常に多いなど、福音宣教司牧の観点から、極めて有用な教会が多い。今回はこのような中央地域協力体の特色を踏まえた上で、再編成に関する議論を展開し意見書に纏める作業を行った。時間が足りない感は免れなかったが、そのような中でも一応の検討した意見が本意見書の内容である。今後の東京大司教区の小教区再編成の検討のために、少しでも参考になれば幸いである。

 

 

 

2.「新しい一歩」で提案された基本構想を進めるにあたって、クリアーすべき課題

今回、中央地域協力体で「新しい一歩」の取り組みに関して協議を重ねると、各教会が独自の運営を行っているという現実が存在し、これが小教区の再編成プロジェクトの推進においてひとつの大きな障壁になる可能性がある。

中央地域協力体の小教区の中でも運営の異なり、典礼の異なり、行事の異なり、財務面での異なり、宣教での異なり等々…様々であり、その意思決定も伝統や習慣に基づくもので、必ずしも明確になっていたり、なっていなかったりしている。どちらかというとその時々の主任司祭の意向により決定を頂くものや信徒の有志あるいは信徒会(運営委員会等など)の意向によるものなどに委ねられているケースが殆どである。

従って、「新しい一歩」に掲げられている小教区の再編成の課題に取組むにあたり、この問題をどのように位置付け、クリアーするかの判断を講じなければ、「総論賛成・各論反対」となり、この先「二歩・三歩」と歩んでいくことが難しいものと考えられる。

そこで、現時点で想定される問題項目を以下のように提起致してみる。残念なことに中央地域協力体の協議の中でも、問題提起までしか進行しておらず、解決策としての具体的な草案作りができていない状況ではあるが、今後の重要なテーマとしてプロジェクトチームにてご検討を頂ければ幸いである。

 

( 1) 小教区の中での司祭の専権事項の明確化と統一化

( 2) 司祭と信徒会(運営委員会)との係わりについての具体化

( 3) 信徒会(運営委員会)の役割の明確化

( 4) 再編成での他の小教区との共有化ができるものの特定化

( 5) 意思決定の透明化

( 6) 共同体規約の統一性

( 7) 規範やルールのマニュアル化

( 8) 財務基盤の確立

( 9) 担当司祭・担当信徒との連携及び組織化

(10) 宣教司牧における各地域協力体の中での協力体制の構築と他の協力体との連携

 

以上、10項目が、これまでの中央地域協力体の協議の中で検討された問題の集約として現段階において考えられる事項である。「新しい一歩」という所謂「構造改革」の断行を行なう上では、中央地域協力体の中でもそれぞれの事情にて賛否両論があるし、また、小教区内でも異論反論が存在するが、どこかの一線に於いて見解をまとめることが急務かと考える。それが「明日への二歩・三歩」になると思われる。

 

 

3.地域社会の中で宣教することの意味

中央地域協力体における各教会は東京大司教区内でも特異な様々な特色を持っており、その置かれた地域も都心としての長所と短所を持っている。ここでは各教会の特色を明らかにすることによってそれぞれの地域での宣教の意味を考えてみた。

 

(1)麻布教会の特色

1)「開かれた教会」運動

予てより、懸案であった「開かれた教会」をどのように捉え、教会運営を行えばよいのか試行錯誤連続では在るが、「とにかくやってみて考えよう」という方針にて展開中である。その効果として徐々にであるが、「結果よし」ということがあり、信徒の皆さんにもご理解や賛同を頂けるようになってきていると思われる。

2)宣教活動

在籍信徒の皆さんに「教会の現状」を知って頂く意味も含めて、教会報などを年数回郵送したり、初めて教会に来られた方への積極的なアプローチに努力を行なっているが、十分とは言えないかもしれない。できてもバザーなどの催事に地域の方に開放したり、ポスターを掲載することが精一杯である。従って、外部への宣教活動までには、人的パワーを注げるまでには至っていないのが現状である。

3)活発な活動

個々色々と活動には、熱心に取組めている。青少年の育成でのボーイスカウトや土曜学校、福祉関係でのボランティア、バザーや教会コンサートの開催、聖書研究やカルチャー同好会等々と盛りだくさんで、熱心に取組みご協力は頂けているが、運営側のメンバーが固定化しており、一部の方への過重負担傾向を生んでしまっている。

4)信徒の高齢化問題

一般社会と同じように、信徒の高齢化と少子化が進んでおり、若い方に教会に来て頂けない現状打破に苦慮している現実がある。併設している幼稚園があり、ボーイスカウトがあり、結婚式があり、と教会に触れて頂ける機会にも恵まれているが、受洗者は来られるが、ごミサに来て頂いたり、教会活動に参加して頂くとなると難しい現実がある。

5)典礼の変革

新しいものを積極的に典礼に取り入れている。聖歌形式によるごミサ、子供ごミサ、新しい聖歌の導入など行なっており、大変好評にてご理解を頂けている。

6)広報活動

月間で教会報を発刊しており、これが信徒の皆さんへの情報提供の手段であるので紙面の充実への努力は、成されている。

7)教会運営委員会の在り方

運営委員は、2年の任期にて選挙によって選ばれており、委員の再選を認めないことでいろんな方にやって頂く方針である。幸いにも、現在の委員は年齢層も信者歴もバラエティーに富んでいるので、活発な論議が成されている。

 

 

(2)大島教会の特色

1)地域による区割りの現実

大島教会が中央地域協力体に属していることは、地域による区割りの現実を良く現している。地域による区割りの中では、中央地域協力体しか適当な協力体がないのも事実である。届く新聞は静岡版、車のナンバープレートは品川、飛行機を除けば、東京に出る最も便利の良い交通手段(費用は別として)は、熱海に出て、そこから回るルート。かつては熱海教会の司祭が司牧に関わってくださったこともある。

伊豆諸島、小笠原諸島も東京教区の地域にある。しかしこの地域に住む信徒のことはなかなか把握されていない。たくさんの信徒がいないかもしれないが、東京教区の神の民であることは明確である。

ともすると島の信徒がなおざりにされてきたことは事実であり、後述する点にその影響が現れていることは、小教区再編成を考えるヒントになるはずである。

2)現状

現在、大島には10世帯、信徒数は10数名、教区事務局から司祭が、月に一回、主日のミサのために大島教会に出かけていく。しかし観光が主要産業の島の信徒にとって、日曜日は忙しい。ミサと自分の生活の都合が合わないことも多々ある。

3)小教区再編成の先取りである大島教会

1986年の噴火まで常住する司祭がいた。しかし噴火後、常住する司祭はいなくなった。その結果、信徒のケアの面に影響が現れている。常住していた司祭は、信徒との関わり、司牧、そして何らかの形で他の島を訪問していた。しかし現状は月に一回大島教会でミサが行われるだけである。極端な言い方をすれば、どこか見捨てられたような感じが意識の中にある。

小教区の再編成は避けて通れない課題だが、信徒の養成、ケアを最優先に取り組むことが必要であることを大島教会は経験しているし、そのことが大島教会から発信できればと思う。

(文責:担当司祭 浦野雄ニ神父)

 

 

(3)神田教会の特色

1)東京教区の伝統のある教会

1872年(明治5年)東京・三番町にラテン学校が開校され、諸藩の留学生が新しい西洋の学問や語学を習いに続々と集まった。開校2年目の1874年(明治7年)神田猿楽町にこのラテン学校を移転したが、これが神田教会の始まりである。このように神田教会は127年の時を刻む、築地教会とともに都内最古の歴史を誇る教会であり、今後も東京教区の顔の一つとしてその役割を果たして行きたい。また1881年(明治14年)にはシャルトルの聖パウロ修道女会が神田教会の敷地内に招聘され後年白百合学園となる学校事業を開始した。また1888年(明治21年)ヘンリック師を長とする5名のマリア会員が神田教会に居住し、教育修道会(後の暁星学園)としての活動を開始した。このように神田教会が白百合学園・暁星学園の二つの学園の揺籃の地であることも興味深く、また小教区としても宣教司牧の3拠点があることは貴重である。

2)魅力的な聖堂のある教会

1896年(明治29年)に新築された神田教会聖堂は1913年(大正2年)2月20日の大火で焼失し、さらに1915年(大正4年)に落成した聖堂も1923年(大正12年)関東大震災で焼失した。現在の聖堂はフランス人宣教師シェレル神父の構想により1928年(昭和3年)に完成したもので、マックス・ヒンデル氏の設計によるバジリカ形式の建築である。また1952年(昭和27年)からはプロカテドラルとして利用された。この聖堂は東京教区内でも数少ないわが国の西洋建築史上の貴重な建物であり、2001年(平成13年)秋には文化庁の登録有形文化財にも指定された。このような伝統・品位と荘厳さが漂う聖堂でのミサは東京教区の宣教司牧のための大きな財産である。

3)聖フランシスコ・ザビエルの遺骨を戴く巡礼教会

神田教会は、明治の禁教令が解かれてから最初に作られ日本人に宣教するために開かれた聖堂の第一号で、聖フランシスコ・ザビエルに捧げられた。また日本にある聖フランシスコ・ザビエルに捧げられた35教会の中で最初の教会である。大聖年である2000年12月、聖フランシスコ・ザビエルの遺骨が白柳枢機卿様の手により安置された。新しい千年紀を迎えた神田教会は新たな宣教への熱意と使命を思い起こすためにザビエルの心を受け継いでゆくことを望む人々に大きな貢献をし、巡礼教会としての役割を果たしてゆきたい。

4)結婚式を望む人々に開かれた教会

1970年代初頭日本の司教団はローマに対して、予備的宣教の一つとして未受洗の人たちの結婚式を行うことの提案と許可を求めた。結婚講座などを通して彼らの結婚・人生に少しでもキリストの福音を学び教会に近づく機会となることを目指してのことである。幸い神田教会の建物の姿、聖堂の荘厳な雰囲気に多くの人々が惹きつけられ、現在極めて多くの若い方々がここで結婚式を挙げている。このように若い方々がカトリックの教えに接することが出来るのは神田教会としても大きな喜びであり、重要な宣教の役割の一つである。

5)宣教の拠点としての教会

2001年2月には、かねてよりの念願であったホームページ(HP) を開設・公開した。

(http://www.catholickandachurch.org/)。それ以来極めて多くの方からのアクセスがあり、有効な広報・宣教の役割を果たしている。(同じHPの中に、中央地域協力体のHPも開設した。)また神田教会付近は日常はビジネス・教育の中心地であり、文化の集積度も高く、今後も地域宣教の拠点として適している。さらに神田教会は交通の便がよく、遠くからの信徒も多く通ってこられる。神田教会を近隣地域だけではなく広く東京教区の宣教の拠点として位置付け、今後とも活用していくのが東京大司教区にとっても有益であろう。

 

 

 

(4)麹町教会の特色

麹町教会は聖イグナチオ教会の名で親しまれており、外国人を含め信徒数が一万人を越える共同体である。四谷駅から徒歩2分という利便性により通勤者など教区外の信徒も多く、修道会(イエズス会)が母体の上智大学が隣にあり、外国人神父も多い。これらの特色を生かした教会としての使命が考えられる。この度の地域協力体の問題をふまえ、よりよい一歩を踏み出すために、麹町教会の現状について述べてみたい。

1)特色

四谷駅(JR中央線、地下鉄丸の内線・南北線)から徒歩2分という交通の便により、ミサに与り講座に通う者にとって有り難いロケーションにある。平成11年に献堂式を祝った現聖堂は第2ヴァチカン公会議の精神を生かしたものであり、司祭と会衆が共に祭壇を囲む形になっており、平成13年10月に「建築業協会賞」を受賞した。大聖堂の他、マリア中聖堂、ザビエル小聖堂があり、交流の場として作られたテレジアホールおよび信徒会館は70を越えるグループの活動の場として利用され、さらに教区を越えたカトリックの方々に公開している。聖堂は毎日6時から19時まで祈りの場として開かれている。施設の規模の大きさ、使用頻度等を考慮すると、メンテナンス等将来の問題と言える。

2)典礼

主日のミサは7回、週日のミサは5回あり、隔月の子供ミサ、20年続くフォークミサも信徒に親しまれ愛されている。さらに主日の英語、スペイン語、インドネシア語、ヴェトナム語等の外国語ミサも世界各国からの方々にとって心のよりどころとなっている。当教会では、告解の時間も週日、主日ともに用意されている。毎年11月に行われる教会大黙想会は今年で3回目を数え、平成13年は「仕える」をテーマに神父様方のご指導により、多くの信徒が黙想と祈りのうちに静かで豊かな一日を共にした。

3)宣教

神父、修道者による信仰案内講座は月曜から日曜まで複数回あり、仕事を持つ方々が夜、あるいは土曜、日曜にも参加出来るようになっている。麹町教会で結婚式を挙げる方を対象に、結婚セミナー、結婚講座、結婚クラスが20年前から開かれており、婚約者は神父、ヘルパーとの話し合いにより挙式に向けてお互いを確かめ合い絆を強める良い機会を持っている。毎年、結婚感謝のミサ、結婚感謝の集いを開催して、結婚生活を振り返り、感謝する時を分かち合っている。土曜、日曜の教会学校はリーダーを中心に200人を越える子供達が活発な活動を行っている。その他、教会報と共に、ホームページも早くから開設しており、主日のミサの説教にあたる「福音のささやき」等熱心に読まれている方も多い。また、信徒会館に訪ねてこられる方には9時から21時までご案内できるようになっている。

4)これから

万人に開かれた教会、社会的弱者への配慮・奉仕などこれから私どもが謙虚に考えるべき問題は多い。

 

 

 

(5)関口教会の特色

1886年(明治19年)、オズーフ大司教は、東京の発展と司教座教会の将来を考慮し、常陸国茨城郡宍戸の藩主、松平大炊頭頼徳の屋敷跡4,800坪を購入した。これが関口の現東京カテドラルの敷地である。1887年(明治20年)、この土地に、聖母仏語学校と呼ばれる工芸学校が創立され、1893年(明治26年)、聖母仏語学校に付属していた聖堂は、小石川聖マリア教会として独立し、小教区としての性格を持つようになった。1896年(明治29年)、当時の東京で最も大きな関口天主堂の建堂が着手され、優雅なゴチック式の聖堂が、1899年(明治32年)に完成した。1920年(大正20年)、大司教座は築地から関口に移転した。1964年(昭和39年)、現在のカテドラル聖マリア大聖堂(1階大聖堂:2600名、地下小聖堂:300名)が完成し、教区の式典行事は全てこの大聖堂で行うことが出来るようになり、関口教会がこれを担当することになった。

1)教区式典・行事への奉仕

復活および降誕ミサ、叙階式、合同堅信式など多数の方が出席する教区の式典行事の際には、関口教会が先唱、聖歌隊、侍者、献金などの奉仕を行い、また、東京教区の中心教会としての役割を担っている。

2)ルルド

カテドラル構内には、フランスのルルドのものと同じ大きさの洞窟が1911年につくられ、夕暮れ以降にも照明により照らし出されて、祈りの場として開かれている。また、ルルドの清掃など維持も、関口教会信徒の奉仕によるところが大きい。

3)典礼

主日のミサは土曜日18:00(1回)、日曜日8:00、10:00、12:00(3回)であり、2ヶ月に1回、12:00のミサは手話も合わせて行われる。信徒総数は2000名余りであり、その年代はアンケート結果にも示されているように、60代が多いものの、10代から80代まで幅は広い。地域的には文京、豊島、新宿区内の信徒が多いが、都内および近郊と広地域に及んでいる。

4)教会学校

教会学校として、小学生を対象とする日曜学校・土曜学校および中高生会がある。とくに日曜・土曜学校の生徒は150名を超え、カテドラル構内にある聖園幼稚園の卒園児も多く、生徒およびその保護者の半数は未信者であるが、その後の受洗者も多い。

5)教区・地域への解放

1995年、関口会館として信徒会館が改築された。本会館には教区、韓人教会および関口教会などがそのスペースを共有し、これらの組織が有機的に結びつけられている。それぞれの委員会・グループの活動拠点の場として利用され、平日には教会外の団体・グループにも利用されているものの、近隣地域へのPR、より一層の開放が望まれる。

 

 

 

(6)築地教会の特色

1)歴史;カトリック教会の東京での最初の拠点

1874年(明治7年)パリ外国宣教会のマラン師が築地居留地の一部を東京市から借入、8月から仮聖堂の建設開始、守護の聖人を聖ヨゼフとする。

1878年日本北緯総代牧区長として、オズーフ司教が着任し、築地を司教座とする。(日本南緯総代牧区長は長崎のプチジャン師)

1878年(明治11年)聖ヨゼフ司教座聖堂(煉瓦作り)献堂式。

1890年日本は東京、大阪、長崎、函館の4司教区となり、築地は首都大司教座となる。(1920年司教座が現在地関口に移転するまで)

1923年(大正12年)関東大震災により、聖堂、司祭館その他焼失同年12月に木造の仮聖堂落成。1927年現在の聖堂が建てられた。

1924年4月仮聖堂を使って、聖ヨゼフ幼稚園を始める。

1942年4月聖ヨゼフ幼稚園は文部省より正式に認可される。私立幼稚園は現在中央区の中で唯一つ。

2)現状

長年続いていた都心の過疎化現象は、中央区で見る限り止まり、平成10年度は前年度に比べ人口が297名増加、平成11年度は1319名、平成12年度は2619名、今年度は10月末までに3157名増加している。これは高層マンションがあちこちに作られているためであろうとは区役所の統計係の言。

この影響によるのか、来年度の入園希望者が去年より増え定員を超過したのは4~5年ぶりという状況。

教会の在籍信者数は殆ど変わらず、約360名で平均年齢60歳、活動可能人数は約120名というところ。典礼面と福祉の活動は地道に動いていて、司祭が介入しないでも自主的に進められている。青少年教育の面が大変弱く、早急に手を打つ必要がある。先ずすることはリーダー養成。

3)宣教

主日のミサ=7時(現在7~10名参加)、9時半(40~60名参加)、18時半(7~10名)

週日のミサ=7時、第1、第2水曜には正午からもミサあり。

水曜正午のミサは、この近辺に働いている信者が、昼休みの時間を利用して時には静かな祈りの時をもてたらよいと考えて約7年前に始め、平均して5~8名が参加し、ミサ後各自弁当を持ち寄って会食している。

 

これからの方針としては、

水曜のミサについてさらにPRすること。

夕刻の退社時刻(18時ころ~約1時間)月2回ミサまたは講演会などを開いて、この教会に親しみを持ってもらい、そこから福音に近づく機会を作る、ことなどを考えている。

 

(7)本郷教会の特色

本郷教会は1927年12月18日、聖ペトロの名のもとに誕生した。築地、神田、浅草、本所、麻布、関口についで東京市内、7番目の古い教会である。レイ大司教様が関口台の司教館から本郷に移って本郷教会の司牧にあたり、その後正式に主任司祭となられた。昭和初期の本郷教会の雰囲気は、主任司祭を中心に一致し、祈りを大切にして、家族ぐるみで交わり、明るく暖かいものであった。また、信者の中に田中耕太郎氏をはじめ、大学関係者が多く、かれらを取り囲む学生たちで、若さと教養あふれる雰囲気があった。1945年4月14日、東京大空襲によって、由緒ある武家屋敷の面影を残した日本家屋の聖堂、司祭館その他すべては灰塵に帰した。信者の家庭も多くの被害を受けたが、互いに助け合い励まし合いながら聖堂の再建に努力した。1996年6月には聖堂、司祭館、信徒会館が再建された。聖堂は3階で、本郷通りに面している。レイ東京大司教の名をとったレイ・ホールは本格的なホールで、コンサートなども開かれる。

 

現在の特色は以下のとおりである。?

1.在籍信徒約470名であるが、主日のミサに与る信徒は約140名ぐらいで、毎日の朝ミサには約10名の出席がある。

2.信徒の在籍年数は比較的長く、年齢構成は高い。また、転出入数も少ない部類である。

3.毎月の維持費を拠出している信徒は、約150名。財政的には建物が大きいだけに経常経費、建物の維持管理費の占める割合が高く厳しい状況にある。

4.伝統的に神父様を中心にした家庭的で祈りを大切にする教会で、信徒同士の助け合い・気遣いのあるのが特色である。

5.聖体奉仕者・集会司式者養成講座に積極的に参加している。

6.建物は、献堂以来5年余であり、バリヤフリーを心掛け福祉的視点で建設されている。

(例)聖堂(三階建て)、信徒会館(五階建て)ともにエレベーターを設置し、聖堂では車椅子用のスペースや、1階には身障者用のトイレを設置している。また、聴覚障害者用のループアンテナの設置及び補聴器も設置している。

7.聖堂1階に談話室・厨房を設け、2階にはレイ記念ホールを設け多目的に音楽会・披露宴(収容人員150名)などが可能である。

8.聖堂1階には小聖堂を設け、入口前の床にラビリンス*を描いた。

9.C・I・C(視覚障害者のためのテープ録音奉仕)の積極的活動を支援している。

10.山友会などへの社会奉仕活動など多く福祉活動にも参加している。

11.収益事業として34台収容の立体駐車場を設け、運営している。その収益金は、建設時の大司教館からの借入金返済に充当している。

12.立体駐車場については、年間かなりの維持費用(メンテナンス)を要する点が問題である。

 

* ラビリンスは、古代ギリシャの時代から世界中のさまざまな文化や、宗教の中に存在してきた。本郷教会のラビリンスは、1220年にフランスのシャトル大聖堂の床に造られた(シャトルラビリンス)と呼ばれるタイプのもので、世界でも34箇所あり、日本では唯一のものである。その時代は、十字軍遠征の最中でエルサレムへの聖地巡礼は危険であり、多くの人はこのラビリンスの上を歩いて、巡礼の代わりとして祈り瞑想していたと伝えられる。

 

4.小教区の再編成に向けた今後のプログラム

 

中央地域協力体においては、「新しい一歩」で提案された課題について、より多くの信徒の意識を高めることを第一の目標としてアンケートなどを実施してきた。その結果、全ての信徒に対しては言えないが、かなりの効果があったと評価する。この課題に取り組む前の中央地域協力体としての活動は、2ヶ月に1回程度の会合を開催し、様々なテーマについて各小教区での実状など情報交換の場でしかなく、協力体として共同して何かを実施することはなかった。しかし、この課題に取り組むべく協力体の会合を重ねる内に、これまでには見られなかった連携意識を強く持てるようになった。

小教区再編成に向けて次の段階の第一は、信徒が互いの教会間で「なじむ」ことが必要である。2章でも述べたように、小教区の中でも運営、典礼や行事などが異なり、慣習なども様々である。そこで、組織的な再編成実施の前に、予めというか心の準備として、教会同士の交流を積極的に進めたい。その具体的な方法としては、ミサの交流、司祭の巡回による司式、講演会開催などが挙げられる。

現在、各小教区では規模こそ異なるものの、ミサ、典礼を中心に宣教司牧を行っている。これまでにも「開かれた教会」に向けて様々なアイデアや要望があった。しかし、その実施に際しては、規模が大きすぎる、支援・実行するメンバーおよび施設・設備が不十分などの理由で、一つの小教区だけでは実現が困難であった。今後は、例えば、福祉関連での連携、フォークミサへの参加、合同コンサートやバザーなど、小教区再編成に向けて、地域協力体として連携して積極的に行いたい。

なお東京大司教区としては、各地域協力体の「新しい一歩」に対する意見を十分把握した上で、各小教区の司祭+信徒代表からなるチームに対して、その小教区の特徴・問題点・連携の考え方などを十分時間をかけてヒアリングしたり、また大司教様やプロジェクトチームの司祭と各地域協力体メンバーとの意見交換会を設けるなど、着実に次のステップに進むのが望ましい。折角の機会であるので、拙速にならぬよう慎重に且つ英断を持って再編成に関するプロジェクトを進めるのがよいのではないか。

 

5.教区としての宣教司牧の強化について

 

教会とはキリストを信じる人々の聖霊に満たされた共同体である。そして福音宣教を強化することは私たちカトリック教会・司祭および信徒の大きな使命である。「教区としての宣教司牧の強化」について、課題は主として以下の点に絞られるであろう。またそのための重要な方策を掲げる。

(1)「内(各教会の信徒)」へ「開かれた教会」の試み

今回の中央地域協力体のアンケートでも「教会が一部の古い信徒のものになっていて、新しい信徒が入りにくい」という指摘があった。確かに各教会とも年配の古い信徒が多く、入りにくいという感覚を持つ新しい信徒が多いようである。今後は新しい信徒や初めて教会に来る人に対して、今まで以上に温かく迎える心構えと応対方法、新たな信徒でも教会活動に気軽に参画できるシステム作りが必要であろう。

(2)「横(東京教区・地域協力体内の教会・信徒)」へ「開かれた教会」の試み

「新しい一歩」の主題への対応で最も大切なのがこの東京教区内に開かれた教会への試みである。このため中央地域協力体では各教会同士がどのような連携を取ることが出来るかを議論した。その結果①合同広報活動(ホームページの(HP)作成)、②ミサの交流、③福祉関連での連携、④フォークミサへの参加、⑤合同コンサート・バザー。⑥合同講演会等のアイデアが出された。いずれにしても教会委員等の少数者だけが交流するのではなく、マスとしての信徒の交流が作られることが大切である。またその前提として各教会の司祭の間での連携が重要であることは言うまでもない。

(3)「外(一般社会)」へ「開かれた教会」の試み

中央地域協力体に属する各教会は都心の交通至便で、ビジネス・教育の中心に近い場所に位置している。このため主日のみならず日常的に多くの人に対して福音宣教の機会と場を提供できる利点を有している。一例として築地教会では毎月第1・第2水曜日の正午にミサを行いサラリーマンなどへの福音宣教活動をしている。また各教会とも結婚式の申し込みが多いが、予備的宣教と言う意味で結婚式はカトリックの教えを知って貰う絶好の機会である。また勤務時間後の夜の聖書研究や入門講座の要望もある。このように都心にある利点と意義の大きさを生かして活動をする必要があるが、そのためには現行の小教区主任司祭のみでは限界があり、より多人数の司祭の活動や信徒の協力が求められよう。

(4)教区と修道会の連携強化

中央地域協力体に限らず、東京大司教区には修道会が司牧の中心的役割を果たしている教会が多数ある。それぞれはまた地域の中で重要な宣教の役割を担っているが、それぞれの教会が真の「開かれた教会」となるためには、今後は教区と修道会の連携をより一層強化し、宣教司牧協力チームへのシスターやブラザーの参加を期待したい。

(5)広報・宣伝の必要性

インターネットと携帯端末が生活の隅々まで入り込むIT(情報技術)社会の到来となり、社会での情報の影響が大きく変化している。このような中でHPを作成してインターネット上で教会活動・中央地域協力体の活動をアピールし福音宣教に役立てることは必要である。事実神田教会では、HP開設以来ミサへの参加者・結婚式申し込みの増加など確実な広報効果があると報告している。もちろんこれらITの活用は現在では若い世代が中心であり、ITに馴染みのない方々のために従来型の広報誌・講演会・ポスター・ちらし・電話網等による内外への広報活動は今後とも必要である。このような新旧の広報活動を通じ「要理教育の充実」、「心のケア」、「福音宣教者養成」「人種と差別問題」「家族と家庭問題」など教会に課せられたさまざまな課題の解決に向けたアピールが可能であろう。

(6)適切なシステム作りの必要性

上記(1)~(3)の「開かれた教会」およびそのための広報・宣伝の重要性に加えて、これらを実現するための方策が求められている。司祭や信徒の意識の改革が必要であるとしばしば言われるが、それを実現する分かりやすく取り組みやすいシステムを提案し実現することが望ましい。一例であるがミサ交流にしても、実際にそのような主日を設けてある教会で合同ミサを行うなど継続的なシステムを作ることから始めるのが望ましい。

 

6.再編成に向けてのグループ化について

7月に教区から問題提起された「新しい一歩」による教区再編成についての「地域協力体としての方向づけについて」各教会委員代表が9月から月1回ペースで会合を持ち協議してきたところである。9月の会合において「中央地域協力体統一アンケート」を各教会で実施し、その結果を見ることにより、協力体全体の方向が見られるのではないか、との結論になり附属資料に添付した「統一アンケート」を各教会において実施した。

後述するように中央地域協力体に所属する教会は特徴があり、しかも所属信徒数も一万人以上から数百人までと開きが大きく、アンケート結果も配布数にしたがった単純な加重平均を取らざるを得なかったが、一応全体の意向が反映された結果となっていると考えられる。

しかしながら、当協力体は、性格・性質の異なった教会が混在しているため、アンケート結果をそのまま解釈できない非常に難しい面がある。

そこで、当協力体を大ざっぱに分類してみるとつぎのようになろうと思われる。

(A)主要教区教会や大修道会教会として信徒数(外国人信徒数も含む)が極めて多い教会。

(B)歴史・格式および相応しい聖堂を持ち、社会現象等により一時見られた近隣信徒数の減少も最近回復傾向にあり、また交通至便でより広範囲な信徒も対象とした教会。

(C)地域の信徒数もある程度確保できており、地域の中で独自に運営できる教会。

と、事情が異なる3分類になろうと思われる。これら事情の全く異なるものを、2ないし3グループにすることは至難の業である。そこで当協力体としては、中央地域協力体の特性を考慮し、別添附属資料のアンケート結果を参考資料として考慮するとともに、各教会の実態を正確に踏まえた上で、教区の総合的判断に委ねたいとの結論を出さざるを得なかった。教区において、他の地域協力体の意見、また他の大司教区の動向なども踏まえ、最良・最善の判断をされることを切に願うものである。

しかしここで是非留意すべきこととして各教会から示された意見を以下に示す。

(1) 必ずしも中央地域協力体内部だけでの連携・グループ化のみではなく近隣の地域協力体内教会との連携も視野に入れて頂きたい。

(2) 一律に教会の規模や場所等でグループ化等の案を出さないで頂きたい。

(3) 再編成に当たっては信徒数ではなく、主日ミサの出席者数を考慮するべきである。

(4) 中央地域協力体の特性を見極めつつ、慎重に議論し且つ対処して頂きたい。

(5) ①宣教のための有用性 ②司牧の拠点としての有用性 ③交通の利便性 ④経済的自立性などからどのような小教区を残すかを判断すべきである。また現在有用性を有している小教区に混乱や活動の低下を強いるような負担はあたえるべきではない。

(6) 現在ある小教区共同体を崩さないことが重要である。もしその共同体を分ける必要がある場合も構成員に理由を説明し、理解を得た上で自主性に任せること。

(7) 主任司祭が交代しても、急激な或いは無理な変化が起きないように、教区の方針を明確に打ち出すことが重要である。つまり司祭は赴任先の共同体に奉仕する姿勢で司牧の任を果たすのが必要と言うことを教会全体が認識することが必要である。

 

7.終わりに

冒頭でも述べたように、今回の「新しい一歩」に示された小教区再編成は、よりよい福音宣教司牧のために如何に東京大司教区の教会を「開かれた教会」にするかと言う課題を解決するためのものである。今回の中央地域協力体の統一アンケートに示された回答でも分かるように、まだまだ我々の教会は「内」(教会内信徒)に対しても、「横」(東京教区の他の教会)に対しても、「外」(一般社会)に対しても十分に開かれているとは言い難い。

しかし今回の一連の会合の議論の中でも教会間の連携に関するアイデアが生まれてきた。そのうちの幾つかのものはすぐにでも実行出来そうなものである。今回の議論の場こそが連携の端緒になるものである。しかしこれは極めて限られた人の間の連携である。今後はより多くの信徒が参加出来る連携の催しが必要であろう。再編成の方向はその中から自ずと見出せると言ったら少し楽観的ではあろうか?いずれにしても何らかの具体的な動きとして結実し文字通り「新しい一歩」がこの中央地域協力体として踏み出せればよいと考えられる。なお、これらの一環としてすでに中央地域協力体のホームページも開設してあるので、(http://www.catholickandachurch.org/chuuouchiiki.htm)ご活用頂ければ幸いである。

 

本意見書に関する議論に参加した方々(敬称略、順不同)

麻布教会 吉池好高司祭、笹淵裕司、酒井三貴子、牧野早智

大島教会 浦野雄ニ司祭(寄稿)

神田教会 稲川保明司祭、小林直人、浅野基宣、池本加津子、越原由香、武田毅

麹町教会 池尻廣幸司祭、小川哲次、鈴木靖規、長谷川直樹、戸川宏一、太田昭代、

柳原佳子、滝田かよこ、牧口慶子

関口教会 岩橋淳一司祭、国吉光、田宮悠紀子、堀江元、岡野憲一、竹内和幸、

田村恵子、豊島恵一、野田淳子

築地教会 川原謙三司祭、高橋務、矢崎光雄、梅川慶子、漆原清江

本郷教会 井手雄太郎司祭、朝倉孝吉、鋤柄光則、石井達、結城康博、山口佳余子、

堀江治、斉藤壽一

 

 

 

アンケート

大司教メッセージ『新しい一歩 ―21世紀の福音宣教にむけての小教区再編成―』を受けて、東京大司教区中央地域協力体およびそこに所属する各教会も具体的に動き出す必要があります。今回中央地域協力体としての意見をまとめるため、アンケートにより皆様方のお考えをお聞きすることになりました。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

2001年9月         カトリック東京大司教区・中央地域協力体

 

 

Ⅰ.現在、東京教区には、個々の小教区では対応しきれず、教区全体として取り組まねばならない緊急で重要な課題が山積しています( 『新しい一歩』Ⅱ―8,Ⅳ―2参照 )。そのため、小教区以外で働く多くの司祭を必要としています。あなたは、このような問題の存在を知っていますか。

1.知っていた   2.『新しい一歩』で初めて知った   3.知らなかった

Ⅱ.司祭は高齢化し、召命も減少しているため、小教区へ派遣できる司祭数が減少し、いまの小教区の数(約80)をそのままで維持することは、すでに困難になっています( 『新しい一歩』Ⅱ―6参照 )。日曜日にミサのたてられない教会も出てきています。あなたはこのような状況を知っていますか。

1.知っていた   2.『新しい一歩』で初めて知った   3.知らなかった

Ⅲ.現行の小教区制度のもとで、教会はややもすれば内輪のニーズが優先され、外に対して閉鎖的となりがちで、傷つき倒れた人々にとって近づきやすい共同体とはいい難い面があると指摘されています( 『新しい一歩』Ⅱ―1,Ⅲ―3参照 )。あなたは、〇〇教会がこれまで、神を求め、悩み、苦しんでいる人たちが近づきやすい、開かれた共同体であったと思いますか。

1.開かれていた   2.ある程度開かれていた   3.閉鎖的だった

☆ 閉鎖的だったとお答えの方にお聞きします。〇〇教会には何が足りないと思いますか。あるいは、どうすれば開かれるようになるでしょうか。下記にご記入ください。

 

Ⅳ.〇〇教会に所属されている方にお聞きします。あなたが〇〇教会に所属されたきっかけは何ですか。

1.最寄りの教会だから   2.洗礼を受けた教会だから   3.親戚・知人が所属しているから  

4.通うのに便利だから   5.大きな教会だから      6.その他(          )

Ⅴ.〇〇教会に所属されていない方にお聞きします。あなたは洗礼を受けていらっしゃいますか。また、本日〇〇教会に来られた理由を教えていただけますか。

1.洗礼を受けている   2.洗礼を受けていない

 

Ⅵ.中央地域協力体に所属する各教会は、歴史も古く東京教区の中でそれぞれ大きな役割を果たしていますが、一方では都心にあるために社会的に様々な要因による問題を抱えており、その状況も一様ではありません。しかし、「新しい一歩」で表明されているように、「明日のよりよい教区作り」を目指して、各地域の協力体の中での再編成のあり方が問われています。そこで、このような中でもし再編成を取組むならば、どこの教会とのグループ化が望ましく、またご理解とご賛同を頂けるでしょうか?(2つ以上でも結構です。)

1.麻布教会 2.大島教会 3.神田教会 4.麹町教会 5.関口教会 6.築地教会 7.本郷教会   

8.その他(     教会)(具体的な教会名)    (なお、現在の所属教会以外を必ず、ご選択下さい)

 

Ⅶ.将来的には、新しい地域協力体に、司祭、助祭、修道者、信徒からなる宣教司牧協力チームが編成されることが目指されています( 『新しい一歩』Ⅳ―1―②参照 )。もし、協力を要請されたら、あなたは宣教司牧協力チームに参加しようと思いますか。

1.参加する   2.ある程度協力する   3.参加しない   4.分からない

Ⅷ.『新しい一歩』に関してのご意見がありましたら、ご自由にご記入下さい。

 

 

ご協力ありがとうございました。差し支えなければ下記の項目にもお答えください。

年 齢:10代  20代  30代  40代  50代  60代  70代  80代    性 別:男  女

〇〇教会に所属している方へ:所属してから何年ですか。  ~5年  5~10年  10~20年  20年以上    

所属していない方へ:いつから〇〇教会にいらっしゃっていますか。  今日始めて  時々  (  )位前から

 

 

 

アンケートにおけるコメント集計 (2001年11月)

Ⅲ.現行の小教区制度のもとで、教会はややもすれば内輪のニーズが優先され、外に対して閉鎖的となりがちで、傷つき倒れた人々にとって近づきやすい共同体とはいい難い面があると指摘されています。あなたは、〇〇教会がこれまで、神を求め、悩み、苦しんでいる人たちが近づきやすい、開かれた共同体であったと思いますか。もしそうでなかったら何が足りないと思いますか。あるいは、どうすれば開かれるようになるでしょうか。

 

 

【麻布】今年発足の教会運営委員会の基本方針「開かれた教会を目指す」をスローガンに、教会誌での情報公開や、行事でのコミュニケーション作り、新しい信徒への積極的なアプローチをすることにより「閉鎖的である」という考えは徐々に払拭しつつある。しかし、信徒の輪に溶け込み難い雰囲気、横の関係が一部である、外部への発信がないなど閉鎖的であると言うコメントもある。

 

【神田】主任司祭の努力やホームページ(HP)開設で、以前より開かれてきたと考えられる。特に結婚式情報の取得などのためもあり、HPへのアクセスは日常極めて多い。しかし、昔からの人達で固まっていて入りにくい、一部の人たちだけが全てを握り新しい人が入って行きにくい、などの意見があり、もっと色々な講座や、仕事を持つ者も参加出来る聖書研究会などを開いて欲しい、外部との交流を活発化すべき、などの提言があった。

 

【麹町】主な意見は以下の通り。(1)教会をはじめて訪れた人(信者、未信者含む)に対しての対応が不充分、冷たい。(2)教会内の隣人(見知らぬ人)に対してのお互いの声かけ、交流、気配りが不足している。(3)教会が大きすぎる(信徒数が多い)ためか諸事にわたり行き届かない事が多い。(4)お年寄り、ハンデキャップパーソン、社会の底辺の人々への肉体的な奉仕、貢献が少ない。(5)昔からの信者、古い仲間だけで固まっている、村を作っている。(6)掲示または人による案内が不足している。など。

 

【関口】現状については、(1)入りにくい・冷たい(建物が近づきがたい、気軽に足を運べる雰囲気がない)、(2)挨拶がない(教会が大きすぎて挨拶もない、教会を訪れても誰も声をかけてくれない)、(3)一部の人のもの(古い信者同士の仲良しクラブ化)、(4)共同体の姿勢が問題(カトリック教会全体が閉鎖的)、などの指摘がある。解決法としては(1)声をかけあう、隣人になる(気軽に声をかける、初めての人に配慮)、(2)構内の整備(案内板、窓口など)、(3)地域にとけこんだ活動(地域社会へ存在をアピール)、などが必要である。

 

【本郷】主要な意見は次の通り。色々な接し方に対応した窓口があるとよい。信徒の日常的交流があるとよい。少人数なので外から入りにくい。相談する信徒が欲しい。心とやさしさが足りない。楽しく集まれる環境(キャンプ、スキー)があるとよい。入りやすい、親しみ安い入門講座があればよい。閉鎖的で役員のみのクラブでないようにして欲しい。セミナ-・講演会などで地域の学生、外国人へのアピールをしてはどうか。など。

 

 

 

Ⅷ.『新しい一歩』に関してのご意見がありましたら、ご自由にご記入下さい。

 

【麻布】今回、アンケートでの協力者の大多数が年齢も高く、信者歴も長いため、大司教様への意見を遠慮される傾向になっていると判断される。18%の回答が出ているが、内容的には期待と賛同のものばかりである。小教区再編での反対意見はなかった。教区の状況を受け止めて、その中で協力を伴いながら改革をともに考えるという意見が大勢であった。特に多い意見としては修道会との連携を期待している点である。

 

【神田】あまり意見は多くなかったが、主要な意見は次の通り。(1)東京教区内での神田教会の役割を果たすために必要な方策を取って来ている。すなわち①教会施設の改装・整備、②聖フランシスコ・ザビエル遺骨安置、③土井枢機卿様司教座復活など。また東京教区への経済的支援も非常に大きなものがあり、最近ではホームページの開設により新たな方のミサへの参加も増えている。神田教会は東京教区にとって重要な教会であるので、再編によりその利点や、神父様や信徒の努力が損なわれないように是非留意して欲しい。(2)都心部に位置する各教会は、交通アクセスが良く、周辺文化の集積度が高いために、「集客力」が高く、多くの人々を引き付けることが出来る。代表的教会が連帯を深め、人事及び情報・ノウハウの交換を密にすることは、「社会に受け入れられる教会」となるために重要。また地域協力体内の連絡のため、インターネットを活用することも必要。

 

【麹町】(A)小教区の再編に関する主要な意見は次の通り。(1)小教区の問題がどこにあるのかよく伝わってこない。再編とは具体的にどのようなことか。各小教区の現状を知りたい。学習会を開いたらどうか。教会報などで伝えたらどうか。(2)宣教する共同体作りへの奉仕活動に協力したい。宣教司牧協力チームに賛成。(3)「新しい一歩」を読んで問題点が良くわかった。(4)司祭団、修道者に問題はないか、また教区と修道会の司祭どうしの協力はできないのか。など。(B)教会全体に関する主要意見としては、(1)カトリックの伝統を守って欲しい。教皇に従いもっと霊的なものが欲しい。(2)弱い立場の人々が見落とされないように信徒への心配りが必要。(3)司祭、信徒とも愛が不足している。意識の改革が必要。(4)教会が仲良しグループの集まるところになっては困る。エリート意識も払拭すべき。独善的になってはいけない。(5)信徒自身が自立すべき。自分の出きることをする。(6)若い人、奉仕したい人が動きやすい(参加しやすい)条件作りが必要。など。

 

【関口】(1)『新しい一歩』が良い提言とする意見としては、1)現状打破としてよい、2)自分のこととして受け止められる、3)司祭職の実態に信徒の実態も加味して歩き始めるのが良い、4)今までの閉鎖的・内向きな教会からの脱皮を評価、など。(2)協力したいとする意見では、1)大変必要、2)大司教様にお任せするが協力をする、3)教会統合など実情に応じた対応には協力、4)「広報・宣伝」「サービス・ケア」などのプロチームを育成しステップアップする態勢作り、など。(3)これからのあり方では、1)教会単位ではなく、ダイナミックな共同体の出現を期待、2)プロジェクトチームに信徒・修道者も参加を、3)神父様方の意思統一を期待、4)教会同士の心を開いた近所付き合いが大切、など。(4)、具体的指示では、1)もっと具体的な指示が欲しい。2)分かりやすくアピールして欲しい、など。(5)その他では、1)子供ミサ、英語ミサをやってはどうか、2)修道会の神父の派遣などを考えて欲しい、3)色々な機会で聴くまたは話し合う場は欲しい、など。

 

【本郷】主要な意見は次の通り。(1)各教会がしっかりした体制作りをすることが必要。(2)一般信徒が司祭の働きをサポートするとよい。(3)新しいぶどう酒に新しい皮袋を。(4)将来の教会のあり方について啓発される。(5)共同司牧の説明をやるべき。(6)ミサ典礼だけではなく、価値観や倫理を伝える信者の役割が大切。(7)教会がただ待っているだけでは、信徒が減るのは必至。(8)本郷教会では小さなグループがある。開かれていくために何をするか考えたら良い。(9)統合ではなく司祭巡回がよい。(10)誰にでもできる一歩は、神に真剣に祈ることから。など。

 

 

 

中央地域協力体アンケート集計結果 (2001年10月 )

Ⅰ.現在、東京教区には、個々の小教区では対応しきれず、教区全体として取り組まねばならない緊急で重要な課題が山積しています( 『新しい一歩』Ⅱ―8,Ⅳ―2参照 )。そのため、小教区以外で働く多くの司祭を必要としています。あなたは、このような問題の存在を知っていますか。(全て回答は%表示、以下同じ)

 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
1(知っていた) 65 68 46 59 72 73 64
2(初めて知った) 19 22 18 20 21 14 19
3(知らなかった) 12 11 35 20 3 11 15
4(無回答) 0 0 2 0 3 2 1

 

 

Ⅱ.司祭は高齢化し、召命も減少しているため、小教区へ派遣できる司祭数が減少し、いまの小教区の数(約80)をそのままで維持することは、すでに困難になっています( 『新しい一歩』Ⅱ―6参照 )。日曜日にミサのたてられない教会も出てきています。あなたはこのような状況を知っていますか。

 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
1(知っていた) 70 70 51 60 76 76 67
2(初めて知った) 16 19 15 19 21 13 17
3(知らなかった) 14 11 33 21 3 9 15
4(無回答) 0 0 1 1 0 2 1

 

 

 

Ⅲ.現行の小教区制度のもとで、教会はややもすれば内輪のニーズが優先され、外に対して閉鎖的となりがちで、傷つき倒れた人々にとって近づきやすい共同体とはいい難い面があると指摘されています( 『新しい一歩』Ⅱ―1,Ⅲ―3参照 )。あなたは、所属教会がこれまで、神を求め、悩み、苦しんでいる人たちが近づきやすい、開かれた共同体であったと思いますか。

 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
1(開かれている) 3 3 24 8 10 17 11
2(ある程度) 65 51 55 51 62 66 58
3(閉鎖的) 27 41 17 34 28 14 27
4(無回答) 5 5 4 7 0 3 4

 

 

 

 

Ⅳ.当該教会に所属されている方にお聞きします。あなたが当該教会に所属されたきっかけは何ですか。

 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
1(最寄教会) 48 19 11 31 36 51 33
2(受洗教会) 33 26 28 23 32 23 28
3(親戚・知人) 9 18 9 7 0 8 9
4(交通至便) 1 32 16 12 20 8 15
5(大教会) 0 0 6 6 0 0 2
6(その他) 8 14 13 8 20 7 12
7(無回答) 1 5 16 13 4 3 7

 

 

 

Ⅴ.当該教会に所属されていない方にお聞きします。あなたは洗礼を受けていらっしゃいますか。また、本日当該教会に来られた理由を教えていただけますか。 

 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
1(信者) 12 0 35 69 75 22 36
2(未信者) 0 5 11 31 25 0 12
4(無回答) 88 95 54 13 0 78 55

 

 

 

Ⅵ.中央地域協力体に所属する各教会は、歴史も古く東京教区の中でそれぞれ大きな役割を果たしていますが、一方では都心にあるために社会的に様々な要因による問題を抱えており、その状況も一様ではありません。しかし、「新しい一歩」で表明されているように、「明日のよりよい教区作り」を目指して、各地域の協力体の中での再編成のあり方が問われています。そこで、このような中でもし再編成を取組むならば、どこの教会とのグループ化が望ましく、またご理解とご賛同を頂けるでしょうか?(2つ以上でも結構です。)

 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
麻布教会と連携 0 5 20 3 45 1 12
大島教会と連携 1 0 3 0 3 0 1
神田教会と連携 10 0 31 13 21 24 17
麹町教会と連携 22 14 0 29 21 21 18
関口教会と連携 9 22 23 0 0 29 14
築地教会と連携 23 11 10 3 0 6 9
本郷教会と連携 3 38 6 18 4 0 11
その他 22 14 7 21 7 7 13
無回答 0 27 0 13 17 12 12

 

その他 目黒22件 浅草2件   豊島13件 浅草2件
高輪14件 上野1件   徳田3件  
渋谷2件 暁星1件   聖母病院2  
      他 3件  

 

 

Ⅶ.将来的には、新しい地域協力体に、司祭、助祭、修道者、信徒からなる宣教司牧協力チームが編成されることが目指されています( 『新しい一歩』Ⅳ―1―②参照 )。もし、協力を要請されたら、あなたは宣教司牧協力チームに参加しようと思いますか。

 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
1(参加) 8 11 17 22 24 21 17
2(協力) 31 68 43 43 31 33 41
3(不参加) 9 11 7 3 17 18 11
4(不明) 20 11 33 32 28 25 25
5(無回答) 9 0 0 0 0 4 2

 

 

回答者年齢

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
10代 0 0 1 1 0 0 0
20代 1 0 6 8 1 2 3
30代 9 14 16 16 14 14 14
40代 11 16 19 16 10 8 13
50代 14 24 18 16 21 22 19
60代 35 22 21 19 34 22 25
70代 19 19 11 14 7 22 15
80代 9 0 3 5 7 8 5
無回答 2 5 5 5 3 2 4

 

 

回答者性別 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
男性 12 19 14 17 24 24 18
女性 62 43 32 36 31 43 41
無回答 26 38 54 47 45 34 41

 

 

回答者所属歴 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷 平均
5年以下 10 16 33 19 16 22 19
5~10年 4 8 21 14 16 13 13
10~20年 10 22 19 17 20 15 17
20年以上 55 43 27 18 32 38 35
無回答 21 11 0 32 16 13 16

 

回答総数(人数) 

  麻布 神田 麹町 関口 築地 本郷
設問Ⅰ 77 37 934 251 29 101
設問Ⅱ 77 37 934 251 29 101
設問Ⅲ 77 37 934 251 29 101
設問Ⅳ 77 37 1094 318 25 101
設問Ⅴ 77 37 805 85 4 101
設問Ⅵ 77 37 689 314 29 101
設問Ⅶ 77 37 860 254 29 101