教区の歴史

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イエスのカリタス修道女会初誓願式説教

2017年12月08日

2017年12月8日、無原罪の聖マリアの祭日、待降節第1金曜日
イエスのカリタス修道女会日本管区本部聖堂にて

[聖書朗読箇所]

主司式
ペトロ 岡田武夫大司教

初誓願宣立者
シスターマリア・ドロレス 島本 京子
シスターピア 池田 さやか
シスター マリア・ファウスティナ 佐藤 まゆ
シスター ヴィットリア レティ キム ホアン
シシターマリア・ゴレッティ マイ ティ ラン

日本管区長
シスター アニエス 大水 恵子

 

説教

これから行われます誓願式にあたり一言申し上げたいと存じます。

いつくしみ深い主なる神様はわたしたちをお造りになり、わたしたち一人ひとりが聖なるもの、汚れのないものとなるようにお望みになり、主イエス・キリストの兄弟としてくださいました。わたしたちは洗礼を受け神の子となり、そして日々神の子にふさわしく在ろうと勤めて歩んでおります。しかしながらわたしたちは自分が弱いものであり、欠点のあるもの、罪深い者であるということを強く自覚するものです。

今日は無原罪の聖マリアの祭日です。あらためて聖母マリアに倣いわたしたちは自分の生涯を汚れのない聖なるものとすることができますよう、お恵みをお祈りいたしましょう。

わたしたち人間は神様から与えられた人間という存在、判断し決断し選択するという自由を与えられて被造物です。自分の責任をもって生涯を神に仕え、自分自身を、神に献げられる、聖い、汚れのない献げものとするように求められております。

わたしたちには自分で判断し自分で決断するという責任が与えられています。神様のみ心を求め、神様のみ心に従うことがわたしたちの日々の生活であり、そして主イエス・キリスト、聖母マリア、諸聖人の模範に倣い日々神様が自分に何を求めていらっしゃるかを祈り求め、それに従うようにと求められています。

わたしたち人間は生活するために色々なものが必要で、また色々なものを持っています。それを使って自分のためだけでなく、多くの人のために活かしていかなければならないのです。しかしながら、人間の中には欲深い傾向があり、色々な物を持っても更に欲しくなり、それらに振り回され、かえって物に支配されてしまうという問題も感じるのであります。

神はわたしたち人間を男性と女性にお造りになりました。人は男性・女性という自分の性を生きるものであります。男性と女性のふさわしい関係、そして自分の身体を神様のみ心にかなう聖い献げものとして献げするようにと神はわたしたちに望んでおられます。

すべてはそのように神様から求められておりますが、特に何人かの方々は神様からの特別な呼びかけを受け、その呼びかけに応えて修道誓願をお立てになるのであります。

修道者は、従順・清貧・貞潔 というこの誓願を皆様の前で誓立し、日々この誓願を生きることによって神の国がこの世に来ているのであり、神の国はどのようなものであるかということを、日々の生活と使徒職、日々の愛の実行によって人々に表し伝えるのであります。

今日誓願を立てる五人のシスター方、今の日本の社会でそういう生き方があるということを多くの人にはっきりと示すように努めてください。今の日本の社会は非常に世俗化された社会で、多くの人が管理と競争という社会のあり方の中で苦しみ、悩み、孤独に陥っています。修道生活という共同生活の中で互いに愛し合い、大切にし合い、自分のわがままを捨てて神様のみ心を中心に生きるという、そのような素晴らしい生活を多くの人に示すこと自体が、宣教・福音化という教会の使命を実行することになるのであります。

このシスター方の模範をわたしたちはいつも讃嘆の目で見ながら、わたしたち修道者でないキリスト者も誓願の精神を自分の立場、自分の生活の中でより良く実行できますよう、ご一緒にお祈りをお献げいたしましょう。