大司教

週刊大司教第百八十九回:待降節第四主日

2024年12月23日

待降節第四主日です。(写真は本日の枢機卿就任感謝ミサ入堂。詳細は後日。)

本日12月21日は、東京カテドラル聖マリア大聖堂で、午前11時から、わたしの枢機卿叙任(親任)感謝ミサを捧げさせていただきました。これについては別途記します。お祈りくださったみなさま、ご参加くださったみなさま、ありがとうございます。

以下、21日午後6時配信の、週刊大司教第189回、待降節第四主日メッセージ原稿です。
※印刷用はこちら
※ふりがなつきはこちら

待降節第四主日
週刊大司教第189回
2024年12月22日前晩

待降節も最後の主日となり、まもなく主の降誕の日を迎えます。日々の生活の中でも、クリスマスや年末年始が近づくこの時期、様々な準備に心を裂くことが多いかと思いますが、最後の数日間、主の降誕のお祝いに向けて、霊的な準備も怠らないように心掛けたいと思います。

第四主日に最初に朗読されるミカの預言には、エルサレム近くの小さな町ベツレヘムからイスラエルを治めるものが現れると記されており、「主の力、神である主の御名の威厳を持って」治める王の支配こそが、平和であると述べています。すなわち、誕生する幼子が支配する世界こそ、神の平和が実現している状況です。

第二の朗読のヘブライ人への手紙は、新約の契約は「御心を行うために」誕生された主イエスご自身のいけにえによってただ一度で成し遂げられているのであり、キリストを信じるものはその救いのために形式的な祈りを捧げ続ける必要はなく、すでに聖なるものとされていることを自覚し、その自覚のうちに生きることが必要であると指摘します。

ルカ福音は、自らの驚くべき運命に翻弄されながらも、しかし、助けを必要としている他者への心配りを忘れず積極的に行動する聖母の姿を記します。聖母マリアのエリザベトご訪問です。

聖母マリアのこのご訪問に触れて、教皇フランシスコは「福音の喜び」の終わりに、「マリアは・・・すぐに動かれる聖母、人に手を貸すために自分の村から『急いで』出掛ける方です。正義と優しさの力、観想と他者に向けて歩む力、これこそがマリアを、福音宣教する教会の模範とするのです(288)」と記しています。その上で教皇は、「聖霊とともにマリアは民の中につねにおられます。マリアは、福音を宣べ伝える教会の母です。・・・教会の福音宣教の活動には、マリアという生き方があります。というのは、マリアへと目を向けるたびに、優しさと愛情の革命的な力をあらためて信じるようになるからです」(288)と記しておられます。

わたしたちが待ち望んでいる救いは、形式的な崇敬を繰り返すことによって実現するのではありません。それは、福音の到来が待ち望まれている地へ出向いていって、神の望まれる秩序を打ち立て平和を生み出すことによって、わたしたちのうちに実現します。聖母はその模範を示し、主ご自身がその道程をともに歩んでくださいます。