大司教

2024年降誕祭 菊地功枢機卿メッセージ

2024年12月24日

主の御降誕、おめでとうございます。

暗闇に輝きわたる光は、希望の光です。暗闇に翻弄され、進むべき方向を見いだすことのできない旅人にとって、闇が深ければ深いほど、小さな光であっても、希望を生み出す源となります。

わたしたちの人生は旅路です。わたしたちは旅人です。神の国における永遠の命を目指して、わたしたちはこの地上で流れゆく時の流れに翻弄されながら、歩みを進める旅人です。一人で旅を続けるのには大きな困難と不安がつきまといます。しかしわたしたちにはともに歩んでくださる方がおられます。ともに歩んでくださる主イエスは、暗闇を照らす輝く光です。

教会はこの降誕祭から一年間、25年に一度の聖年を祝います。教会は大きく扉を開き、旅路を続けるわたしたち旅人に、心の安らぎを提供しようとしています。

旅を続けるわたしたちは、主イエスがともに歩んでくださることに感謝するとともに、主がわたしたちに与えてくださる暗闇に輝く希望の光を、多くの人に分け与える務めが与えられています。

主イエスご自身が希望を輝かせたように、わたしたちの暗闇にあって輝く光と高く掲げるものとなりましょう。暗闇に包まれている世界は、希望の光を必要としています。

希望の光イエスは、幼子でした。両親の助けがなければ生きていけない幼子でした。希望の光を輝かせるためには、助け合うこと、支え合うことが不可欠です。神が与えてくださったいのちを守ることは、希望の光を生み出す源です。

いま世界で、様々な形の暴力がいのちに襲いかかっています。神が与えてくださった賜物であるいのちは、その始まりから終わりまで、例外なく、護られなくてはなりません。いのちを奪う暴力は、どのような形であれ許されてはなりません。いのちを守ることは、希望の光を生み出す源です。

希望の光を輝かせる喜びの降誕祭をお過ごしください。