大司教

2024年待降節 菊地功枢機卿 メッセージ

2024年12月01日

2024年待降節
菊地功枢機卿 メッセージ

教会の典礼の暦は、待降節から新しい一年が始まります。救い主の誕生に向けての準備をするときです。

待降節はその名の通り、降誕を待つときであり、それは信仰における「待つ」の意味を考えるときでもあります。

「いつも目を覚まして祈りなさい」と呼びかける主は、わたしたちが、立ち止まるのではなく、主とともに歩み続けることを求めておられます。

教会はいま、シノドスの道をともに歩むことを呼びかけています。

シノドス的な教会は、互いに耳を傾け、ともに支え合い、祈りのうちに聖霊の導きを識別しながら、ともに歩む教会です。歩む道は、単に漠然とさまよう道ではなく、聖霊に導かれる道です。

聖霊の導きを識別するために必要なことは、共に祈り合うことと、共に「時のしるし」に心を向けることであります。時のしるしを読み解くことは、一人でできることではありません。それは教会共同体全体の使命であり、まさしく教会が現代社会に預言者として存在することを意味しています。

シノドスの道は、一人で孤独に歩む道ではなく、皆で支え合い耳を傾け合いながら、能動的に歩む道です。

わたしたちのいのちは、「互いに助けるもの」となるように、わたしたちに与えられています。助け合い、支え合いながら生きることは、わたしたちがこの命をよりふさわしく生きていくために欠かすことのできない務めです。ともに歩むことの大切さは、今の世界の状況の中でわたしたちが「時のしるし」を読み解くとき、真っ先に気がつく神からの呼びかけです。

ともに歩んでくださる神の誕生を前に、ふさわしい心の準備ができるように、互いに支え合いながら歩み続けましょう。