皆がいのちを守る道を

カトリック東京大司教区 大司教
菊地 功

主の降誕、おめでとうございます。　

この喜びの季節に、神の一人子が人となられ、わたしたちのうちに住まわれた地、聖地で、一体何が起きているでしょうか。

平和の君が、わたしたちと共にいてくださり、直接語りかけてくださった地、聖地で、一体何が起きているでしょうか。

神が与えられた賜物であるいのちには、神の似姿としての尊厳があります。

加えて神は、互いに助ける者となるように、このいのちを創造されました。だからこそ、人間の身勝手さにいのちを任せ、暴力でそれを破壊することは許されてはなりません。

聖地を暴力が支配する中で、主の降誕を迎えることは、悲しいことです。報道によれば、すでにガザでは2万人のいのちが奪われたと言います。

カトリックの修道院に向かっていた二人の女性が射殺されたという事件も起こりました。

いのちに対する暴力は、もう十分です。

主の降誕にあたり、暴力を捨て去り、いのちを守る道を皆が選択するように、祈りたいと思います。

神の愛と祝福に満ちた降誕祭をお過ごしください。