2023年復活祭　
菊地功大司教メッセージ

小さなロウソクの光が、復活徹夜祭で輝きました。暗闇に光り輝くあの小さなロウソクの炎は、わたしたちの希望の光です。キリストがもたらす新しいいのちへの希望の光です。

復活のロウソクにともされた小さな光は、「キリストの光」という司祭の呼びかけの声と共に、聖堂の暗闇の中に集まっているすべての人に、分け与えられました。一つのロウソクから始まった小さな炎は、一つ一つは小さいものの、集まったすべての人に等しく分け与えられたとき、全体として、暗闇を照らす力強い光となりました。

復活のいのちの希望を与えられる主の光を、兄弟姉妹と分かち合い、共にその光を掲げることで、わたしたちは暗闇を照らす力強い光となります。連帯が生み出す希望の光です。連帯が生み出すいのちの光です。新しい兄弟姉妹を迎え入れ力づけられた教会は、連帯の絆における一致を証ししています。

暴力が支配し、対立の陰でいのちが危機に直面しているこの時代、死に打ち勝って復活された主イエスは、いのちを生きる希望を、わたしたちに与えています。わたしたちは孤独のうちに閉じこもることなく、連帯のきずなをすべての人へとつなげていき、死を打ち砕き、いのちの希望を与えられるキリストの光を、一緒になってこの社会の現実の中で高く掲げましょう。神が愛されるすべての人を、永遠のいのちにおける救いの道へと招きましょう。

教会は、いのちを生きる希望の光を掲げる存在です。絶望や悲しみを掲げる存在ではなく、希望と喜びを掲げる存在です。対立や分断の象徴ではなく、連帯と支え合いの存在です。今の時代だからこそ、連帯のうちにいのちを生きる希望があることを、証しするものでありましょう。