大司教

ミャンマーでのクーデターから一年です

2022年02月02日

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ミャンマーで昨年2月1日、アウン・サン・スー・チー国家顧問ら与党関係者が国軍によって拘束され、軍出身のミン・スエ副大統領が大統領代行となって非常事態宣言を発令してから、今日で一年です。(昨年の司教の日記のリンク

NHKニュースサイトによれば、「ミャンマー軍は、クーデターに伴って発令していた「非常事態宣言」を半年間延長すると、31日夜、国営テレビを通じて発表し、今後も全権を掌握し続ける姿勢を示し 」たと言うことです。同サイトはまた、「クーデターの発生から1年になるのにあわせて、軍の統治を拒む市民が、一斉に仕事を休んで外出も控える「沈黙のストライキ」を全土で行う構えで、参加した市民には法的措置をとると警告する軍との間で緊張が高まっています」と伝えています。ミャンマーの方々の安否が気遣われます。

この一年何度も繰り返してきたことですが、東京大司教区はかねてより、ミャンマーの教会を支援してきました。戦後にケルン教区から受けた支援への感謝の気持ちとして、いわばそのお返しとして,今度はケルン教区と一緒になって,ミャンマーの教会を支援してきました。特に司祭養成のために,ミャンマーデーの献金を持って支援を行っています。

東京教区内の小教区に所属されるミャンマー出身の信徒の方々がおられます。故郷のことを思い、どれほど心配されていることでしょう。故郷が、安心と安定を取り戻すように、ミャンマーの平和を心から願います。この一年、ミャンマーの教会は,特にアジアの諸司教団の支援を受けて、軍事政権に対して幾たびも声を上げてきました。しかしながらそのたび事に、教会が標的となった攻撃が繰り返され、命を奪われた方も少なくありません。東京教区のホームページでも,ミャンマー司教協議会の会長であるチャールズ・ボ枢機卿が声明を発表する毎に,それを紹介して,連帯のお祈りをお願いしてきました。昨年の平和旬間には,この緊急の事態に直面しているわたしたちの姉妹教会を心に留めて、例年とは異なり、ミャンマーのために祈る平和旬間とさせていただいたところです。(昨年の平和旬間の平和を祈るミサについての日記

ミャンマーの共同体の方々と、クーデター一年を前に、1月30日日曜日の夕方、築地教会聖堂を会場に、ミャンマーの平和を祈り夕べの祈りをささげました。メンバーとの友好関係を担当する一人である築地教会のレオ神父様と、私も、お話をさせていただきました。当日の模様は,教区広報でビデオを編集して,後日公開する予定です。

暴力的な力を持って、尊厳ある人間のいのちのを危機にさらすことは,ゆるされません。神が与えられた人間の尊厳が、命の尊厳が十全に尊重され、誰ひとりとして排除されることのない世界の実現を求めて、平和を祈り続けたいと思います。